うだるような夏空
じりじりと足が溶け始めた寂しさに
わたしは階段を徘廻する
 
今へと続く段の隙間に
モノクロ写真 一枚
 
 
誰だっけ。
 
 
容量を越える思考 ....
しっけた熱が

朝の扉をノックする

蝉が笑っている

夏らしい花が

ちいさな虫を

しずかに包んでいる


歩いている

人間を運んで

誰もが自分を

運ん ....
五月雨からながれて
からげてもう八月の空
入道雲

うつむくきみのこころはとけない
あいすきゃんでぃーみたいにとけない
あまくない恋心に
下心は通用しない

せみみたいにまっすぐきみ ....
どうして
約束を
結ぶと言うのだろう

つないだ手は
結び目のよう
雨に濡れると
もっとかたくなる

強くひっぱって走った
雨の檻つづく
強くひっぱられて走った
かたく

 ....
俵万智
口説くつもりで
{ルビ三十一=みそひと}の
詩をしたためて
いったりきたり
銀幕の中
貴女に焦がれる
紙コップを手に
今日もぶらつく街中
オレンジジュースの曲がり角
毎夜飲み干す
ぬるい橙
少しずつ
明かりが点り始めた街を
歩道橋から眺める

気ままな
散歩の途中で

緩やかなカーブを描いて
線路の上を走る電車
朝に出掛けた人達も
またこの街に
戻ってくるんだ

 ....
あまりにも、夜空が美しく。

星が幾つも見えたので。

願ってしまいました。

どうやっても、叶わない。

そんな想いを。

こんな日は、寝るのが惜しいです。

もう少し、起き ....
 




「 とおく 」


         ただいま。


         おかえり。


         どこ いってたの?


      ....
 
 
沢山 沢山
愛でた花は
 
いつの間にか
僕の身長よりも
伸び て
 
初めて買った
赤いガーベラのように
僕の右眼は紅くなった
 
 
細かな艶やかさを
「綺麗 ....
広い通りに一様に並んだ木々

同じ品種が
同じように剪定されて

まるで揃いの置物のよう

此処の木たちは
自由に伸びることすら許されない



アスファルトの植え込みで
色 ....
永い永い年月をひとり

暗い暗い土中で過ごし

目舞うくらい天声聞くや

紅い紅い太陽の下へ

木に綴るは たった数日の命

単りの虫 と書いて「蝉」

叫び声のす ....
砂に埋めた記憶が
呼吸を止めて
海水の表面張力が
零れそうになる

あなたは
なくしたものばかり
瞳にうつしたがる
ポケットの中に
言葉が生まれる速度よりも
あなたの思いが
離れていく速度のほうが
少しだけ速かった
ポケットは口を開けたまま
言葉を失っていた
 
今夜、行くよ
ざらついた地面に
飽いたんだ
君は嫌いじゃなかったよ
 
種を残して行くからね
青い花が
いずれ咲くだろう
 
僕はもう
戻らない
次はおいしい風が吹く場所を ....
はんぶんより

すこしいびつにふくらんだ

あかいつきが

駅前どおりにうかんでいる


重力をかんじさせている

胸のしずかな

熱いところに

線香花火のだまのようだ ....
あの時感じた風は
今も優しく私の周りにふいて

そっと眠りへ誘います

木々の緑は
太陽光を遮りながら
美しい木漏れ日を描き

夏の花々は
暑さに負けずに太陽に向かって
 ....
昔、
暗やみがまだ
鏡の名前を持っていた頃は
安堵という美しさが
ありました

魔性は
ていねいに拒んでいたのです
だれかの
定義の外側を
上手に棲んでいたのです


 ....
わたしたち
流れて
真夜中の水になる
あなたの喉をやさしく潤して
そっと
夢の中にしのび込む


水は落ちてゆく
あなたの肩から腕をなぞり
そして
温かな水の中へと
導かれて
 ....
空に

広大な波を連ねる積雲は
傾きかけた陽光に染められて

まるで天使の翼のように

輝く造形となる



地に

肢を縫いとめられた私は
目を細めては高みを見上げて
 ....
風が止まったと同時に
少年は小さな石につまずいた
たいした怪我ではなかったが
泣き叫んだ

辺りを見回した
誰もいない
一人で立ち入り禁止の工事現場に
入っていた
日曜日の今日は誰も ....
呼吸すら億劫になるほどの草熱れ

立ち込めるのは夏の匂い


ジーク… ジーク…


緑陰に身を屈め、獲物を狙う少年

まるで、その空間だけが別世界


ジーク… ジーク…
 ....
爪先で
ぐんぐん進む兵隊さん
胸先に
ばんばん撃ち込む銃弾くん
 
脅えたあなたは
「はい」
を言って
(無理矢理と思わないで)
 
勘違いの鬼は
「だめ」
を与えた
(我が ....
自由が欲望を抑圧する

整理されない感情は
内へ内へと

静かな沼の中は
崩れゆく不安でひしめき

儚き夢は
虚空に消え

一瞬の希望は
断片のごとく

日々を過ご ....
記憶の中でざわざわとゆれる
届かない手のひらを裏返す
もどかしい程に幼い記憶
それはいつまでも声になる事無く
心を刈り取って行く
まるで古びたロープが
音も無く千切れゆく様に
静かに
 ....
 
加速してゆく
気持ちの老化
それにつれてか
空の青も
色褪せて
私の瞳は
ただの硝子玉になり
やがてことんと
墜ちるのだろうか
 
緑の葉っぱが
目に痛いのは
生命力が
 ....
殻の無い
カタツムリは言う

 

(差別するのは、
よくないぜ)

 

ただ、ソレがついてるか
ついてないかの
違いなんです

 

わかってるさ
塩に溶 ....
しゃぼん玉飛んだ

マンションの二階くらいまで飛んだ

マンションの二階くらいまで飛んで

壊れて消えた


も一度しゃぼん玉飛ばしてみた

今度はすぐに消えた

今度は ....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
ガラス窓が
ごつん、と鳴った
振り向いたら
何かがぶつかって
怪訝そうな顔をした
ガラス窓がいた

蝉が死んだのだ
わたしはそっと拾い上げて
犬にやった



窓の外には
 ....
秋桜さんのおすすめリスト(416)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かいだん- ゆるこ自由詩3*07-8-14
朝の扉- 吉岡ペペ ...自由詩107-8-11
とどかない夏- なきむし自由詩407-8-10
約束- ふるる自由詩15*07-8-10
女流歌人に恋をして- 北大路京 ...短歌5*07-8-9
あの青いドアが僕の- FUBAR自由詩9*07-8-9
ただいまを言うように- Porter自由詩29*07-8-8
星に願いを。- 狠志自由詩307-8-8
とおく- ae96自由詩107-8-7
さなぎ- 青井 茜自由詩4*07-8-7
物言わぬ共存者- 由希自由詩2*07-8-7
ひとりの虫- むむ自由詩207-8-6
表面張力- 小川 葉自由詩507-8-6
ポケットに速度- 小川 葉自由詩6+07-8-5
あおい花- 葉流音自由詩3*07-8-4
花火- 吉岡ペペ ...自由詩407-8-4
愛風- 彌月自由詩4*07-8-3
鏡という王国- 千波 一 ...自由詩10*07-8-3
流れる- yo-yo自由詩8*07-8-3
憧憬- 由希自由詩2*07-8-2
転んだら立て- ぽえむ君自由詩9*07-8-1
蝉時雨- 由希自由詩2*07-8-1
操った愛の終わり- 青井 茜自由詩3*07-8-1
日々- 風音自由詩207-7-31
波打ち際のボウタオシ- プル式自由詩5*07-7-31
蘇生- 葉流音自由詩107-7-30
エスカルゴ・パーク - アラモー ...自由詩207-7-28
しゃぼん玉- 優飛自由詩8*07-7-28
千の詩- ぽえむ君自由詩20*07-7-27
まつり- 小原あき自由詩15*07-7-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14