十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
人が壊れていく
大人が強いと言ったのはどこの誰だろう
声をはり上げて
大声で叫んで
ただ静かにわたしは暮らしたいのに
誰かの心を疑うこともなくて
意味もなく何かを恐れることなく
静か ....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる
それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない
ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
仏教の教えに、十界論というのがあります。生命の境涯の世界を十に分けたものです。下から、地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人界、天界、声聞界、縁覚界、菩薩界、仏界と上がっていきます。日本の仏教では、死ん ....
お金や幸せを掻き込むという
縁起物の熊手
わたしの望む幸せとは
そんな熊手の上手から漏れた小さな幸せ
例えばそれば
何時に無く目覚めの良かった小春日和の午後
所在無いままに陽だまり ....
集めている
草花の歌声を
鳥の時を
空気の鼓動を
水の根を
空の恋を
魚の道のりを
暗やみの夢を
ひたすら
見つけては
集めている
....
071226
死にたくないなと思っていたら
頃合いなので
これから死にますと言われて
はいそうですかと答えた
(配送ですかとは言えないので) ....
雲は
空のことが好きなのだ
ある晴れた日
どこからともなく
雲はやってきて
やがて空のすべてを覆いつくし
ひとりじめにした
そして泣いた
泣いて泣いて
涙がかれたら
雲はあ ....
{引用=(鍵盤が駆け上がる夜、/ガラス片、/鉄塔/に続く紅の、足跡、//)}
裏側はどうなってるかわかりません そんな理由じゃ嫌わぬ 月よ
差しだすとき、グラスの中身は原液です。 ....
きょーちゃんはクリスマスが大好き
サンタさんからプレゼントが届くからです
クリスマスの朝が 一年で一番嬉しいときでした
きょーちゃんは サンタさんに お手紙を書きました
....
社会がゆがんでなかった時代、大人も子どももとても健全だった時代、精神病者がいなかった時代、戦争がなかった時代、ヒトがヒトを殺さなかった時代、そんな時代、いつあった?
***
実質上、不快な ....
あ
ああはは
かわらが
さらさら
はたはた
なかまは
はかばだ
まがらば
やかたは
らあらあ
わら
飴と続けるのを怒られたので
う
木々のそれ ....
最初は綿ぼこりかと思った
小さな白い塊が
ふわふわと目の前に浮かんでいた
疲れた目の錯覚と決めつけてはみたが
白い塊はその数を増し
やがて
小雪でも降り始めたかのように
凍えた集会室 ....
黒い道がのびている
静かな{ルビ轍=わだち}が寄りそうように走り
道の上には白い雪が
粉砂糖のようにやさしく降り置いて
灰色の空には切り裂く翼もなく
肌を刺す冷たい空気ばかりが動く
....
「気楽」を抱き締めた
精一杯に、一生懸命に
「矛盾」が貼りついてきたので
えいや、と払い落としてごみ袋に入れる
これはもえるごみだろうか、と
湿った「疑い」が落ちてきたので
とりあえず床を ....
つまり
どうだっていいんだってことを確認するだけの思考回路
わたしはもういいかげん
大人になってしまったので
バカらしいことばかり増えて
「そんなのどうだっていいんだよ」
って言うためだけ ....
わんと鳴いたから
「ぼち」
わたしのこと
ほんとは誰も知らないはずなのに
「おはよう」
だなんて声かけて
頭をなでなでしたりする
とげぬき地蔵じゃないんだってば
雪が降って ....
町から街へ
子供から大人へ
僕の小さな足が
大きな坂道を下る
池の周りを囲う家並み
そこら中で
夕食の匂いがして―
母さんも料理を始める
僕は父さんの為に
ビールのグラス ....
{ルビ霞=かすみ}のかかる朝
交差点を横切る車の窓に
雲間から射す
日が光った
( 冬の澄んだ路上に浮かぶ
( かたまった光の残照
次の瞬間
「通りゃんせ」の唄は流 ....
071214
クジラの物差し
いらんかね
イランの金持ち
知らん顔
お金の無い国
匙投げる
お金のある国
見えたので
仕立屋銀次が笑い出す
....
僕を作った女の子は
満足そうに、駆けていった
僕はなんのためにここにいるの?
なにをすればいいの?
動くことも話すこともできないし
寒そうにしてる人を ....
「大丈夫。」
そう言ったのは君のためだと、そう自分に言い聞かせた。
「大丈夫。」
返す言葉はこれ以外に無いというほど繰り返した。
「大丈夫。」
表情筋を酷使して営業ス ....
灰色に曇った窓の雫を
つ、となぞると
白い雨は上がっていて
弱々しい陽射しの予感がする
こうして朝の死角で透けていると
ぬるい部屋全体が
わたしの抜け殻のようだ
だんだんと色が濃 ....
街の片隅で 捨て猫のように凍えているボクと
傷だらけの君の瞳の中に
同じ色彩が見えていたら
それはたぶん
愛と呼ぶのだろう
いつもなら
真横から朝日を浴びる時間に
ライトを点灯させた車が
飛抹をあげて通り過ぎていく
ふいに
まだ夢が続いているような
不安にかられる
クレーンを折り曲げた重機が
ごうごうと ....
あかん 好きに なったら
あかんのや けど
好きなんや
あかんと 思えば 思うほど
けいたいの
でんわばんごうの
並び方さえ
好きなんや
せやから 抱いているとき
辛いじかん ....
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。
わたしの少し疲れた掌のなか ....
{引用=
(透明な感性とやらがほしくってそれは犬とか食べても安全?)
}
ビー玉が散らばる雪の校庭を裸足で乱そう(見つからないように)
息を吸って吐いて吸って吸って吸っ ....
興奮を コーフン と書くだけで
なんだか 許してしまえるニュアンスになるね
ねぇ いま きみ コーフンしてるかい
ぼくは すごく コーフンしてるよ
失われた十年 よりも
....
ふたりでならんで
小鳥のようにねむった
特快にのりかえず
快速のままそうした
これからおたがい
別々の仕事場にむかうわけで
相方はアポイントに間に合うのか
俺 ....
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