うっかり昼寝している間に
半開きの窓から
しちがつの祭りが逃げていった
あわてて町中を探すと
黒山の人だかりがあり
かきわけて中に入ると
側溝に落ちたしちがつの祭りが
救出されているとこ ....
前に進むんは、別に怖くないんや。

でもな、不安なんや。


後ろに進むんは、楽なんや。

でもな、後悔しそうで、怖いんや。



弱虫やねん。



そんな時、あんたに ....
 


  ? 片口鰯、かく語りき


司会の片口鰯が
自分の頭をかじりながら
話をまとめようとするので
なかなかうまくいかなななないのだが

烏賊はいかんせん
自分の足をかじ ....
朝霧の蒸発してゆく速さに
子供たちは
緑色の鼻先をあつめて
ただしい季節を嗅ぎわける


くったり眠っている
お父さんのバルブを
こっそりひらいて
空色を注入する
うん、うんとうな ....
手を引いて
歩く指先は、きっと
温かかったような
そんな気が
している
 
お母さん、と
間違えて呼んだ私の
頭を撫でては
大丈夫と
微笑んでいたから
 
 
髪を結う仕草の ....
食べるのならあげるけど
おそるおそる声をかけられた
手に持っていたのは 漬物のようなお菓子

中国の方から戴いたものだという
仕事がらみのおみやげで
自腹でせっかく持ってきてくれたものだけ ....
放出された 夏の、
取り扱いをあやまった空から
束ねられた雨が落下する
世界はまだ、はっきりとした輪郭を持っていて
ぼくも きみも それを知らない 


ウィリー、ウィリー、
なぎ倒さ ....
繰り返される福祉が、
新しく歓迎の声を受けて――、
福祉は、いくつもの、与えられた菓子を食べる。
なかには、埃を被っている、
国民精神総動員要綱も、
    遠くに、ちらついて揺れている。
 ....
京都には
たくさんの色がある
錦の糸、その数だけの

雨が降れば、石畳の
風が吹けば、竹林の
雪が降れば、杉山の
星が舞えば、祭囃子の

さらりと、するりと、
あたりまえの顔をして ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
"母の日"に 母に贈った『四つ葉のクローバー栽培キット』

クローバーの葉には それぞれ意味があって
たしか『希望』、『信仰』、『愛情』
そして、四つめが『幸福』とか

 ....
となりのひとの
新聞
読むでもなく眺めていたら
恋のひやりはっと
って記事が
目に飛び込んできた

おとこのひとに見つめられ
ひやっとして
揺れるわたしに
はっとするってことかな
 ....
よく見てごらん
雨がまっすぐに降ってくるだろ
時折り銀色に光るのが
あれが雨の涙さ
空の悲しみが見えるだろ

よく聞いてごらん
雨が小さく跳ねるだろ
時折り痛そうな音がするのが
あれ ....
木蓮の花は
{ルビ宇宙=そら}を見上げる



『木蓮の咲く丘で』



花木好きの彼は
木蓮の花が一番好きで
白く甘い芳香が
中途半端にひらいた花びらから立ち上るのを
まる ....
隣の家の畑から
一輪の花が
「おはようございます」
挨拶をした

それは隣の家の
おばあちゃんの声に
そっくりで

腰は少し曲がっている
お辞儀草みたい
ちょん、と触ると
にこ ....
道端に表札が突っ立っていた
YAMASITA、とだけあった
YAMASITAさんとはぐれて
困っているようだった
家までの道順を教えてあげたが
わかりにくいところもあったので
いっしょに行 ....
だいたいポイントもらうために詩を投稿するってのがまず本末転倒だし、
ましてやポイントのために詩を書くなんて言ったら
それこそ何考えてるのか全然わからん。

つかさぁ、こんな小さな限定された場所 ....
女は消印を食べ続けた
消印を食べなければ生きていけなかった
医者には病気のようなものだと言われた
普通に届く郵便物だけでは
必要な量は満たせなかった
子供のころは
両親が女のために手紙を書 ....
ささやかなごく、日曜日
ファミリーレストランでアルバイトをしていたら
ひと組のささやかなカップルが入ってきた、
というどうでもいい話
は、詩にはならないだろうか

「いらっしゃいませ。何名 ....
 昨日、上京する前に友達に言われたことを急に思い出した。

 「お前さ、動物が好きやのに、獣医になるん」


 『ベテリナリーアナトミー』は副教科書だから、別に購入する必要はなかった。特別価 ....
雨が降ると誰かが
迎えに来てくれるような
気持ちになります

傘を持っていないふりをして
しばらく軒下に立ってたら
偶然あなたはあらわれました

雨、ありがとう。
あとかたもなく
灰にするということだ

ひとりで
生きていくために

世界に
巣立ちをせよということだ

父を焼く

かたくなに
声を伝えぬおとがいを
持ち上げたなら
かさ ....
砂原を歩いていると、人間の手が蠢いていたので、掘り出した
父だった
父はこんなところに埋まっていたのだ
途中から誰かがわかったので、指先でなでるように、焦って掘り出した
息をし ....
夜の、
雨の、
それぞれのゆくえを
ひと色に染めて
あかりは桜色

煙る雨の甘さ、
舞う花びらの温み、
絡めた指が
やさしさを紐解く
夜に、
雨に、
焦がれる桜

時計の針 ....
馬はずっと土の中で
千年以上も埋まっている
生まれた時は丘の上にいたが
数え切れないほどの戦乱と
自然の変化によって
冷たい土の中へと潜っていった
それでも馬は
丘の上から見た日の出を
 ....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく


きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
農夫だった祖父は
ある日
自分の土地に
油田があることを見つけ
大金持ちになった

父は働く必要がなくなり
暇さえあれば
世界を飛び回り
グローバル
という言葉が口癖になった
世 ....
浅草あっちゃん油虫
青葉青山案の定
インドイギリス硫黄島
イカの色したイイおんな

うどんウクレレうりふたつ
梅田鶯運の尽き
エンドえげれすエロガッパ
駅の易者のエビふりゃあ

浅 ....
ぼくがまだ見つけない 明日の
呼吸の波は、かぎりなく無音で
おしよせては、
皮膚のあいだに刻まれた旋律を
からめとりながら
引いていく


奥深い場所で対流する
なまぬるい記憶、ある ....
空の、あまりの青さが
出逢った日と同じ色をしていたから
なんだか違和感を覚えてしまって
それを誤魔化すように
むきになって笑ってみた

ここは夜景もいいけれど
飾り気のない素顔の街が見え ....
川口 掌さんのおすすめリスト(364)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
しちがつの祭り- 小川 葉自由詩407-7-27
ぱわー・あっぷ- 愛心自由詩5*07-7-25
片口鰯、かく語りき- Guy= ...自由詩7*07-7-25
海の日- 佐野権太自由詩38*07-7-24
人形- 山中 烏 ...自由詩15*07-7-24
困る- 砂木自由詩11*07-7-23
ウィリー、ウィリー、きみの名は、- 望月 ゆ ...自由詩44*07-7-14
幸福のデッサン——デッサン- 前田ふむ ...自由詩31*07-7-12
くろのかたろぐ- たりぽん ...自由詩1307-7-12
リスク、- 望月 ゆ ...自由詩61*07-7-9
四つ葉のクローバー栽培キット- 北大路京 ...携帯写真+ ...14*07-7-4
- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-7-3
雨の涙- ぽえむ君自由詩22*07-7-3
木蓮の咲く丘で- 蒸発王自由詩7*07-7-2
畑の花- 小原あき自由詩19*07-6-27
言い訳- たもつ自由詩1007-5-27
ポイントポイントうっせぇなぁ。- いとう散文(批評 ...20+*07-5-17
愛称- たもつ自由詩1607-4-21
ファミリーレストラン- チグトセ自由詩6*07-4-21
‐突きつけられたのはメスではなく‐- 士狼(銀)未詩・独白8*07-4-21
- 小川 葉自由詩10*07-4-21
明日に咲く花- umineko自由詩12*07-4-21
砂原に- リーフレ ...自由詩37*07-4-21
桜色の夜- LEO自由詩31*07-4-21
土の中の馬- ぽえむ君自由詩7*07-4-20
たくさんのきみにできること- 石田 圭 ...自由詩7807-4-19
親から子へ- ぽえむ君自由詩8*07-4-19
浅草あっちゃん油虫- A-29自由詩7*07-4-19
耳の産声- 望月 ゆ ...自由詩29*07-4-18
ヴィーナス・ブリッジⅡ- Rin K自由詩32*07-4-18

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