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おかねもちの
はながさいている
おかねのない
はなもさいている
おなじはなは
ひとつもないのに
ひとつしかないおひさまを
いっせいにむいて
あの夜の夕食を思い出せないまま
今日まで生きてきた
妻が初めてつくってくれた手料理は
少し難しい名前だった気がする
思い出してるうちに
思い出すことさえ忘れてしまって
思い出せないまま
....
雲は
空のことが好きなのだ
ある晴れた日
どこからともなく
雲はやってきて
やがて空のすべてを覆いつくし
ひとりじめにした
そして泣いた
泣いて泣いて
涙がかれたら
雲はあ ....
天使はやさしすぎたので
天国に連れて行かれました
その意味がわからない
一匹の猫は
黒い海を見ながら考えていました
お母さんのことを考えていました
お母さんは天使のようなおひとだった
そ ....
うっかり昼寝している間に
半開きの窓から
しちがつの祭りが逃げていった
あわてて町中を探すと
黒山の人だかりがあり
かきわけて中に入ると
側溝に落ちたしちがつの祭りが
救出されているとこ ....
雨が降ると誰かが
迎えに来てくれるような
気持ちになります
傘を持っていないふりをして
しばらく軒下に立ってたら
偶然あなたはあらわれました
雨、ありがとう。