母の日に花束を送ろう
生まれて初めての花束を送ろう
一人暮しの寂しさも
一人暮しのやすらぎも
なにやら輪郭のつかめない愛情も
きっと仕送りの一つなんだろう
だから
....
この味を知るのに20年以上かかりました。
「嫌よだってあなたって、何か臭うし、好みじゃない」
人は固定概念に左右される物です。
芳しい香り、まったりとしたコク、甘み
「あなたっ ....
小学生の頃、父と釣りに行った
昼過ぎから夕方まで
魚は一匹も釣れなかった
はら減ったべ?
タバコを吸いながら父は
僕にそう聞いた
きゅうにおなかが空いてきて
おもわず
....
あの日から遠いこころが始まった
そっちがいい
どっちがいい
気が向いたときだけ優しくできる
こらえきれず
きみを待ってる
ギター教室から
きこえる音楽
....
コンペイトウの 角を数えてみたけれど
よくわかんなくなっちゃった
だからコンペイトウの 角をおったの
まるいコンペイトウ
少しあまくて
角のぶんだけ
いとおしい
単純な味 ....
別になんでもない仲の君と
なんの因果か島根は松江の町を歩く
きれいな川 かと思いきや宍道湖
というか本当はきれいな水ではないんだけど
考えてみれば生きているってことは なん ....
昔の恋を懐かしみ
遠い日の
あの気持ちがあふれだす
淡い恋心を思い出しながら胸に秘める
目の前のあなたは
そんな私を知らない
優しく私を抱き締めるあなた
私の胸と
....
いつものように
バスを待っていたら
象がきた
大きな耳のようなドアから乗る
いつもの道を
いつもどおり走っている
だが停留所が
いつもとちがう
パンパス三丁目 オアシス北 ....
世界は現実味がなくて
絵葉書を見てるみたい。遠い。
この窓を開けて
風を部屋に送り込めば
少し生きてること
実感できるけど
ねぇ、なんだか
とうめいにんげん、になった気分
....
一面に広く冷たい月の砂丘を
春先の空に見つけること
教えてあげたこと
知ってほしくなかったこと
手紙を一枚だけ書いて
そして出 ....
昔の恋人と同じ部屋にいる
もうキスの柔らかさも
胸の感触も
はっきりとはしないのに
好きだった気持ちだけ覚えてる
なかなかきついもんだ。
縁を切った仲間のブログ ....
グッバイベイビー
きみはまだ
そこにいるのかい
トンネルを抜けると
そこは
まだ雨が降らない
東京駅だった
高層ビルが
山のように建っていて
お洒落だった
遠くの景色が霞 ....
訳もなく
お砂糖の糸の溶けて漂う
コップの中の水の宙が
明るい、そこへ
悲しい左目から順に
預ければいい
ほら
眼球が融けて、眩しい
それから右の頬 ....
きょう
たんぽぽとはるじおんを食べた
すこしだけ耳が伸びて
神様の声をきいた
あしたは
すみれとばらの花を食べる
すこしまた耳が伸びたら
まだ聞いたことのない
あなたの声が聞け ....
君が牛乳なら
僕はコーヒーだった
国道4号線
右折しても左折しても
そこは鎖骨だったから
かならずてのひらで行き止まりだった
行き止まりの
てのひらを握りあって
....
失った恋が
目の前で 僕抜きで
始まる としたら
それははがゆくて 怒りに満ちて
でもそれはまた
自分が何も得なかったかも知れないという
暗がりとの戦いでもあるのだ ....
淋しくなると月を見る
たったひとつしかない月を
知らない誰かと
この一瞬を共にできているかもしれないと
期待しながら
月を見る
ひとりじゃないよと
自分に言いながら
....
{引用=いつまでも生きていこうよ}
桜を見に
車椅子を押す
その背中
“来年も見に来よう”
孫から貰った桜の花
手の中に大事にして
見つめながら
“それまで生 ....
ひとにとって
わたくしは環境の一部でしかなくて
良い影響を与えたり
悪い影響を与えたり
これといって
影響を与えることもなかったり
季節がたのしくなかったり
....
野球を見に行った
試合の途中
本日の入場者数がアナウンスされて
僕が生まれ育った町の人口ほどだった
思わず観客席を見回すと
そこには
懐かしい人ばかりいるような気がした
当 ....
私にも
少し休みをくださいな
静寂の中
何にも刺激されず
自分の脳と
戯れたいんです
だから
どうか
少しだけ
私に休みをくださいな
あれは
神さまの涙だったのです
亡くなった人のために
涙を流してしまったのです
その涙の川で
溺れて亡くなったのです
私たちが
神さまでした
泣き叫ぶ人はまだ
川のよ ....
きれいな芝を見つけてしまうと
アプローチの練習がしたくなる
愛人と逢う数時間まえは
どんなふうにやるのか思ってしまう
想像と渇望のお話しだ
芝にねっころがるだけでは
....
彼女がいやなのは
その事柄よりも
それを知らないでいる時間
彼女がいやなのは
戦わずして逃げること
彼女がいやなのは
無視されること
人は傷つきすぎると
誰もが自分 ....
夢の中でキリンと友だちだった
野原や森を走り回って虫とりをした
僕の運転でドライブした
キリンはサンルーフから首を出して
ご機嫌に歌った
作ってきたお弁当を文句ひとつ言わず
ウィンナーも卵 ....
乾いた瞳を泳がすと
水族館にいるウツボのように
底辺を這う
つややかな自分を思う
てら、てら と
内緒話のようにひっそりとしたぬめりのなかで
色んな鱗を身に着けながら
明日の予定を考える ....
あいつには なにかしてやりたくなるんだよな
あいつになにかしてやるのは俺ってのがいいのかな
好きなのかな そうじゃないといいな
携帯もつと話し掛けたくて切なくなるんだよな
ただ ....
悪いことをしそうな夜は
思い出として残ってる
悪いことをした夜は
事実として残ってる
ただそれだけの違いなのに
昨日も、今日も、明日にも
かならず夜はやってくる
あな ....
時間の音がする
何かと思ったら
雨漏りだった
いつのまに
雨が降ったんだろう
いつから人は
泣くことを覚えたんだろう
雨の旧道を走り去る
一台の車の
静けさのように
ピアノ伴奏のある
昔の洋楽を聴きながら
朝の街道をドライブする
ニッポンのビジネスマン
街路樹の子宮のなかをゆく
きょうもハードな商談がいくつかある
じぶんたち ....
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