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サラダの水は純粋だ
野菜の涙かもしれない

湧き出たばかりの水は
すべてが純粋に見える

この心は
どこからきているのだろう
例えばこの手が動かせなくなった時
わたしはあなたに触れたくなる


例えばこの足が動かせなくなった時
わたしはあなたに会いたくなる


例えばこの耳が聞こえなくなった時
わたしはあな ....
今年初めての茄子が採れたので
お義父さんが好きだった
茄子味噌炒めを作ってみました

だけど、いつまでも残っています
冷蔵庫には
茄子一本分の茄子味噌炒めが
ぽつん、と

美味しくな ....
  何度もひとさまの葬式に参列してまいりましたが
  いつもいつも「死」はよそよそしい
  きっと、わたし自身の「死」は
  わたしの体に起こるけど
  感じられるものじゃあな ....
宇宙に
ゴミという
概念はあるのでしょうか


***


しっぽのない人間は、
しっぽのある犬よりも劣っている
そんな世界も
あるかもしれません


***


ひ ....
雪の中に埋めたのは
秋に散った
桜の葉っぱ

雪の中に埋めたのは
頑なになった
感情の石ころ

雪の中に埋めたのは
大きな白菜
真っ白な大根

雪の中に埋めたのは
恋焦がれる ....
小学生の時
わたしは薄水色だった
黄色のハンカチ
黄色の傘
黄色のお気に入りの服
だけど、わたしは
小学生の時
薄水色だった
黄色の長靴で
水溜まりに入るのが大好きだった


 ....
熱が下がった朝
起き上がるとまだ
少しだけ喉が痛い
でも、気にならないくらい
だから
顔を洗う
洗濯機に洗濯物を入れ
スイッチを入れる


台所の椅子に座って
湯が沸くのを待つ
 ....
これが泣いている、
という行為
大粒の雨が
ぼたり、ぼたり、と
音を立てる


わかってあげられない
ティッシュを差し出すこと
背中をさすること
それしかできない


それで ....
デジタルの時計を見ている
タイムスリップを繰り返している
1が出て唐突に2が来て
3がその上に重なっていく



分の十の位が一の位に話しかけていて
突然相手が変わったので
びっくり ....
「逃げる」を見つめてました


ある時は空腹から逃げました
耐えきれずに食べてしまったのです
あんパンは美味しかった
すぐに食べられることの幸せで
逃げていたことを気づかないふりをしまし ....
暇つぶしに読んでいた夫の漫画本に
ヒミツが挟まっていた
それはちょうど主人公が
携帯電話のメールを確認している場面で
お札と同じくらいの紙切れだった
(本当のお札だったら良かったのにな)
 ....
車に轢かれた「ただいま」があった
この持ち主はきっと
今頃帰る家がわからなくて
公園のベンチに体育座りしているのだろう


蒸し暑いこの季節になると
「ただいま」がそこいらで車に轢かれて ....
ゴミ箱を作ったので
いらないものを捨てた
だけど、ゴミ箱はまだ満足していなかった
仕方がないので
最近、増えすぎて
持ちきれなくなった不安を捨てた
ゴミ箱は少し満足したようだった
その日 ....
{引用=いつまでも生きていこうよ}




桜を見に
車椅子を押す
その背中
“来年も見に来よう”


孫から貰った桜の花
手の中に大事にして
見つめながら
“それまで生 ....
美味しそうな楽しみがあったので
夫と半分こして食べた
牛乳パンのようにほんのり甘く
甘いものが大好物の夫は
半分になった楽しみを
美味しそうに食べている
その頬が幸せを含んで
ぷくり、と ....
笑っている
見下ろされて恥ずかしくなる
毎日は
知らないところで進んでいた
取り残されたような寂しさが
独りぼっちみたいで悲しかった


 あの、
 昼間に薄く青くなる
 広大な陰 ....
図書館の本は
公務員みたいに黙って
読まれる、という役目を
少し怠そうに待っている

田舎の図書館は
どうも品揃えが悪くて
本にも覇気が無い

手に取ってみても
抵抗はしないけれど ....
シロとクロは
相反する色をして
だけど、寄り添い
補っているようで


二匹はいつも
空き地の隅に
重なるように眠っている
実際は交ざることなく


無造作に生えた緑から
シ ....
五月晴れの匂う
青い空の下
潤いの粒がキラキラ光る
生き生きとした緑の葉っぱたちが
風に揺られて
カサカサと何かお喋りをしていた
何だろうと聞き耳を立てても
わたしは人間なので
うまく ....
つむじまがりさんの小原あきさんおすすめリスト(20)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
サラダ- 小原あき自由詩9*12-1-12
たとえば- 小原あき自由詩6*11-7-19
茄子味噌炒め- 小原あき自由詩12*11-6-24
よそよそしいもの- 小原あき自由詩4*11-4-13
とりとめのない話- 小原あき自由詩9+*09-3-7
雪の中に埋めたのは- 小原あき自由詩6*09-1-22
- 小原あき自由詩23*08-11-7
平熱- 小原あき自由詩7*08-11-5
共有- 小原あき自由詩17*08-10-28
デジタル時計- 小原あき自由詩19*08-10-16
「逃げる」- 小原あき自由詩11*08-9-30
ヒミツ- 小原あき自由詩20+*08-7-30
「ただいま」- 小原あき自由詩22*08-7-25
ゴミ箱- 小原あき自由詩32*08-5-23
生き甲斐(お花見)- 小原あき自由詩10*08-4-16
美味- 小原あき自由詩19*08-3-7
簡単に空を空とは呼びたくない- 小原あき自由詩12*08-1-29
- 小原あき自由詩39*07-11-7
シロとクロ- 小原あき自由詩18*07-9-17
五月晴れの日に- 小原あき自由詩19*07-5-23

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