車に轢かれた「ただいま」があった
この持ち主はきっと
今頃帰る家がわからなくて
公園のベンチに体育座りしているのだろう


蒸し暑いこの季節になると
「ただいま」がそこいらで車に轢かれて ....
幸せになるために
不幸が少し
足りませんでした

不幸になるために
少しの幸せも
いりませんでした

それなのに
幸せになりたいとは
誰ひとり
言いませんでした

幸せになる ....
いつものことだが
ノートの一ページ目は
かなり緊張してしまう

まだなにも記されていない白紙に
私のような人が
はじめに記していいのか
朝の雪景色のときと
どこか似ている

あるい ....
だれも

誰もあなたを奪えないよ
だれにも

盲導犬を連れた
女性の方の講演を聞く
視力を
やまいで奪われた

  階段があります
  ではなくて
  のぼりの階段がありますよ ....
今日は中日が逆転勝ちだ

あの娘はラグビーボールみたいに跳びはねているだろう

あの娘を好きなあいつは

一緒に見ている気になってテレビにかじりついてるかな、今日来なかったし

なんて ....
肺の病で
彼はもう煙草が吸えない

禁断症状は
仕事とゲームで紛らわす
けれど

私は煙草を吸う
くわえ煙草で空を睨んで
足元を見下ろして
死んだ灰を捨てる

私の肺は
彼と ....
テッペンカケタカ
ホトトギスはそういって鳴くのだと
彼が教えてくれました
テッペンカケタカ
鋭く空を切りさいて飛び去る
そのとき空のどこかが欠けるのでしょう
あれから彼女の
空のてっぺん ....
見慣れた景色
窓の外

あの家の屋根から
少しだけ頭を出していた木も
過ぎ行く歳月を知らせるかのように
大きくなった


風のある日は
大きくうねり

晴れた日は
緑を激しく ....
正しい知識を身に付けよう

それを正しい知恵に昇華させよう

たとえばそれが普通の人なら

私は普通になろう

正しい意見を持とう

正解を導き出せるようになろう

生きていく ....
雨に打たれて
溶けて私は水になり

土にしみ込み
消えてしまえたら

雨上がりの強い日差しに
裁かれて
細かな気体になり
空へと舞い上がれたなら


どんなに楽であり

そ ....
衝動が体を揺さぶる
衝動が頭を揺さぶる
それはヒトが獣である証明
霊長類と言う動物である証明

理性は衝動を抑える
衝動を抑え虚無を残す
理性は動物を人間に変え
衝動は人間を動物に変質 ....
黒ねこが
ペリカンを好きになりました
好きだという気持を
彼女にどうやって伝えようかと
彼はとても悩んでいます
ペリカンは水辺にばかりいるし
黒ねこは水が嫌いなのです
届かない想いを
 ....
メソッドなど存在しない

ボロネーゼにちーずをかけますか
ええたっぷりめでおねがいします

山盛りのチーズをすぷーんで掬ってかけてくれるのを
にこにこ見守った
もあ? のーもあ?
もあ ....
恐れた 君と離れること

懼れた 君を失うこと

でも君はわたしの誰かではなかった


怖れた 君のこと

畏れた 君と同じ人であること

こんなに愛しくても
こんなに恋焦がれ ....
「水槽」




1.
とりあえずそこに
水槽(けっこう大きい)
を買ってきて置いてみた
魚はいない
でも「水槽」っていうぐらいなので
少なくとも水は必要だろうと思い
満杯にし ....
雨が降っているので
君を思うのはやめよう

天気がよくても
君を思うのはやめよう

勉強しよう
爪を尖らせよう
図々しくなろう

どうせ私に
大金は入ってこない
なら
君も同 ....
たとえば

お刺身を食べるとき
お箸じゃなくてスプーン


ちょっと一周走ってくるのに運動シューズじゃなくて下駄


私の隣で
昔の彼女との楽しかった思い出話を自慢気に話する私と付 ....
初恋の人は 今も地元にいる。

小5から高1まで彼のことを想っていた。



28才のときに再会して 結婚しようって言われた。

けど。

あたしは東京での仕事と生活を選んだ。
 ....
ゴミ箱を作ったので
いらないものを捨てた
だけど、ゴミ箱はまだ満足していなかった
仕方がないので
最近、増えすぎて
持ちきれなくなった不安を捨てた
ゴミ箱は少し満足したようだった
その日 ....
指令塔が送ってきた電波を
アンテナで受信して

単純作業の繰り返し
それが、僕のお仕事

思考は紙くずと一緒にゴミ箱へ捨てた

はい、僕、99号

その前には98号がいて
後には ....
とろり、と満月が零れる

そんな夜に終わったのだ
もはや何も共有しないあたしたち
心は見えないほど近くて
ベクトルはすれ違った

泣きたいときこそ涙は枯れて
代わりに零れる月、琥珀 ....
五月が
裏口から入ってきて
玄関から出ていくところだったので
私は少し呼び止めて
今こうして二人でお茶を飲み
別れを惜しんでいます

何もはなさずに
はなすことなどもうなくなったから ....
これ以上 きみの声を聞いてはいけない

これ以上 
もう
これ以上 きみの歌を聴いてはいけない


本当に
はまってしまいそうだ


きみのその詞を油断して聴いていると 
ぼく ....
鼓動する
線路上の心臓の
信号ではじまる旅
信号で終わる旅

点滅する
信号の果てにある
命の駅

信号は
出会いの青だから
別れの赤だから

動脈と静脈が
行き交う街に ....
歩くスピードが遅いと言われても
そこで泣いてはいけないのよ

だって キーボードは早く打てるんだから

これで釣り合いが取れてると言う事
バランスが世の中を支えているのと考えれば

お ....
毒林檎を食べて死ななかった 白雪姫がいるように

姫というヤツは、毒より強い

ケダモノとクダモノとで できている

動脈と静脈みたいに 

ケダモノとクダモノが

体の ....
君を傷つけていた。



僕を呪わない君の声がして

逃げ出したくなって

それでもまだ君が好きで。

逃げられません

嗚呼。





君の優しさが怖かった。
 ....
悲しみを表す言葉を並べて

悲しみの詩が出来たら

その悲しみは意思をもって

そっと旅立っていく

そんな気がして

僕は少し嬉しくなる



喜びを表す言葉を並べて
 ....
深くしわの刻まれたいかつい顔の男が夜の行軍

いないばあさんを探しに夜の行軍

他のばあさんの部屋をのぞきながら夜の行軍

ばあさんの味噌汁に入れるカボチャを探しに夜の行軍

寝ている ....
冷蔵庫を空けて見つけた
ゆずこしょうの賞味期限が
淡々と時間の経過を伝える


そんなに僕は好きではないのだ

ゆずこしょう

きっと風味は損なわれたろう

きっと、なら 逆に  ....
つむじまがりさんのおすすめリスト(421)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「ただいま」- 小原あき自由詩22*08-7-25
いらないもの- 小川 葉自由詩4*08-7-23
ノートの1ページめ- mokomoko自由詩5*08-7-23
最後の細胞- umineko自由詩8*08-7-20
気持ちのるつぼを明日へ- 短角牛自由詩308-7-17
煙草- 蒼木りん自由詩408-6-20
ホトトギス- yo-yo自由詩7*08-6-19
変化- 舞狐自由詩11*08-6-15
生きている本分- 短角牛自由詩308-6-15
消えて- 舞狐自由詩9*08-6-12
衝動- 電子ノ猫 ...自由詩108-6-7
黒ねこ- yo-yo自由詩8*08-6-6
メソッド- よしおか ...自由詩3*08-6-5
おそれた- チェセロ ...自由詩308-6-3
「水槽」- ソティロ自由詩9*08-5-30
君を思うのはやめよう- 蒼木りん自由詩308-5-30
それをなんと言うのか- 舞狐自由詩6*08-5-25
雨の記憶- 高杉芹香散文(批評 ...11*08-5-24
ゴミ箱- 小原あき自由詩32*08-5-23
僕、99号- 三奈自由詩7*08-5-22
満月は蜂蜜の色- lazy自由詩7*08-5-22
五月- 小川 葉自由詩608-5-20
油断大敵- 高杉芹香自由詩1*08-5-20
鼓動する信号- 小川 葉自由詩4+*08-5-19
プロムナードで一分の会話_- 酸素の枷自由詩2+08-5-18
野薔薇- るるりら自由詩9*08-5-12
贖罪志願- 水島芳野自由詩408-5-11
沈黙の奏- COCO自由詩19*08-5-9
夜の行軍- 六九郎自由詩4*08-5-9
ゆずこしょう- さわ田マ ...自由詩4*08-5-8

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