すべてのおすすめ
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ
昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
夜の憂楽町線は
疲れたメガネの顔でいっぱいで
うんざりしていたら
隣に座っていた女の人が無言で泣いていた
女の人は下を向いていて
しゃにむに手で前髪をすいている
耳をすますとポツ ポツ ....
学級委員のももちゃんは、
いたずらっ子の男子をこらしめます。
今週は7人の男子が女子に謝罪をしました。
青島君はめげません。
ももちゃんのスカートをめくりました。
はじめて、めくってもら ....
〈君がマンホールの小さな穴に吸い込まれる〉
もう何日にもなる。
だから僕は一刻も早く、君を探さなきゃいけなかった。
ずっと寄り添ってきたはずなのに、何も言わずに君は夕焼けと一緒に行ってしまった。 ....
さいきん
じぶんの
はんぶんが
じつはおとこで
ななしの
ははおやであることに
きづいて
とこにふした
いやなこった
せけんのはなしなんかじゃない
にんげんは
に ....
イメージするということ
たとえば
ゴキブリいっぱいのプールに放り投げられるということ
眠っている間に鼻の穴から寄生虫を入れられるということ
イメージするとい ....
白い壁の
薄黄土色のドアの向こうに入る前に
これを持ってて
と渡された
エアキャップ
ぷちぷちと
つぶして待っていればいいんだろうか
それとも
ドアの向こうから戻ってきたら
自分 ....
キャッチボールをしたいのに
ボールが無くてボールペンがある
ボールペンの事は言わなくていいじゃないか
ボールペンを探してるのに
ボールペンが無くてボールがある
ボールの事は言 ....
一
あなた
あなたから
あなただから
あたたかだから
あなたあたたかだから
あなたあたたかなからだだから
あたたかなあなたはだかだから
あたたかなあなたはばかだから
あかさかはあさだ ....
かなしい
かなしい
かなしい
音が
三回して
水たまりの鯉は
のたうちまわっていました
おたまじゃくしは
海の中で目を白黒させていました
砂漠では
珊瑚が立ちつくしてい ....
彼女は早起きしてお弁当を作って
今日はピクニック
いいお天気
彼女の調子もいいみたい
ひさしぶりのピクニック
外に出るのもひさしぶり
彼女の退院記念
彼女の作ったお弁当の中身 ....
何度ささやいたかわからない
あいしている
のうち
一度だけは
「哀している」
と言ったのだ
きみは気づかないが
かなしもまた愛し
あいしもまた哀し
きみが肩に頭をのせているあ ....
ある日
ヒゲが全然剃れないので
やけに切れないカミソリだなと思ったら
カミリソだった
そりゃそうだ
*
ある日
ヒゲを剃っている途中
カミソリにカミリソ ....
夜はどこにあるのですか
しまってあるのですか
どこに
すぐそこに
見えませんか
そんなに澄んで見えますか
あなたの見ているあれは
実は
空ではないのです
あれは
ただのふろしき
....
まず言っておかなきゃならない
これを読んでるあなたは
(あなたが誰であれ)
この雑文における「あなた」ではない
あなたと「あなた」は別人である
筆者と「私」も別人である
まずあなたにこれだ ....
この曲がり角の先にタバコ屋があって
その先にはこのあたりで唯一のお酒屋さん
最近スーパーでお酒販売しだしたから大打撃やね
人の良いおっちゃんとおばちゃんがいてるのに
その前のたこ焼屋さんは安く ....
ひとりきりでいなくなろうと思った
特に悲しみなどないのに橋の上から
飛ぼうかと思っていた
わたしはみかんがだいすきだったので
最後に一つと思ってくちにふくんだけれど
あまりにおいしくなかった ....
牛乳を買ってきたつもりだったのに
袋に入っていたのは
それはそれは立派な
乳牛だった
妻は、こんなものどうするつもり、と怒りまくり
娘は、牛さんが来た、と大喜びをした
毎朝、新 ....
夕焼けに
あなたをひたしておいたのは間違いだった
体の重みが邪魔でならないというように
身をよじって窓辺のベッドに横たわる
へそのくぼみから腰骨
肩甲骨
うで
まるく光る乳房
あごの下 ....
けずるけずる
今日もけずる
けずれるものは
全てけずる
みがくみがく
今日もみがく
みがけるものは
全てみがく
ふくふく
今日もふく
ふけるものは
全てふく
けずっ ....
ボウは嵐の夜に
振り落とされたのだった
黒雲の闇からまっさかさまに
大海原へぼとりと落ちて
荒れ狂う波間に沈んでいった
気がつけば
波の切っ先が岩を削る
歩いただけで
....
誰もいなくなった教室で
同じ図形をノートの端にひたすらに書くということを止められなくて
一本の線で四角をどんどん連鎖させて黒くなるまで
はじまりがどこだか見えなくなっても
鉛筆の先に終わりはま ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った
蝶が来て
狂いたい
と言 ....
地獄のとある片隅に
けしごむのかすがうずたかく積もっている
ここはけしごむ地獄
後悔ばかりして生きていた人間が
人生を白紙に戻すため
けしごむを動かす
ぐい、ぐい、ぐい
自分の人生は ....
紺がすりのような夜を眺め
穏やかな一日を思ううち
心は幼年に浮遊して
小さな手から落としたごむまりを
おにいちゃんが思いっきり地面にたたきつける
ぽーん
ぽーん
空を見上げて
追いかけ ....
うもれてねていた
いまはいつだろうか
どれくらい
ねていただろうか
このくらいへやでは
わからない
おとがする
こまかいおと
おおくのかさなる
しんどうがする
ごはんをたべ ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し
「そら」
と書けば
どこもでも青く
「もり」
と書けば
木々が香り
「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり
「ま ....
あなた、頑張って
隣で寝ている妻の寝言にびっくりした
寝ているのに何故わかったのだろう
わたしはちょうど42.195キロのフルマラソンの最中で
トップを走っているのだ
これからきつい ....
朝の電車につめ込まれ
私達豚は
割と可愛らしく鳴きます
oink oink
たまの夏日
節電のために抑えられた冷房
蒸気の飛び交う車内
暑苦しくスーツを着込ん ....
わたしたちさいしょの十年で永生には疾うに飽きてしまった。
心臓がことことと鳴る。ハロー、ハロー。はじめに頬に落ちた雨が恩寵のようだったことをまだおぼえている。産まれてすぐ吐瀉物のように泣き出 ....
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