すべてのおすすめ
あなたの背中に吹いた風が

ここまで届くようにと窓を開ける

どこからか

たどたどしいリコーダーの音が聞こえる

この星はとても小さい
 
道のひとつも間違えず
毎日を器用に歩きながら
私はここずっと
半分行方不明です


タバコを吸おうと
ベランダの窓を開けると
残りの半分が
風にはためくので


飛ばされ ....
シャツとセーターを
いっぺんに エイッ と脱ぎ捨てるように

思い切って
まだ冷たい風の中に
私をさらしたら

その勢いに 驚いて
くよくよする私も
ピョンッと飛び跳ねるかもしれない ....
凍った兔は缶詰に入れられていた

床は兔だらけで
もちろん、その兔は縫いぐるみで
継ぎ接ぎだらけの兔の目には釘が打ち込まれていた

その真ん中で男は兔を掴み切り刻む

布切れを雪のよう ....
いじめられっこの兄妹が居ました
二人は青い目をしていました
とても奇麗な、青い目
とても目立って仕方の無い、青い目

いじめられ続けた六年生のある日
兄は同級生に刃向かいました
 ....
言葉を許してしまったら
どうにも落ち着きが悪いから
とりあえず
旅に行きましょう
ささくれだった
太い指が
地図をなぞるのを見るのも
悪くない

車窓から
見える景色が
山ばかり ....
今日も朝から
洗濯機が大声で歌っている
オペラのつもりのようだけど
音痴で
しかも、時々声が裏がえる
近所迷惑だからやめてくれと言っても
聞く耳をもたない

ありったけの洗濯物を押 ....
 
  腹減ったから
  なんか 食おうぜ


って
入ったところは
今どき珍しい
換気扇が壁にひとつ付いてるだけの
けむけむの
もくもくで


ねぇ
さんにんで会うときは ....
林檎をむいて
皮をむいて
木陰をむいて
こっちをむいて
河をむいて
小波をむいて
さぁ むいて
君は流れてゆくね
むきながら
こぎながら
なきながら
ここで いいのだよ
おもい ....
サクラのキャンドルを買ってきた

小さな丸いジェルのキャンドル

ピンクのサクラが

真ん中に入ってる

サクラのマグカップを買ってきた

有田焼の和風なマグカップで

サクラ ....
街でついつい男の人を
宝石に
変換する

裾に 白衣ののぞくメガネは
傷のついたオパール石

チャイナ帽 歩きタバコの初老は
家のないラピスラズリ

梯子に登りたそうな ボーダー2 ....
北海道の地方都市では
量販店はひたすら郊外型になってしまって
駐車場は平地で2000台収容
回転式のエントランスに
何カ所にも設置されたエスカレーター
天井は高くて空気もよくて
新宿のビッ ....
伝達
という義務から離れた言葉はいつも
夕闇に泡立ち
朝方に溶けてゆく
闇が私と私を囲う壁と壁を囲う外界を親和している間は
言葉が脳のなかで循環するのではなく
発せられなくても流れ出してい ....
くつひもほどけた

かれはかたむすびしかできなくて

ここのつのかたむすびがつながっていた

あたしのは

よわいよわい

ちょうちょむすびで

ふんわりさしてたので

く ....
小学生の時の話で

学校に行くと先生が休んでいて

自習の名目で

突然試験をやらされた


わからない問題は後回し

けど 記憶にないから

答えず終い(俺はね)

そ ....
その少女の玉手箱は
最上階の右から三番目

上りきるとすでに
玄関のドアは少し開けられて
少女は風に挨拶をしながら
俺を見ている

「きょうはなにしてあそぶ?」

部屋に入るとすぐ ....
葛藤に勝つ加藤さん 祝いたい岩田さん いいんだ飯田さん 宝だから宝田さん
しきたりは岸谷さん 最高だよ斎藤さん 一等だよ伊藤さん 只今参上三条さん
四季の錦の錦野さん 好き過ぎ鈴木さん あらいい新 ....
 
長い針がてっぺんで止まって
からくり人形が踊りだすように
季節は正時を知らせないので
私には夏と秋の境目が分からない
午後いつものように並木道を通ると
すっかり中年になった白樺の深緑
 ....
 
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
 ....
今朝、レモンを産んでしまった
それは、色も形も匂いもレモンそのものだった
もし産んだのが卵だったら対処のしようもあったろうに
なんでレモンなんか産んでしまったんだろう
レモンに耳をあてると ....
駅からちょっと斜め方向の
ひまわり商店街は
活気をとりもどすために
商店街の名前を
マシンガン・ストリート
に変更した

それぞれマシンガンと銘打った品を出す
ことにつき 


 ....
古タオルに黒マジックで
ぞ う き ん と書いた
ぞ う き ん

なので反対側の端っこには
き り ん き ん と書いてみた
き り ん き ん

家人に見せると
きりんきん では ....
けっこう何年経ってもゆるされない



17才
「あんまり辛そうだったから声かけられなかった」という友達の気持ちがわからない

27才
帰郷
やっとでパートタイマー
勤め始めて4か ....
箸を持って近づいてみたら
じいちゃんの骨はほとんど残ってなかった
焼き時間を間違ったんだって
ママとママの姉弟は泣き崩れて
火葬場の人は床につくくらい頭を下げていて
あたしは用事のなくな ....
おとついのおかあさんは にんげんだった
たまにようじを すこしわすれた

きのうのおかあさんは にわとりだった
さんぽあるいて ことばをわすれた

きょうのおかあさんは はとぽ ....
男と女は一戸建てだった 
もともとひとつの円テーブル
足があって
アクセサリーだった
一連につながったセットの死角で
バラバラだ
キラキラもして

遡る
もとの糸

太陽とか ....
眠くて仕方が無いと母は言う
こんなに眠くて仕方が無いのは
悪いことが起きるから
それとも脳梗塞なのかしらん
雑煮の鍋を温めながら
迷信深い島の年寄りの顔になる

庭には
他の樹木とは、 ....
夏、庭にアリクイが迷い込んだ
首輪をしていないところをみると
たぶん、野良アリクイだったのだろう

アリクイは庭で蟻を食べ続けた
長い口先から長い舌を蟻の巣めがけて伸ばし
舌に小石や砂 ....
チューリップ・ツリーの上で                            
しきりに鳴いている蝉にしても                      
伝えようとしているのだ         ....
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの

憧れていたんだ、ワイパーのある ....
アンテさんの自由詩おすすめリスト(498)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アノマロカリス- たもつ自由詩15*04-3-3
ゆうやけくつした- 石畑由紀 ...自由詩604-3-2
一歩め- さち自由詩7*04-3-1
兔缶詰- 暗闇れも ...自由詩2*04-2-29
マイノリティー- 自由詩2*04-2-29
和解- 岡村明子自由詩304-2-29
夏の風- たもつ自由詩1704-2-27
焼肉情事- 石畑由紀 ...自由詩604-2-26
ムキ- 湾鶴自由詩504-2-25
☆61_サクラ- 貴水 水 ...自由詩204-2-25
- 山内緋呂 ...自由詩17*04-2-22
イトーヨーカドー- 石畑由紀 ...自由詩1204-2-18
言葉- 岡村明子自由詩504-2-17
くつひもほどけた- かなりや自由詩4*04-2-16
点数- 純太自由詩9*04-2-12
シュガーブラウン色の髪の少女- 純太自由詩604-2-11
あなたを肯定します- 紀ノ川つ ...自由詩904-2-4
正時の鐘(緑の日々・2)- 石畑由紀 ...自由詩804-2-3
緑の日々- 石畑由紀 ...自由詩2404-2-3
レモンの日- たもつ自由詩4204-1-30
夕焼けが足りない13(マシンガン・ストリートの少女2)- AB(な ...自由詩1104-1-28
ぞうきん- 小池房枝自由詩1004-1-24
遺書- 山内緋呂 ...自由詩4*04-1-23
終わりの続き- 石畑由紀 ...自由詩804-1-23
わすれもの。- 自由詩604-1-22
肆覚イス- つきのい ...自由詩604-1-21
眠くて仕方が無いと母は言う- Six自由詩904-1-21
くぼみ- たもつ自由詩804-1-20
チューリップ・ツリーの上で- よねたみ ...自由詩704-1-18
ワイパーのある生活- たもつ自由詩2204-1-15

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17