すべてのおすすめ
名を呼べばいつでも来てくれる
君を犬だと思ったことはないけれど
ヒールの靴底で君をなじる至福
浴槽のなか 向かい合って足裏で君の頬を叩く至福
偶にね、
運転中の横顔見ながら噛み付きた ....
靴紐がほどけたまま歩き続ける
家に着くまでに3回 無様に転んだ
擦り傷をつくるたびに上がる口角
もっと もっと 痛みが欲しい
壁に頭を打ち付ける
どうして生きてんだ どうして生きてんだ ....
若しも私の目が光を失ったなら
貴方の手で導いてほしい
貴方の言葉で伝えてほしい
貴方の体温で生きていることを実感させてほしい
傍に居て 居なくならないで
....
うとうととまどろんでいたら
夢の中に君が帰ってきてしまった。
間延びした声で「おかえり」と私は云い、
少し疲れた声で「ただいま」と君は云い、
私は起き上がって、
…起き上がって? ....
(はやく耳をふさいで。あれは死人の戯れ唄―。)
寒々しい空は、睨むごと暗さを増して、
空が生きているならば、それは今にも息絶えそうな色をして。
冬の匂い、
スカートの裾 ....
抱えた哀しみまでそっくり瓜二つなんて
神様は本当に酷なことをする
心のやわらかい場所で繋がる君と僕の
その温度の共有こそがすべてだったというのに
目を離した隙に君は遠くへいって ....
五線譜に音符が幾つもついた靴下をはいていったら
なんと運転席の男(26)がじゃれた。
「こら、運転中」
「だって靴下、可愛いもん」
「可愛いもんって……あぁ、うん」
....
写真を撮りたい、と云う欲求は一体何だろうと考える。
撮りたいと思うものはいつも空。
そして原色がちりばめられながらも穏やかな色をした公園、
自分の周囲にいる愛しい人々、
かつては息をしてい ....
私の痛みが君に沁み込んでいく
涙を一粒 こぼすたび
瞼をつよく こするたび
肩を震わすたび 声に涙が混じるたび
君の車からティッシュをひったくって
泣きじゃくる
涙が出始めると ....
過去のトリミングは上手くいかないよ
無花果の匂い 雨の匂い
ピアノにくちづけて 無重力、時々カニバリズムな僕ら
君を赦そう
両手を大きく広げ 世界にさよならした君を
扉をひらくふ ....
薄明かりの中、夜目が利かない私の手を引いて
いつの日か連れ去って下さい。
貴方の幸せがいつも私の隣に存在するのなら、
こんなにも幸せな事はないよ。
貴方を守りたい
....
感傷ナド噛ミ殺シテ愛したりすればいい。
泣きわめく幼児を俯瞰。
手にはコクトォ。
避難はしごの下で安い肉を喰らう。
願わくば貴方が私を喰らえばいい。
貴方のやさしい顔へ私の小さな手を伸ば ....
シュヴァルツェ・カッツを追いかけて太陽を見失う。
別にどうでも良いのだけれど。
瑞瑞しい指先は白く膨張した溺死に似ていた。
あの日の笑顔に似ていた。
あの日に失った太陽に似ていた。
....
Act:01 「アロンアルファ」
「どうも、星が墜落したようだ」
声をひそめてそう云った男は、瓦の取れかかった屋根から
落ちてきた。
「君だって墜落してるじゃない」
右手 ....
今日の雨は哀しい音で泣くから
傍に居て欲しいと、思うんだよ。
頭をぎゅう、と締め付ける雨の響き方が
やけにゆっくりで
あのイントロに似ている、と思ったりする。
死は矢張り誘惑で
言 ....
君の肩越しに白熱灯
君に触れられた部分が熱を持つ 静かに静かに
手をきつく繋いで
深い場所まで二人で堕ちよう?
「温もりを ひとつ あげる」
「…何を、きみはくれるの?」
....
夏は滅びを垣間見せるから
静かに優しく笑っていて
愛してくださいなんて云わないから
だから どうか 死なないで
音のない哀しみは雨
微速度撮影で人生を撮ったとしたら
壊れ始めは ....
雨の夜はささくれていくよ
言い訳なんかはごめんだ
頭蓋骨がきしり
水音は止まない断罪のようで
息が出来なくなるよ
雨垂れ
死体
仮装行列
そこを行くのはだぁれ?
いつもいつもいつも自分に非があると思って生きてきて
悪くなんかないよ、って不意に頭撫でられたら泣いてしまうでしょう?
どうして君はそんなにも優しいのだろう。
綺麗になりたいと思うよ。
はや ....
「中々、来ませんね」
「そうですね」
「…?お二方、何を待っているので?」
「シですよ」
「シ?」
「死を、待っているのです」
「もう五 ....
君のために泣こうなんて
大層綺麗な心は持ち合わせてないつもり。
笑ってあげる。
馬鹿だなって云ってあげる。
隣りに居てあげる。
自惚れてる?
そうかもね。
でも君の事が大切で ....
ピアニカでは曲が作れないよ
僕の息が続かない
頭の中に視覚化されたイメェジは
音と言葉の間を行き来して
そのまま音にも言葉にもならずに
君に告げられる
額には銃口でなく ....
唐突のようではあるが私の中に歴然としてある、死体観及び廃墟観について述べたいと思う。死体観などと云う言葉はないけれど、詰まり「私にとって死体とは何か」を今ここに記したいのである。
死体は、死んで ....
生と死のあわいにあるような
手のひらの温度 くちびるの温度
境界を崩す行為はしめやかなる葬儀
(葬儀?…それは誰の…?)
白い白い手の甲に歯を立てて
暗澹たる闇に向けてひとしずく ....
耳を切るように風が鳴る。
根源的な哀しみなんて何処へ行っても付いてくる。
面白くもない恋愛映画垂れ流し日曜の午後。
滑稽だなって冷えた目で見てるアンタこそ、だよ。
でも救いなんて求める ....
自分の存在意義を問う
存在価値を問う
答えは出る筈もなく
無理に出そうとしたならば答えは否
いつもいつもそうなのだ
純粋に手伝おうとしているのに
実際、蓋をあけてみれば ....
いい声で、雨だれよりもいい声で啼くから
つい可虐心に火が付いてしまう
だからなのかお前はつれない、「雨より深く愛してみてよ」
って云われても出来る自信はないな
てが腐りそうだね、繋いだ温度で、 ....
硝煙の匂いが立ち込めている。
路地裏の狂気。
それは、
てのひらに収まるサイズ
の。
あぁ、しんでしまいたい
こんな雨の日は。
死んでしまいたい
しんでしまいたい、よ
....
どこからか聞こえるツィゴイネルワイゼン。
あれは胎児の夢だろうか。
喪失は永遠で、永遠は…
永遠は何て定義したらいいのだろう。
永遠とは、きっと何かを失うことだ。
「この世界 ....
際限ない目眩は青空を地に堕とす。
僕は二日酔いの痛む頭を抱えて低く呻いた。
「痛ぇ…」
時刻は太陽が南中高度をとうに過ぎ、僕の横には回収しそびれたらしい
可燃ゴミが、可燃と云う ....
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