すべてのおすすめ
2008年1月某日
雪模様の曇り空
LARKの箱みたいな空の下
いつもの道を逆方向へ曲がり
果てしなく果てしなく進む その先、海
道路標識はややこしくっていけない
→(こっち)海、とか ....
満月を射殺した晩
僕らは冷たい身体を寄せ合い眠る
まどろみは狂気の中に在って
僕は貴方の中に居る
弾倉を回転させ月の欠片を6つ
装填したら
僕と君の心臓に狙いを
月は満ち、欠 ....
この広い世界でHIV患者は8秒に1人
糖尿病患者は10秒に1人
死んでいると云う
そんな世界で私は呼吸をしている
生きて 思考している
生きて 恋をしている
その命がどんなに素 ....
「僕は狂っているのだろうか」
真剣な顔をして問うた彼を目前にして
あろうことか俺は吹きだして笑った。
狂ってるか?だって?
馬鹿馬鹿しい。だって人間なんてさ、
「狂ってなきゃ生き ....
地面一杯に落ちた椿の中で
ひとり囁く者、有り。
群生林である椿は木の上にはもとより
私の足下まで赤で染め抜いていく。
生温い血溜まりに座り込んで
私は貴方の声を聴く。
「はやくはや ....
軋む骨 滲む血
白い皿の上に横たわる 頭部のない私の死体
当然の帰結のように
導き出された答えのように
あるいは悪い夢のような日常を終わらせるみたいに
夜毎 夢の中で惨殺される私 ....
愛する人と手を繋いで眠ると
このまま死ねたらどんなに幸せだろうと思う。
そんなことを口にすれば
「一緒に生きてこうよ、これからも。何でそんなこと、云うの?」
なんて云うのだろう、きっと。
....
雨が降り出しそうな匂いがする
風が湿って雲がよぎって
あぁ、絶対に降る。そんな夕暮れ
誰も知らない世界の真ん中で
誰もが気付かれないように泣いていた
生きているだけでもう奇跡みたいだ
....
生首を抱えて逃げる 君はさしずめメデューサ
目を見てはいけない 目を合わせてはいけない
簡単に囚われてしまうから ね?
でもどうしてだろう 君の抱えているその首の顔
どこからどう見たって君 ....
赤い部屋 鍵の束
黒い猫 稲光り
足音 足音 遠くなる
人影 人影 消え失せる
(君は知っているだろうか この感情が何かを)
禁じられた書 落ちる窓
目隠し鬼 白痴の横顔
雨音 ....
君の名前は「愛してる」と同じくらいの意味を持つ。
ひとつ ふたつ みっつ 哀しみを持ち寄って
愛し合ったらどんな感情がそこにはうまれるだろうね。
「すきだから、ね」
「うん、すきだ ....
大雨、にワイパーを動かさずぼんやりする信号待ち
君が隣にいないと「この雨男」って怒れないよ
私が運転席なら君は助手席にいなきゃ嫌
好きなお買い物も写真だって君が居ないと楽しくないよ
…変な ....
硝子玉みたいなブルー ひとしずく ふたしずく
冴え凍るようなアイスブルー 色に反してあたたかい
白磁の肌にそぅっと触れる
(それは白昼夢のように奇妙な儚さを持つ)
光にたなびく髪は ....
さようならに染まる夜の向こうに君はいて
こっちとあっちでチクタク秒針
多分 君はもう寝てる
その頃 私は浴室で現在未来を考える
今日生きていた 明日も生きていたいって
シャワーの中で ....
赤レンガの教会を目蔭をさして見上げたら
十字架が 落ちてくるように見えた
それは流れゆく雲の見せた錯覚
落ちてきたのは唯、その影
その日 空は嫌になる程 青くて
私は天に心を見透 ....
リノリウムの床に 不安定な緑
君は まだ 息をしている 午前0時過ぎ
祈りのために組まれた手は
逆に濃い絶望を想起させ
消えないランプは手術がまだ終わらないことを知らせている
「良い ....
涙色 空は蒼くて
水音がきらきらしてた
今日の後悔は明日には持ち越さない
反省、後悔は少なめの人生がいい 難しいけれど
だって明日死んだら困る
今日でも困る すごく 困る
毎日 ....
オートクチュール
私ぴったりに、しつらえた愛を下さいますか?
遠き月が啼く夜に
迷子のままでキスをする
盲目のロストヘヴン
でも独りよがりではいけないね
一人で恋は出来ないね
....
飛び込めないのは25メートル先の地上
あたし 空なら飛べるわ
耳鳴りがやまない
自分が嫌で吐き気のする夜
夜の闇に溶けたら君のもとまで行けますか?
鉄柵のうえで足を投げ出して
....
泣きじゃくって深く深く眠るように沈む夢の淵。白い光あふれるのはいつもの台所。規則的に響く包丁のリズム。静かに終わる洗い物の水音。印画紙に写しきれなかった想いが酷く幽かな音で泣いているみたい。写真を ....
闇のなかに光の筋、茫洋と。
夜を裂くみたいにして、それは私の眼下を過ぎる。
一条のひかりの筋道は幾多の人をのせて何処かへと向かっているのだ。
あの、凝縮された光のなかに一体どれほどの命があっ ....
夜勤明け、眠ることに勤しんで迎えた午後6時。私は唐突に髪を切りに行くことに決めた。いや、以前から決めていたのかも知れない。なにしろ私の前髪は鼻を越す長さだったので。
(この日常はただのノイズ。明 ....
抱き締めて
抱き締めて
抱き締めて、よ
君の風邪なら幾らでもうつしてくれて構わない
キスをしようよ
最近、君が半袖を着てくれる
付き合って1年10ヶ月の私でさえ
今まで4、5 ....
一緒に生きて死のうよ、ね?
眼球から雫
白紙に転がる鉛筆
遺書でも書く心算だったの?
泣いてなんかいないよ
哀しんでいるだけ
凍てつく左手はそれでも君の愛を乞 ....
(強がる心は知らぬふり
くちびるが嘘をつくから、ね)
夜の糸は はりつめて
私と貴方を繋ぐのでしょう
その糸をゆっくりゆっくりと
地獄から手繰り寄せるもの、有り
からりから ....
くちびるは人体で一番敏感である箇所
一番皮膚の薄い部分
誰よりも先にキスをした人は
それを知っていたのだろうか
やわらかくて あたたかくて やさしい
それはキスの相手が君だからか ....
灰の空が落ちてくる
はやく家へ辿りつかないと
この町の人間は残らず溶けて消えるだろう
本日の天気予報は晴れ時々劇薬です
曇天のなかに真っ赤な嘘みたいなポスト
投函口は無論赤子を拒む小 ....
両の手で抱え込んだ頭が生きているかどうか
確かめるために むに、と頬をつまんでみる。
―反応なし
つまんだ指を瞼に移動させて白目にしてみる。
―反応なし
「生きてるよ、なぁ? ....
声聞くと安心して眠くなって
電話の向こうとこっちでお互いあくび
なんかα波でてるんだよなぁって
しばし沈黙を共有
貴方が其処に生きていることを
知ることが出来るから電話が好きにな ....
稲光りから10秒以内の落雷
夥しい光 光
これは誰の罪だろうか
くるり廻る赤い傘
永遠に続く暗い日曜日
昏い世界に血みたいに赤い
赤い君の内部
世界を切り裂く ....
1 2 3 4 5