私はある意味、銃殺された
朽木 裕
君の肩越しに白熱灯
君に触れられた部分が熱を持つ 静かに静かに
手をきつく繋いで
深い場所まで二人で堕ちよう?
「温もりを ひとつ あげる」
「…何を、きみはくれるの?」
「ひとつ、優しいキスを」
云って瞼に触れるあたたかなくちびる
まるで止まない雨のようにキスは絶え間なく
「求めてるんだよ こんなにも」
「…知ってるよ、」
ヒカリを地の果てに追いやっていつまででも抱き合っていようよ
なにも怖くない なにも
「知ってる、こんなにも熱い身体は余すことなく私のものだって、ことも」
「…そうだね」
「私を終わらせるのはこの世界で君しかいないことも」
「終わらせは、しないよ」
やさしいその指先で はやく
はやく 私に熱を
「愛してる」
近くで遠くで声、がする
世界の最後みたいな君のその笑顔に
私はある意味、銃殺された