マリーゴールドと
マーガレットの区別がつかない
ツバキとツツジを間違えて
笑われてしまう
アヤメとカキツバタにいたっては
はなっから諦観の境地で
でもそれはちょうど
パスカルとサルトルを ....
「おとうさんかってにいかないでよう」

そうだね
きみのおとうさんは かってだ

きみのおとうさんは きみの知らないところで かってにあそび
きみのおとうさんと きみのおかあさんは きみの ....

曖昧に舌を含んで
ただ笑った
あなたの考えている事は解らないと
言われたから
悲しむだけの隙間も無くして
ただ笑った
薬は二週間分出たから良かった


フォークを持つと
人 ....
あさがおに釣瓶とられてラプンツェル
ろくろっくび幽体離脱ラプンツェル

その子二十櫛に流るるラプンツェル
マドモアゼル・ラプンツェルかじるプレッツェル

人魚姫の姉さま達の長い髪
12時 ....
まめクジラの水槽には
売約済みの札が貼られていた
まだ幼いのか
さざ波を飲み込んだり
小さな噴水をあげては
くるくる浮き沈み
はしゃいでいる

こっそり水槽に指を垂らすと
あたたかい ....
今は昔、をとこありけり。
片田舎に住みければ、いとあやしき箱にて文を交じらふ。
箱の中に、あまた集ふ詩歌の会ありて、よき歌には人々
より数を賜る。
思ひ起こして歌をばと箱の中に投げ打つも賜ず、 ....
優しく、なりたい

暖かい部屋でうずくまると
人たちの裏側が透けて見える
思うほどには
複雑に出来ていないのかもしれない


優しくなりたい

おはようと言うように
季節を捲って ....
 

大きな肉の塊をくすねてきて
食べ飽き まだ半分以上も残つてゐるとき
犬なら 空地へ引きずつて行つて
埋めておくが


猫は そこに放り出しておくだらう
無関心かといふと さうで ....
秋の深むる道すがら
吹かれ漂ふ紅葉葉の
{ルビ言=こと}に出づとはあらずとも
心鎮むる文となる

風の流るる草の野に
そよめそよめく{ルビ薄穂=すすきほ}の
波を立つとはあらずとも
心 ....
暗澹と試掘し立役者の前で

砕かれてむらさき

打ち寄せる波予感して震える花

牧師殺しても殺しても白い態残る

人格得て同義語と化す口と靴

布背負う重さ服もその一枚に数え

 ....
金木犀の
金木犀の
花の陰が
心にはらり、落ちてゆく
この道は
この道は
いつに辿ってきたのでしょう

金木犀の
金木犀の
花の香は
昔にかよう
消えかけた
面影一つ ....
生きてみた
一月のめでたさが溶けても
二月の雪が温まっても
三月の雛が川に流れても

ときどき白い布をめくった先の安らかだったあなたを思います

生きてみた
四月の花が散っても
五月 ....
雨が降っていたので
花を買わずに
帰ってきました
色が鮮やかだったことだけ
覚えています

雨が降っていたので
コンビニのお弁当を
食べました
ラップを取るときだけ
なぜかわくわく ....
じいちゃん ねだっしょ

ばあちゃん ねだっしょ

とうちゃんも かあちゃんも 

はぁ ねでしまったども

りりりりり  

りりりりり

まどのそとさ きごえる

んだ ....
ねんねねんねんお休みなされ
{ルビ吾=あれ}がひふみと数える内に
つると意識を落としんさい

夜毎虫飼うこの腹は / 骨は浮き出て皮ばかり
ゆるく静かに撫ぜてやろ / 肋が指先引っ掛かる
 ....
家に帰ると
なかったはずの、が
いて
言わなかったはずの
おかえりを
言ってくれる
それから
なかったはずの
夕食の支度が始まる
なかったはずの、は
キッチンで月の光のよう ....
  ――すべての夭折を急ぐ者とそれを諦めた者のために


?

たとえば雨が降って
翌日には綺麗にあがって
その間にブレーキを踏んでから止まるまでの
少しこわい距離がかせがれて
僕た ....
アスファルトにいて、
わからない、
夏、激しい群青で遊び過ぎ、その果てに、
すっ、と発狂するようにしてひどく青く、
遠ざかる空、その秋の為なのか、
或いは ....
秋を彩る木々の中
野鳥の声の閑けさに
癒す心に色染めて
見上げる空に空はなく
紅葉の玉の中にいる

聞こえる音は微かのみ
落ちる紅葉がはらはらと
なびく梢がゆらゆらと
分け行く道に道 ....
おいどの大きな者が
持てはやされた遠い昔の
おんなは血を繋いだ。
夜毎
亭主とまぐわって
子を産み
子を育てた。
おいどの小さな者が
持てはやされる今どきの
おんなは血を乱す。
し ....
音階の一部が透明な小石

古代から引いてきた糸ついに張る

網の庭の下に住む 髪の毛は木の根

バター溶け出し箱に終わりゆく徘徊

ある標高の白い雲から白い服

殺意が液体になり家 ....
外に
汚れてもいい
布を敷いた
寝そべって考えた
これは頭の中だけの話
すぐそこにはお花畑
その向こうに深い緑の森
そこからとても
白い人がやってきて
わたしを助けてくれるの
なん ....
なびくもののない
丘の斜面に
影はなびき
空へ向かう
影はいつも
空へ向かう


色は草から
外れかける
外れかけたまま
そよぎつづける


陸橋の陰
枯れ川の路 ....
空想の空青空も軋んで

ひずみから一斉にフルーツドロップなだれ込む

ブルーグリーン

イエローそして強い赤

ブルーブルー消えそうなイエロー

色を刷り込んだ世界に色の水滴が落ち ....
布団だか
地べただかわからなく
倒れこみ
かいだ匂いは
金木犀

嗚呼
わたしは

それだけで
しあわせ者だ
超高層ビルがそびえ立っています。
文明のシンボル役を担わされた、
超高層ビルがそびえ立っています。

超高層ビルは、
遥か遠くの非文明圏を見つめています。

足元の限りなく合理化された世 ....
 

刈り入れ時もよくわからないまま
彼女は優しい鎌をかける
遠雷
そのテンの首巻きはいい具合に違いなくて
ここいらは雪が笠のように積もるから
いつだって粗食で
ネジをまかれている
 ....
そらの藍に背中を押されて
家路をたどるころ
夕餉の細い煙が
むんと鼻先に迫る 
白い炊きたての匂い に
立ちすくむ
かきむしられるこころ 
そして行き着くのは


誰かに会わなくて ....
よこしまないそしぎ
誰のための音も流れない
私の手をかすめ
とびはねては消えていく
苦しい苦しい泣き顔たち


曇りの朝は水を欲しがり
ひとり 作りものの他人にすがって泣く ....
プラットホームを行き過ぎる風
の形をした夜、の度に剥離する熱
を見送ってわたしたちは
さらさら、
最後の車両の跡地で長引いて
蛍光灯の微かな痙攣音とも分離しながらわた ....
焼石二水さんのおすすめリスト(431)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花の名前をおぼえようとする- 角田寿星自由詩28*06-10-9
きみのおとうさん- 一般詩人未詩・独白5*06-10-4
びょ、ーき- 吉田ぐん ...自由詩1306-10-4
ラプンツェルの国- 小池房枝自由詩13*06-10-3
クジラになった少年- 佐野権太自由詩43*06-10-3
古典詩ほうらむ(初段)- ぽえむ君未詩・独白16*06-10-1
季節記号- 霜天自由詩706-10-1
気まぐれ猫- 杉菜 晃自由詩9*06-9-30
秋の一葉とあらまほし- ぽえむ君自由詩13*06-9-30
物影婦人- 黒川排除 ...川柳606-9-30
金木犀- Rin K自由詩27*06-9-30
IKBとはインターナショナル・_クライン・ブルーのこと- ロカニク ...自由詩406-9-29
雨が降っていたので- ぽえむ君自由詩17*06-9-27
こおろぎ- さち自由詩18*06-9-27
寝かせ唄- 自由詩2*06-9-27
なかったはずの- たもつ自由詩1306-9-26
最終行まで- 岡部淳太 ...自由詩14*06-9-26
遠い(頬、遠い)空、- A道化自由詩1206-9-26
紅葉の玉- ぽえむ君自由詩11*06-9-26
おいど- 恋月 ぴ ...自由詩15*06-9-24
ジプシー(ルー)- 黒川排除 ...川柳1006-9-24
外で寝る- チアーヌ自由詩306-9-22
緑の目- 木立 悟自由詩506-9-22
candy- 水町綜助自由詩4*06-9-22
それだけ- 蒼木りん未詩・独白1306-9-22
超高層ビルの覚悟- ブルース ...自由詩306-9-21
遠雷- 嘉村奈緒自由詩1306-9-21
夕餉の寂寥- 松嶋慶子自由詩7*06-9-21
灰に埋もれた塔- 木立 悟自由詩4*06-9-20
- A道化自由詩1106-9-20

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