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猿が落とした果実も猿もやわらかい
蔓草ピタリと止まり中二階のある家
連呼して草原の上を吹きわたる
老人生き存え殺風景をかくのみ
霞破る舌なめずりに継ぎ目なし
近眼に花火打 ....
受け取る形の器に手紙などよそう
近年から銀を塗られた鹿が来る
顔から火が出る者は仰向け 二十時の火
森の一本の木を凍らせ水場のグラフ
宇宙というカテゴリーに血で結ばれ挙式
....
気化に耐え盆地に移り住む水滴
旅先のしじまに杖をなくすだろう
洞窟の続きは青く夢でみる
家具から饐えた匂い 窓に海を貼り直す
腕見えて口の位置からカウントダウン
危機はカ ....
カラーテレビに色とりどりの濾過映る
策尽きて月待つ村の異様な過疎
逆さまの鉄塔の中を渦巻く石油
墓殴る顔の形に変わるまで
二階から鉤爪と少女の嗚咽
前頭葉にアルミ箔貼られ ....
暗澹と試掘し立役者の前で
砕かれてむらさき
打ち寄せる波予感して震える花
牧師殺しても殺しても白い態残る
人格得て同義語と化す口と靴
布背負う重さ服もその一枚に数え
....
音階の一部が透明な小石
古代から引いてきた糸ついに張る
網の庭の下に住む 髪の毛は木の根
バター溶け出し箱に終わりゆく徘徊
ある標高の白い雲から白い服
殺意が液体になり家 ....
少年少女の斜線部 成長のたび減る
針金で縛られた書簡霞に吊るす
コンパスの上半身を他国から見る
栞は砂しかもサハラの貧しい村
魚の形の輪乱すダンスいつか陸へ
火の粉に礼 ....
フードに雨ふりくるしくなる息
手の鳴る方へゆけば故郷が遠ざかる
草の燭台と書けば美しき火災
帽子肩にかけ競技場に頭部もちよる
血の気引く手あまたといえようツンドラ地帯
夜 ....