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おいどの大きな者が
持てはやされた遠い昔の
おんなは血を繋いだ。
夜毎
亭主とまぐわって
子を産み
子を育てた。
おいどの小さな者が
持てはやされる今どきの
おんなは血を乱す。
し ....
当て所無い片道切符の遠い駅
尿意に立ち寄ったトイレは
蟋蟀らしき秋虫の音が木霊する
あれは便所蟋蟀だろうか
所業に耐え無為と生きる便所蟋蟀
然し秋虫の類では無いような
さりとて確かめたりは ....
あひる


醜いあひるの子は
永遠に醜いままだ
白鳥になんてなれない
なのに誰もそれを口に出したりは


しない





ねこ


ねこのかお
よく見なくても、 ....
わたしが生まれ育った郷里では
要らぬものを裏山に投げた
村外れを流れる川に流した
囀る野鳥の気配に誘われて
ひとり裏山を彷徨えば
要らぬものは朽ちて土となり
夕餉の支度でも始めたのか
潜 ....
コウノトリの飛来を告げたとたん
「あなたは要らない邪魔だ」と言われた
明日への架け橋は
明日の幸せは
求められてはいないらしい
求められているのは機械でいること
物言わず働くこと


 ....
今年も古い母屋の軒先に
つがいの燕が巣作りしました
生まれたての可愛い雛たちは
親鳥の帰りをひたすら待っていて
精一杯の幼い首を伸ばして
甘えたような鳴き声あげている
(なんだか可愛いな
 ....
どうやら朝を迎えたような気がする
朝の日差しに目覚める窓ひとつ無い部屋
暗闇に閉ざされたキューブとでも
例えられそうな この狭い部屋のなかで
確かに感じられるのは
未だ眠りから覚めぬあなたの ....
ぷかぷか波間で浮いているのが
一流のサーファーだと思っていた
金づちのわたしにとっては
それでも素敵すぎて
おなじようにぷかぷか浮いている
ボードの数を数えたりして
どれがあのひとなのか
 ....
とうとう動かなくなってしまった
トパーズ色した わたしの鍵
普段持ち歩いているバッグの中で
かさこそ這いまわりながら
わたしの吐き出す
あのひとへの恨みとか辛みとか
どうしようもない思いを ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
焼石二水さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おいど- 恋月 ぴ ...自由詩15*06-9-24
ふぐり- 恋月 ぴ ...自由詩18*06-9-13
顔_その1- 恋月 ぴ ...自由詩25*06-9-10
見えない力- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-8-28
コウノトリが飛んでこなくなった日に- 恋月 ぴ ...自由詩19*06-7-6
スワローテイル- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-6-28
Morning_Blue- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-6-16
ぷかぷか- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-6-6
エフィメラ(或いは邂逅)- 恋月 ぴ ...自由詩27*06-6-1
E_minor_7th(きざし)- 恋月 ぴ ...自由詩45*06-5-27

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