包まれてたキャラメルが
ほそりと ついた雨に溶け

羽をぬらさず 輪を作る
水溜りの 空しか知らない
日暮に

欠けていく暖かな日溜りでも
分け入る 胸に くきりとついたなら
 ....
石垣に肩を預けて戯れは
我が身を石に初夏の景色に


それは‥

季節で言えば
今頃の
濃さを増す
木々の緑も鮮やかに

天気で言えば
曇天とも
雨天とも
言えるような
 ....
静かな その時眠りたくて
まばたきのように あなたから目を逸らした

溢れる 光に頬も緩み
輝く季節が いつも僕の味方をした

すべらせた手の愚かさを 知ったその瞬間から
千の笑顔がナイ ....
未来は 交信される 一通の メールである

幼き 少女よ お前の 魂は メールの先にある
鉄道である
鉄道から 薔薇が 咲く
それは それは 童話が 狂ったような 薔薇だ
幼き 少女よ お ....
いつまでも動かない
物欲しそうな顔に
デコピンをしてやると
驚いて次のページをめくる

晴れたり曇ったり
雨が降ってるのに晴れてる
洗濯物が干せない日
リビングの少し大きめのテーブルに ....
男が
美しいものだという事を 知った
骨ばった手も
厚い胸も
大きな足も

上着のポケットに突っこんだ手
そのときの肩から背中が
恋人を待って人混みの中を探す視線
そのときの首すじが ....
        むだぐちをしゃぶりあう
         かげぐちをかじりあう
        にくまれぐちをたべあう
                そして
          くちがるにの ....
夜のデパートの屋上に
つぶれた胎児
滑り台を
のろのろと
転がっていく
乳房にたどり着けなかった
液状のような未来像が
後から流れ落ちてきて
ライトアップのまばゆい光に ....
            
            ゆれる葉の
            
            一枚が

            ためらうように
            消 ....
今朝についてを知りたかった
例えば諦めるというまじない
人が、幕を引いていく
そこに眠る、その前に


知らない道を歩いた日のこと
自分の名前さえただの文字に見える
覚えて欲しいことは ....
猫が死んだ
男は泣いている
私は首の骨を鳴らして
煙草を吸った

猫は死んだ
男が泣いている
私はそれを
笑って眺めた
名前を思い出そうとした
足下に擦り寄ってきた
あの猫の名を ....
フードに雨ふりくるしくなる息

手の鳴る方へゆけば故郷が遠ざかる

草の燭台と書けば美しき火災

帽子肩にかけ競技場に頭部もちよる

血の気引く手あまたといえようツンドラ地帯

夜 ....
空から降りる水膜が
樹に到かずにあえいでいる
夜になるもの なれぬもの
道をひたす波の無い波音
夜を映し
夜をわたる



静かに歩みゆくかたち
そばをすぎるかたちが重 ....
久々のおとうちゃんのお休みに2人で買い物に出かけた。
そん時、おとうちゃん、
「欲しいものあるなら言うてみぃ。買うたるよ。」
って言うから答えたやんか。
『欲しい物』言うから、ウチ嘘吐かんと答 ....
かたちのないものを愛と呼ぶなら
たとえば
お金

お金にだって形がない
あるのはただ
約束

あなたが
黄色い財布から
愛情紙幣を取り出した
今日は
ありがとう
ボクの気持ち ....
その女々しさを武器にして
彼女のふところにとびこんだの?

ひとつの夜を眠って越せさえすればいいの
明日の朝立ち上がれるだけの
安らぎをちょうだい
何から逃げてるんだか
たくさんありすぎ ....
傾いて
その周囲に小さな
豊穣を張り巡らせながら
季節の同調を軽んじてゆく
絵の中の成果
熟れすぎたくだもの
(あるいは くだくもの)
裂かれるために実る
歯のいのちの前でおびえるもの ....
私と 貴方の 間にある 
この 長く長く 果てしなく長い線は
私が書いた。

絶対不可侵条約
お互いの事には 口を出さない 関らない
それも 私が決めた。

恋人が出来たら
速やかに ....
とうとう動かなくなってしまった
トパーズ色した わたしの鍵
普段持ち歩いているバッグの中で
かさこそ這いまわりながら
わたしの吐き出す
あのひとへの恨みとか辛みとか
どうしようもない思いを ....
あなたが好きよ
  あなたも好きよ
あなたは嫌い
  あなたも嫌い

バイバイみんな お別れよ
バイバイみんな 手をふるよ


ほこりまみれ 隅っこの教室
拍手を浴びて泣いたっけ
 ....
 あなたの瞳に映っている森が

 あまりにも美しく澄んでいたから

 僕はあなたの瞳を押し開いて

 中へ入っていった

 あなたは目の前にいた僕を見失って

 慌てふためいている ....
ぼくは詩を書きたい

熱意に必要なものは
冷めた頭脳である

今日もまた

朝の散歩をしていると
経済学者に出会いました

彼はいつも悩む
 なぜこの場所は道なのか

 どう ....
名前を
つけてほしいな
この
類稀なる感情に

昔は知っていたはず
なのに
どこかに落として
失くしたから

だから
あたらしい名前ひとつ
あなたが
つけてください

絶 ....
Go!
Hitch!
Go!
名古屋で降りて
ラブホテル
横っ面を殴ってくれ
失望に安堵したい
その優しさを
嘘だよと言ってくれ
全てが覆された失望に
ああそうかと安堵したい
加減しないで殴ってくれ
夢は見たくない
失望に安堵したい
水底に置かれて
屈折した空を見上げては
ただの黒い点となって
あぶくを吐きつづける私は

その蒼に抱かれながら
浄化という名のもとに
この躰を満たしながら
還りましょう 雨に

 ....
見える水音
見えぬ水音
草を伝い
草を描く


影を避けて
水を歩む
雨のあとの
浮き沈む道


おぼえられ
わすれられ
名前は鳥のようにすぎる
地は蒼い
 ....
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった

十二年前H君は中国人の留学生に ....
ぽつり ぽつり ささやいてゆく にわか雨
心まで しみないけれど
濡れないうちに 帰らなくては
傘など さそうか迷っていたけど
それは必要なさそうで
濡れないうちに 帰ります
もしも
わたしが




もしも
私がそうだとしても
愛してくれる?

空はこんなに高いのに

緑がゆれて
間から光が挿すのね

私は怒りに溢れているけれど
 ....
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