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ちらちら
輝く
確かな夜景
どこまでも続いて
どこまでも
どこまでも
明かりのない
夜の道標
あの灯の下には
人々が暮らしていて
切ない
歩き出すなら
夜がいい
どこまでも
どこまでも
き ....
観察室から
病室に戻った日
夕方
鉛色の空に
虹が出た
儚く
でも色鮮やかで
ガラスのような
こんなに
美しいものが
あるなんて
消えるまで
見ていた
鉛色の空に
滲んでいく
虹を
わたし ....
偶然
この森の小道を
あなたと2回通ったね
真夏
知らない風が吹いて
わたしのワンピースの裾を揺らした
でも
あなたは
あなたのままで
この想いは
きっと
いつまでも ....
光が
満ち溢れるまで
あと
数秒
人々は起き上がり
大きく
伸びをするだろう
ついでにあくびも
昨日の夜
泣いたことなんて
まるで忘れて
走り去る緑
水田は
鮮やかにきらめいて
遠く木々が
燃え立つ
なんて
真っ青な
そら
これが
最後のドライブなら
そう言ってくれれば
よかったのに
梅雨と真夏の狭間で
紫陽花が耐えている
真夏の青空の色を湛えて
夏が来るのを
待っている
色はだんだん
褪せていく
散りきるまで
もうすぐ
深夜のファミレス
メロンソーダ
人工的なグリーンが
光を集めて
輝いて
私は
自分の席の話題に
ついていけずに
(バイクや車の話ばかりで)
辺りを見渡す
端の席に座っている ....
いつの間にか
色づいていく
さくらんぼ
眩しくて
さくらんぼ
ペアでなると
思ってた
そうでないのが
悲しくて
もう
二度と会えない
あのひと
今どこかで
空を見上げてればいいのに
ゆっくりゆっくり
暮れなずんでいく
太陽が
月に
主役を譲ろうか
考えている
街は戸惑って
モノトーンになって
こんな夕暮れは
誰かといても
淋しくて
色とりどりの
小さなラムネみたいな
味だって
悪くない
ほんのり
甘くて
でも
これは
魔法の薬
ちゃんと眠りに
導いてくれる
ラムネみたいに
甘い夢を
見せてくれる
わけではないけれど
こころの扉、
ひとつづつ
鍵をしめていく
このままでは
あまりにも
辛いから
ひとつづつ
丁寧に
鍵を集めて
けれど
きっとそれは
忘却にもぎ取られ
探すことさ ....
思いつめていた
ぼくは
天界と地上を
さまよう
こころの中で
これ以上は
もう
これ以上は
猫は
ぼくのそばを
離れない
死の匂いを
嗅ぎとって
窓からは ....
たくさんの
小さな花
どれもみんな
上をむいて
咲いていて
私も
上をむいて
歩こ
上をむいて
歩いて
いこう
ふわふわ
まんまる
真っ白な
チーズケーキ
フォークがゆっくり
沈んで
私の秘密を
ブルーベリーは
きっと知っている
ゼリーが光を
反射して
チーズケーキ
....
追い風が吹いて
帰り道
ポケットに手を入れて
どこに帰ろうか
遠くで
口笛が聞こえる
部屋では
猫が待っている
たぶん
窓際に座って
通りを見下ろして
新緑が
....
涼やかな
初夏の香り
漂って
滴を湛えて
一斉に
陽にむかう
草花たちよ
緑の宝石のように
貴重で
美しくて
その
生きるちから
涼やかな
初夏の香り
漂って
薫風
5月が
きた
欲しかったのは
イメージ
実体をともなった
それではなく
影
揺らめいて
四つ葉
五つ葉
クローバー
幸運をもたらす
その緑
見つけたくなかった
影
揺らめいて
欲しかったのは
イメージ ....
そよ風が揺れる
新緑の公園
きらめいて
サッカーに興じる
少年たち
ヘイ!こっち!
ナイス!今の
ヘディングしたんだよ!
そよ風が揺れて
きらめいて
藤棚のベンチに ....
どろどろの浅い眠りのなか
わたしは
魚になって
汚水を泳ぐ
人間になって
包丁を研いでいる
鳥になって
雨に打たれて
犬になって
うなだれる
夢と現実が
錯綜する
明かりなんて
どこにもな ....
あのひとの背中
やさしい口調
あたたかなてのひら
あの大きなこころ
思い出すだけしか
できなくて
夢のなかでさえ
会えなくて
空だって
青いはずなのに
夢のなか
知らない街にいた
もう
疲れてしまった
愛することに
悲しむことに
生きていくことに
知らない街で
大声で泣いた
遠く
工場の
サイレンが
聴こえる
小さな太陽が
たくさん
たくさん
わたしの
ちっぽけな存在を
かき消すかのように
ただ
春風のなか
悲しい言葉だけが
過ぎゆく
夕暮れの風は
ひんやりと
こころを冷たくする
春
この
哀しき季節
2年前
れんげ畑で
転がって泣いた
早朝
空と
れんげと
私だけ
ただ
心が痛くて
叫んでいた
自死
火葬
もう
二度と会えない
いま
れんげを
亡き友に
捧げる
小さな王冠を
薄紅色の王 ....
その花は
すっくとたっていた
しなやかに
凛として
あてのない
散歩に出た
私への
まるで
道標のように
「こんな風に
生きてごらん」
花は
そう囁くかのごとく
その花は
すっくとたってい ....
春だもの、
ショートケーキを
作らなきゃ
もちろん
主役は苺
卵をとろり泡立てて
お砂糖と
小麦粉を少し
ほら
黄金色に
焼きあがった
ケーキ
生クリームは
たっぷりと
苺をスライス
白い泡 ....
夕方
ベッドで
横になっている
台所からは
母の立ち働く
音が聞こえる
サクサクいう
包丁の音
ガスレンジをつける
チッチッという音
何か炒める
ジャッという音
....
なんて
青い
空なんだろう
なんて
心地よい
春風なんだろう
美しき木々
遥かなる山
この世界は
美しさに満ち満ちて
気怠い午後さえ
まるで
アクセントのようで
なんて
素晴らしき
この世 ....
梅が咲いたことも
桃が咲いたことも
桜が咲いたことさえ皆が忘れ
春が
例え
泣こうとしようとも
今
春は
一枚の絵
まだ
ほとんどの人が
眠りの中
早い朝は
静かに静かに
小鳥たちは
もう起きている
テーブルには
茹で卵が積み上げられ
昨日作ったスコーンが
口をあけて
笑ってい ....
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