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テレビの中では
若手のお笑い芸人どもが
必死になって目立とうとして
大げさなリアクションを
次から次へと連発している
生放送なんだし
いっそのこと
そこで死んだりなんかしたら
もの ....
{ルビ梔子=くちなし}の満開の下へは
決して近寄ってはいけない
『クチナシの木の満開の下』
子が出来ぬ
という理由で離縁された女は
梔子の花しか食べられなくなった ....
寂しがりを卒業しよう
手を離して前を向いて
僕は歩き出そうとするのに
どうして君は袖を掴むの?
透明な硝子の向こうで
君が生み出した
緩やかな憂鬱
透明な硝子に当たって
白く砕けた
ちかちかと世界が明転するのは
まばたきのせいだろうか
睫毛が捕まえた蝶のせいだろうか
プレ ....
夜中に遊園地に忍び込んだら
観覧車の箱はすっかり片付けられていた
仕方がないのでその骨を登って
遠くに浮かんだ月を見た
丁度あの下辺りだろうか
君の住む町は
風がえらく強い日で僕は
....
キスをされると
からだがうごかなくなる
「これでは処女みたいじゃないか?」
自分が可笑しい。
もう、こんな年齢なのにね。
愛を与えたり
受けたり
そういうのが
....
いのちの大切さって何だろう
きれいごとでは済まされないこと
野生の獣が弱い生き物を捕らえ
生きる糧とするように
人間だって経済動物と言う名のもとに
生き物のいのちを断っている
(ひとのいの ....
・
友人に
擬態する癖のある女がいる
よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で
十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
彼は
あたしが寝た頃にいつも電話をしてくる
きっと
人が一番寂しくなるような時間に
事故からまだ半年
彼はよく将来のことを話す
そして吐き捨てるように過去を話す
あたしに脅しかけるよ ....
彼は一度もピアノを見たことがない
白いところと黒いところが
どんな風になっているかを
彼は知らない
彼の耳には
白いところと黒いところの
音が聴(み)える
彼の音に ....
最近どうもこころの具合が悪いので
独協医科大学越谷病院で診てもらったら
末期症状の悪性腫瘍だと診断された
インターン上がりの小生意気なやつから
あなたのこころはあと数日の寿命でしょう
なんて ....
あなたがその手の中に包んでいる
小さな小さな光が
私に大きな勇気をくれたから
ありがとうを伝えたいの
あなたは私の見えない物を見て
少し笑いながら手を伸ばすから
私はただ
どうしたの ....
道路の真ん中にひき肉が落ちていた
小人が天からの贈り物だといって喜んだ
男の子がすげえと言って集まった
お婆さんが顔を覆って通り過ぎた
小学生の女の子が可哀相と言って花を摘んだ ....
針を含んだ
夜更けのくうきがはこぶ
とおい稲妻の裂ける音
面影のように遠雷
かすかに
(雪を呼んだのかい、それとも)
コートのポケット
握った手は汗ばんでいるか
遙かな遠吠 ....
何を探していたのだろう
散り積もった日々の
瓦礫の中より
それはひとときの温もり
顧みることさえ叶わずに
北風にさらわれてしまった
あなたとの思い出
ことばなんてくだらない一葉に
思い ....
母親が子どもを抱いて
遠くから走って来る車が横切る前に
駆け足で道路をわたった
「向こう岸」の広場に辿り着き
母の手からそっと地上に降ろされた子どもは
嬉しそうに両手をひろげて ....
目を開けると、
お腹が空いていた。
だから躯に絡み付く、
べたべたした液体を舐めた。
ぬるい液体は、
生臭くておいしくなかったけれど、
それでも舐めた。
舐め尽く ....
すべてを忘れてなんて
言えないけれど
もし君が許してくれるなら
大きな家は買えないけれど
僕には収入すら無いけれど
君に夢だけは見せてあげられるから
寂しい想いをさせない様に頑張るから ....
私にはあなたを焼き尽くすような強さはない
筆圧が愛の重さを表すというのなら
私の愛は軽薄にして
紙面に刻み付けるほどの価値もないのかもしれない
あなたの書く文字が美しくて
それがあなたの愛の ....
歌詞が邪魔だという彼女はクラシックをかけて
キッチンに立つ
クリーム色のソファと橙色のカーテン
長い髪がさらりとこぼれてきたのを少しうつむいて耳にかける癖
その耳に ....
▽
どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
....
ももちゃんは友達が居ないから
いつも一人で遊んでいた
だから目隠し
いつも目隠し
周りには誰も居なくなるから
寂しさなんて感じなかった
だから目隠し
いつも目隠し
ある日小さな ....
花に埋もれても
目を瞑っても
きみの匂い
きみの居場所がわかる なんとなく
そういう人になれたらいいな
と
雨樋を伝う水音を聞きながら
きみが帰った後の玄関に
いつまでも鍵をかけられな ....
きれいな心の人が書いた
きれいな詩は傷つく
死ななきゃいけないって言われてるみたい
あいしても
濁らないひとがいるのはなんでなの
何が違うの
心のきれいな人が作る詩
....
さらさらと零れていったわ
貴方
あんなに細かくちゃ
骨も拾えない
きっと
暖かな夢を見ていたのでしょうと
私
自分を甘やかす
凍えて死んだ
少女が擦った
マッチ棒の先
夢 ....
身長、体重、性格、なにもかも違う人間ではあるけれど
人間が好きな人間でいたいね
文化、歴史、背景、なかなか分かり合えない人間ではあるけれど
人間が好き ....
★
LULU#13
硝子の鴉の軋みが、或る凍る様な星座の
瞬きを支配する その目配せに灯る魔女の
蘭,p-アロマ以前の賛素の(O?)、欠乏と..lip
一区画の生理シ,ta ....
蟻の触角をプチリと抜いた
前足
真中
後ろ足
一本ずつ丁寧に
壊さないように
壊していく
壊れていく
あぁ、まただ
また足元から上ってくる
おまえは助けたいの
と聞いてみ ....
夕暮れの風が優しいので
少しだけ手袋を外してみた
小さな枯葉が僕の手にのった
電車に乗ると人ごみが恐ろしく
そっと息を止めてみた
苦しくて苦しくて仕方が無かった
駅からの帰り道に雨 ....
いつもそこにあった
それが当たり前だった
大切だって知っているのに
大切にしなきゃなんて
少しも考えなかった
いつも思わなかった
昨日まで何て事なかった
どうして気が付かなかったんだ ....
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