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静寂が怖い
真剣に耳を澄ましてみるとキーンという耳鳴りだけが聞こえてくる
不気味なほどの静寂さ
死神が造り出しているに違いない
鎌を研いで僕を手招きしているのかもしれない
さ ....
りんごパイが俺のおっぱいを丸かじりにして
コンビニエンスストアが戦車になって
今から戦争が始まるだなんて想像できるか?
りんごパイが嘘をついて俺を騙して
噛み付いても噛み付いてもパイ生地ばかり ....
今、踏んだ、枯れ枝
その中に眠っていた想い
遠ざかってゆく
永遠に
今、放った、貝殻
僕の手のひらの温度を引いて
遠ざかってゆく
永遠に
雲は遠くの水平線に砕け
....
生きている世界に
足跡を遺して月の影の扉をあける
小さな扉は静かに傾ぎ
永遠の世界に繋がる
旅人は僕
月の虹に立つのは君
好きです
あなたが
右手が
僕は
宙ぶらりん
仕事の帰り
寒くって走りだしたらさ
どこからかシチューの
少し
焦げた匂いがしてさ
暖かい部屋と
スープと
それから
それから
いろいろ
いろいろ
伸びた髪が邪魔だけど
足 ....
書架を巡って十代で命を絶った少女の著作にぶつかる度、
心の中で「勝った」と思う。
お前は負けたのだ。
感性は年を経る毎、磨耗して行く。
この ....
平日の午後の淡くうすらいだ日差しは
ここ植物公園の順路にも平等に降りそそいでいる
ダッフルコートを着たタイピストが古びたベンチで
自分宛ての手紙を子細らしく開いている
吐息のような西風が広 ....
どの君も本当の君で、
どの僕も本当の僕だと
僕は言ったけれど、
きみや彼女の中に存在している僕と
今ここで呆然と生きている僕は
やっぱり相容れないものだと思うのです。
僕は強くもな ....
今更カオスの意味
とめどなく流れる血の色は
赤い空色
遠のく月は白く嘲笑い
待ち望む死の色は
遠くで青色に変わる
結び目の様に固く繋ぐ
命と僕のしがらみは解ける事なく
静かな水に小 ....
恋人じゃない。
そんなのじゃない。
電話が掛かってくれば、
真夜中でも飛び出してゆく。
そんな関係。
友達でもない。
名前も住所も年齢も、
なにも知ら ....
なんとなくついたため息に意味はない
君が昨日くれた手袋を早速し忘れたのは多分そんなに寒くなかったから
手をつなぎたくないのは単にそういうのが好きじゃないだけ
簡単には笑わないのは愛想笑いが失礼だ ....
君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れない
ぼくはこれでも、苺が好きだ
で、次に
ぼくのじいちゃんは船長だった
海賊船の
もう随分昔のことだけれど
なんて言ったら、笑う?
笑わな ....
似合わないよね
“たばこ”
と言われた。
似合わないとか、似合うとかで“たばこ”って吸うの?
と、
思ったけど結局、やめた
言われたからやめたんじゃないけど
言われたからやめたかもしれな ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて ....
君がいなきゃ生きてけない ・・ウソです
でも それだけの気持ちで
君を 愛していました
ずっと二人でいようね ムリでした
でも 僕は 叶うならば
君がい ....
片栗粉が積もっている
神様が空から降らしたのだろう
この世界ごと唐揚げにするつもりか
良かったこの世界は丸くて
平らだと歪なものができてしまうから
きっとイエスの大好物なのだろう ....
恥ずかしいことに
世界がこんなに醜いなんて知ったのは
長いこと生きてからで
そんなことも感じず
のうのうと
幸福で腹を満たし
偽善で呼吸し
精錬潔白を詠っていた
自分が
一番醜い ....
向こうからすげえでかいものが歩いて来やがった
そのすげえでかいものが
どう見たって
図書館だ
ツタの生えた陰気くさい外壁
入り口はまあまあきれいだ
ずらっと並んだ棚には本がぎっしり ....
寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
先生、誰も来ない放課後です
理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度
埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生
魚になるにはどうしたらいいですか
答えの出ない ....
無罪ではあるが越境途上の死だ
あるいは断罪された避雷針の廃墟だ
黒いチョコレートをかじりとって猥雑に事務的に
いくたびも右曲がりに滑稽なうすぐもりの空だ
五分後に規則正しく振り切られるマタ ....
セブンスター
今夜はもう
誰の書いた詩も読みたくはないんだ
ピース
おれ自身が書いた詩さえも
読む気がしない
これって
どうかしてるかもしれないな
セブ ....
反吐が出る程に誰かを憎んでいようと
俺はお前を何時だって思い出す
君がくるぶしを噛んだら、透明な飴玉になったので、吐いて捨てた
ここの所は天気が良すぎる夜だから、天に向かって鳴らすべきだと思った
スピーカーを上に向ける。大きな文字たちが降ってくる
下降しな ....
いつだって君はそうなんだ
本当は塩ラーメンが食べたいくせに
なんでもいいよと答えてみせる
そのくせ
味噌ラーメンを食べたあと
必ずこう言うんだ
塩ラーメンが食べたかったのに
アイ ....
「ブルーハーツの”ひとにやさしく”って曲いいぜ!」
とロックを聴かない友達の耳にイヤホンを突っ込んで
無理矢理聞かせてみたら
「この歌はいいけどお前は全然ひとにやさしくない」
と言われた
あ ....
食べる物があり
寝る場所があり
やりたい事があり
少なくともそれに触れ
五体満足に風邪もひかず
昔より少し親密な友達と
少し酒を呑める
僕は自由になりたい
わがままだけれど
そう ....
『ねえ』
世の中矛盾だらけだよって
背伸びのつもりで言ってみた
『歌姫』
ららら
ずっと歌うよ
そのぼやけた孤独にある
君の輪郭を撫でるため
『灰色』
....
それでも止めないのは
あの一言のおかげだと思っている
『最期の写真家』
気付いたのは
老夫婦の写真を撮った時だった
仲の良い夫婦で
金婚式の記念にと
シャッターを ....
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