すべてのおすすめ
老朽化の進んだ体育館は
二階に観客席が付いていて
死んだ蛾や蝉がたくさん落ちていた
わたしは
つま先の赤いうわばきで
それらの死骸を踏み砕き
空へ近づこうとするかのように
一人でそこへの ....


わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている

トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた

さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....

どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
 ....
身分証明書を
と言われて財布を探ったが
パン屋のレシートがぱらりと落ちただけ
カード入れにはブックオフのカードだけ
午後の図書館だった

カウンターのミセスは
住所と名前が記されている  ....

曖昧に舌を含んで
ただ笑った
あなたの考えている事は解らないと
言われたから
悲しむだけの隙間も無くして
ただ笑った
薬は二週間分出たから良かった


フォークを持つと
人 ....
朽木 裕さんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤いうわばきとたいくかん- 吉田ぐん ...自由詩2507-9-7
トンネル/天国/書店- 吉田ぐん ...自由詩2107-7-27
悩ましい朝- 吉田ぐん ...自由詩35+07-5-24
癖のある男女- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-2
恋人とのわかれ- 吉田ぐん ...自由詩2706-12-19
図書館に通う- 吉田ぐん ...自由詩3806-10-17
びょ、ーき- 吉田ぐん ...自由詩1306-10-4

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する