いつまでも気付かなければ良かった
と思うことがある
熱帯夜の寝苦しさに目をふと覚ますと
わたしの知らないおとこのひとが
わたしの横で寝ていて
二つ並んだお揃いの枕と
ふたりで寝るには狭いベ ....
生きる意味なんてない
戦い続ける意味なんてない
なんのためにここまできたんだろう
結局全部無意味だった
それが 正しいのかもしれない
救いなんてない
....
どこまでも続いていた
白い砂浜と打ち寄せる波
柔らかい春の日差しと頬に触れた潮風
逃げるように訪れた街で
あなたをただ忘れたくて
海岸沿いのまっすぐな道を
すれ違う家族連れ
手を取り ....
息を吸って
息を吐いて
寝っ転がる
生きている
愛を受けて
生きている
毎日楽しく
生きている
でも貴方は
もう居ない
でも私達は
まだ生きる
雨があんまりたくさん降ったので
ひとつふたつと数えるのもあんまりだと
仕方なく濡れてみる
そうでなくとも独りは淋しく
雨雲は灰色の陰から
あれはきっと汗や涙に似たもので
此処は海に ....
魚類図鑑を開き
少年は魚になった自分を
想像する
エラ呼吸の仕方が
わからないので
いつも溺れてしまう
遺書は
鳥類図鑑に挟まれている
夏空の飛び方なら
誰よりも詳しく
知って ....
裸足で しるされた やはらかい 足跡に
さらさらと 波が 水を しみこませてゆく
その消滅の a・b・c(ア・ベ・セ)たちの
静かに 弾けあがってゆく モノフォニーの
....
この家で始まった事はこの家で終わらせる
いっそのこと
この体 捨ててしまいたい
文字が恐い・・・彼らは殺そうとしている・・・
今までこの目は色彩だけを捉えてきた 色彩に形は無い
赤は ....
とかく雨のふる夜には、静かに寄ってくるもんだから気づかないんだ。
昼間、白い階段の踊り場で真っ白に光る空を眺めているような気がしていたんだけど
それは唯、曇りガラスがきれいに磨かれていただけな ....
ひとたびの雷鳴を合図に
夏は堰を切って
日向にまばゆく流れ込む
其処ここの屋根は銀灰色に眩しく反射して
昨日まで主役だった紫陽花は
向日葵の待ちわびていた陽射しに
少しずつ紫を忘れる
....
肩のあたりを噛んでほしいのです
思いっきり歯形がつくまで
血が滲むぐらいに
/
今日は抜糸です
と
彼女がメールを送ってきました
八針も縫った傷痕は
一生消えずに残るのでしょう ....
?.
(じーっとお空を見上げている
僕の屹立)
寝過ごして
宿酔で
テラスにでて
サボテンと一緒に
太陽をあびて
歯
磨いていたら
人前で裸になることは
特 ....
這い回る地面の底の綻びに
日の出の印象青白の明日へ
生き生きと夏の夜の土に
死に出す草は緑に光り
ああ夏の這いずる{ルビ地下水=ちかみず}顔を出し
顔を出そうと綻び弛ませ
這い回る地面 ....
あいたい
あえない
どうすればいいのだろう
きょうの天の川はみえそうにないけれど
ぼくと あなたのあいだにながれる天の川は
おりひめと ひこぼしのあいだのよりも なんだか ....
五月の風をゼリーにして
とどける道の途中で
眠りこけてしまった
鳥になるたび 撃ちおとされる
ゆめばかり みていた
?.
ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ
あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
電話をください
電話をください
電話でしか繋がれない
だから電話をください
メールじゃなくて
電話をください
受話器を耳に当てると
あなたが小さな声で
生きてることを伝えてくれる
....
灰色の空から零れ落ちる
一つ二つと数えられないほどに
アスファルトの上
ビニール傘の上
少し冷めた珈琲を一口
苦味が口の中から浸透して
全身に伝う
角砂糖を二つ入れると ....
どうしてあなたなんだろう
ふられた筈なのに優しくしてくれる
だけど メールをくれないときもある
気まぐれなのかしら
だけど優しいの
どうして私 ふられたのだろう
遠く離れている ....
あくびをかりて
なみだが
ポロン
ティッシュで拭って
なんでもない
よ
ぼくは詩人
想像は具現され
具現はさらなる想像を描く
今日もまた
夜の散歩をしていると
夏の星に出会いました
夜の道を南東に向かって歩く
星空の中に
赤い星がまわりの星 ....
校長室には牛がいました
校長先生の牛でした
健康に育ちました
たくさん話かけました
ある日牛が大きなあくびをすると
校長先生はその中にとび込みました
牛だけが後に残されました
旅 ....
{引用=一、くじらヶ丘
口に出してごらん
うるおい、と
その
やわらかな響きは
途方もなくひろい海の
すみからすみまで
満ち満ちてゆくようなものではない
干 ....
酔っ払ったみたいに踊る僕の手に
気が付いたら君の手があった
変な言い方だけどそんな感じ
おでこをくっつけて微笑みあった二人が
そのまま見つめあって
溶け出していく夏の夜の匂い
細波 ....
どうせもう少ししたら何となく落ち着いて
大それたもんでもないことなんてすぐに忘れてしまう
全部月曜日の朝に変わっちゃう
まっぴるまに堂々とビルの隅っこに小便ブチまけるようなもんだ
....
暑いこの夏を乗り切るために
人々は、まるでエアコンのように
乾いた声を漏らしている。
口では冷たいこといって
おしりでは、汚いこと
吐きまくって。
暑いこの夏を乗り切るために
テ ....
※この詩は、下の行から上の行へと読んでください。
人間というものを。
私たちは知らなかったのです。
私たちアンドロイドは、母の葬式で涙を流しませんでした。
だから私たちアン ....
撃ち落す
画面
落下
すると
何も書いていていない真っ白なポスターが
街中にあふれ
ついで、一斉に剥がれ落
ち
白いものは激しく
....
むせかえる 肌の匂いで 妄想す
うなぎより 冷麺よりも かきごおり(苺)
いい年の 君のうなじに あせもでき
束の間の 癒しの時間 雨宿り
花細工 萎びてもなお 花細工
....
ギラギラ輝く太陽
川原の公園の草原の上で
日光浴をする
純白な太陽
透き通る青空
真珠色の雲
緑に輝く草原
天を舞うひばり
太陽は容赦無く肌を焦がす
....
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