すべてのおすすめ
 
父は毎日仕事で帰りが遅く
平日は構ってもらえなかった
父は日曜日になるとキャッチボールをしたがり
僕はよく公園に連れて行かれた
普段からあまり活発な方ではなかったので
あまり楽しくはな ....
サンバのリズムで彼女は案内する、
タタタ、タンタ、タタタ、タンタ
広がるフレアスカートは真っ赤、
熱気のみなぎる裏通りは、
これでも充分には裏でないらしい。
粘っこいグリースの臭い、
不意 ....
その入口をくぐってはいけない、きっと何も保証できることはない
その入口をくぐってはいけない、きっと満足な心境では
こちらに向かって返ってくることは出来ないよ、なぜか
辺りの空気は静謐 ....
過ぎては消え 遅れては鳴り
ふたたび現われ 昇りゆく
水たまりの径
ふいの翳り


まだ水は冷たく
指をまわす
見聞きした風
伝えられずに


陽のはざまに揚まり  ....
ちいさな姉さんたちが
あぜ道を鮮やかに歩いていく
カモミールとか
ベルガモットだとか
とても香りの良い会話をしながら
ちいさな光る粒を落とし
それを知らずに踏んでしまうと
しばらくの間、 ....
森の上の夜の光に
曇は高く灼けている
目を閉じても
しんと熱い


ざくりとした光のはしばし
手を振るように変わりはじめ
やがて花になり鉄になり
光と光以外をくりかえす

 ....
並木道は遠い空に凝立し
刻刻と外縁する静寂の列柱

冬枯れの枝に蕾のきざし
風光るまなざし
光繁る青葉
うつむいて秋晴れ
めぐるのは時ではない

螺旋する火の罪が現象する深い森の霧へ ....
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている

いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線 ....
ぼくの隣
静かなきみのポケットに
たぶん幼い
春が来ている

手を入れれば
指先に形のない手触り
必要な幸福は
それで足りる

春になったら
そう言い続けて
ぼくらは今
何を ....
布の上の鉛の絵
波に途切れ 文字になる
唱いかけ
波間の火を見
唱いだす


歯車の音がしている
陽の芯からの風にまぎれ
さらに さらに遠去かる


刺さることのな ....
カーテンの後ろに隠れている 風が吹いたときだけ 姿を見せる
か細い足元は少しだけピンク色
潮の匂いと、街の喧騒が混じってる
恥ずかしそうに林檎をかじってる なるべく音をたてないように ....
それから僕は、冷たい生き物に触れるために
僅かな夜を過ごす
山間の人々は自分達の歌を愛している
その歌を聞きながら一枚の毛布に包まって
パンを小さく千切って食べる
滲む群青に少しずつ泣きなが ....
あおい蝶だった、たったひとつの
あおいあおい蝶が飛んでいた…暗い、まばたきを忘れた夜に



さむけに痺れる歯茎の中で、とまどう悔恨のこびと、だらしな ....
わからないものに質問しても
たぶん答は得られないので

秋の初めの風のように
いくぶん鋭い金属質の響きで

愚かしくみえる沸騰には
整った和音で対応すること

冷笑じみた混乱には
 ....
1・メール子

 俄かには信じられないことかもしれないけれど、乳児を育児中の主婦というのは、自宅の電話線を抜いている場合が多い。こどもが昼寝をしている最中に、うるさいコール音が鳴ったりすると、何も ....
 或る三等星を巡る地球は虹に袂があって
 生む糞は三千年の香り
 春秋の朝日に照り映え雨露に溶けず佇んでいる
 五寸ほどの身
 中心を分かつひび
 通る風が言葉を作る
 
 一頭の牝牛が ....
これはあなたの息
匂う糊 舌で封した
透ける封筒に夕暮れ
誰もいない堤防沿いの


机の下で凍える紙
打ち捨てられた 仄暗い
空白が罫線を飲み込む
宙を踊る文字は


部屋 ....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}




糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
公園でパンを
食べていると
Justiceと書かれた
Tシャツを着た
欧米の人に叱られた

大地にパン屑が
こぼれているじゃないかと
顔を真っ赤にした
欧米の人に叱られた

夕方 ....
光の布が
足跡を聴く
異なる色に
離れてゆく


雲は癒え
残りのうたが降る
視界には常に
羽根が映る


直ぐに落ちた火が
足もとを廻る
光の芯の光
触 ....
エンジンのいらない 未来の飛行機が ひんやりとしずかに 旋回している メキシコのような景色の あちらこちらで 牛の化石が見つかり どれもこれも 老衰に違いない 長い時間を生きたのに 石になるまでには  .... 1.「ナオタへ」

{引用=すこやかなよるに
知らないこと を
ふたりで 机にならべた
フライ返しで
ナオタは
ひとつずつ
ひっくり返した
ナオタは
ゆびがやわらかくて ....
罪の意識について
イメージが可決する
僕は何もやってない
その意識について
呼吸が破裂する

自らに嘘を付かずに生きていく事かッ!
自らをちゃんと理解していないのに?
ああ、手から離れ ....
痴呆の少女が呆然とうろついている裏通り、停止中の工事現場の敷地内を通ってきた汚れた靴底が地面に残す赤土の臭いを、確かな老人が嗅ぎながら後姿を窺う夜中
月はクレセント、クレッシェンドが強すぎる ....
暮らしてゆく
かこいの上

眺めると流れがある

土から 
かえるためだけに
乞う 涙ではない

吹きなれた風の足が
ところどころ 無くした
甘いくぼみに にゃーと泣く

逆 ....
おりかけた踏切を越える数が
息つぎの数を超えてゆく
骨にそのまま吹くような
すずやかな朝


沈没船の数
鳥の数
波の数
星の数
誰かの何かになれる数


石 ....
 
話す声が小さくなっていく、朝
きみは一冊の
ノートになった

軽くなった身体をめくって
話の続きを書く
これからは大切なことも
大切、とは少し違うことも
こうしなければきみに届か ....
横を向く指
くちびるの指
そっと押し分け
舌に触れる指


いつまでもいつまでも散りながら
消え去ることのできないもの
奥の奥にある赤いまたたき
にじみつづける音のかたち ....
一.


舞いそこねた息が
蜜擦れしている

まつげのながさは
わたしたちのいのち




二.


等分できないものをささえる
ゆいいつの幕間
背泳される 水は
 ....
よしこちゃんは ピアノをもっていかなかった

彼女が五十一のとき のこっていたじいさまが死んで
よしこちゃんはもう 親のない子になった

その家は 彼女が大人になる頃に建って
夏と冬の休み ....
ピクルスさんの自由詩おすすめリスト(832)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
卒業式- たもつ自由詩26*08-3-15
ネジ台通り- 佐々宝砂自由詩308-3-15
すみやかなランチ(服はちゃんと着ている)- ホロウ・ ...自由詩4*08-3-14
ノート(ひとつ_撓む)- 木立 悟自由詩608-3-13
ポルカドット- 嘉村奈緒自由詩1408-3-13
降り来る言葉_XXXVI- 木立 悟自由詩508-3-12
四季の、けもの- こしごえ自由詩4*08-3-12
鎮魂歌- こしごえ自由詩15*08-3-8
裏木戸- たもつ自由詩3008-3-7
ひとつ_はじまる- 木立 悟自由詩508-3-6
ハムスターの午後の回転- カンチェ ...自由詩408-3-6
小詩集_朝と夜- 嘉村奈緒自由詩708-3-4
あおい蝶がまた産声を上げる夜中(そして執拗に水は流れ続ける)- ホロウ・ ...自由詩3*08-3-3
ニ長調で憎しみを唄おう- 佐々宝砂自由詩208-2-28
メール/パッサカリア- チアーヌ自由詩4*08-2-27
_麻痺- 鈴木自由詩108-2-26
時計の無い街- 及川三貴自由詩508-2-20
朝の、底- 望月 ゆ ...自由詩31*08-2-20
世界について- ニカコイ自由詩24*08-2-19
ひとつ_かえる- 木立 悟自由詩208-2-17
SF- 砧 和日自由詩11*08-2-17
方舟- はな 自由詩1708-2-15
罪の意識- 狩心自由詩3*08-2-14
Moonchild- ホロウ・ ...自由詩1*08-2-3
かえる_ほとり- 砂木自由詩8*08-2-3
わたる_ひびき- 木立 悟自由詩208-1-28
軽い身体- たもつ自由詩2108-1-28
花と花- 木立 悟自由詩308-1-24
断片集「追水」- 簑田伶子自由詩18*08-1-24
よしこちゃんのピアノ- 縞田みや ...自由詩8*08-1-24

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28