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こじつけの夢で
眠ること
なんといったって
莫伽なこと
未来都市での恋物語
蜘蛛の巣を辿り成就する
乱れた鱗色
思いのまま泳ぐ
美しきライト
氷の万年筆が地 ....
水に挿されたくちばしが
海を海へ引き寄せている
己れの舞を舞うものにあふれる
帳も 色も
響きを奪われ
なお鳴り響く
ひきちぎられた
半分に満たない
紙と鉛 ....
真空伝記は
竜の背にもエレクトロを静電し
暗がり黄走る永いひかりの連なり
真っ先に稲光る
ころげた永遠
ただ白い歩記は錯乱する程に
つよい顔のような夕暮れ
きこえなかったよ
一 ....
51
手に速度が馴染む
坂道は距離のように続き
俯瞰する
鶏頭に良く似た形の湾に
昨晩からの雪が落ちている
ポケットに手をつっこめば
速度はあふれ出し
また新たな速度が生成され ....
足から入り腕を出すと
ダンボールのほかは空ばかりで
おれは首のばし
下をのぞきこんでも
からり晴れわたり風鳴る底なしの
しまった
あれも連れてくればよかったと
ポケットの小瓶 ....
{引用=
?
[ある朝わたしは鴎になりました。]中央区扇橋の橋桁の巣がいちおうマイホームです、っ
てつぶらな瞳で。(空間に名前をつける [千代田区神田小川町1-7-1]を[業火に焼かれる
....
空に埋もれた巨きな鳥を
指でたたいて確かめる音
少し傾いだ雨になる
片足を尾のように動かして
屋根の音を追っている
何もない日の生きものの笛
水のなかで抱く ....
混じり合う
紫越しに
薄煙を見て
つま先で
水を弾くように
駆け出した
風切る頬を
午前に残して
水平線の先に
潜り込む 指先から
少し遠い君の手
湿って宙を掴む
影が坂道を ....
ひとつの 荒野のおわりに
名前もしらない 月の花が
ほそながい 清潔な
首を さしだしていた
火を消して ねむった
{引用=
***
}
ラ. ラメント
風、蕭々と吹くばかり/か
泣いているのかと思えばそれは
馬頭琴であった
海から遠いというのに
天地逆転すれば
空でひと泳ぎできるものを
土 ....
おれは行き止まりでウロウロする犬「わをん」だった
おれは花の上の辺りに三つの点々とした傷がほしかったので
自らそこを爪で傷付けた おらぁ! オラオラオラオラオラァァ!
ジョジョじゃない・・・むし ....
ウィリー、ウィリー、
どうか、
きみの名前を思い出してほしい
訪れる者もない、荒れた墓地で、
いつまであふれる愛を憎しみにかえて、
この世を呪いつづけるのかい?
ウィリー、ウィリー ....
夜の冷たい川沿いに
軽やかな秒針の音
寝静まる畦道の空想
蟋蟀数えて更ける
誰か の物思い と
雨が降って大気を導き
水待つ蛙の物憂げ
風の鳴る音 戸を叩き
葉裏にとまる蝶 ....
らうあ らうあ
翳りの帆
道を泳ぐ道を読む
悲しさになると
消える悲しさ
空と水をつなぐ坂
そばだてた耳が唱になり
影を踏まない影の足もと
ほころびをひとつ ....
41
市民会館の大ホールを
ゼリーは満たしていた
屋外では雨が
土埃の匂いを立てている
観客の思い浮かべる風景は
みな違っていたが
必ずそれはいつか
海へとつながっていた
....
髪を 切った 襟足の ひみつ から
娘たちは 飛んで ゆくと いう
純朴な 神話が 解かれて いる
風祭を 孕んだ {ルビ帆用飛行艇=はんようひこうてい}の 陶酔は
....
内に外に転がる音の
離れてもなお近しい音の
ふさふさとした
柔毛の音の
遠さは鼻先のまま香り
同じ色の大きさに降り
布をくぐる
まぶしい輪唱
ある日どこかで ....
予報は雨
(真昼)
あらがえないの
この時計の刻む
奥底からきこえる声には
自性が宿っているのだから
茫洋として連なっている先へ
零時の胎動しているのは不在
の影が失わ ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
目を閉じ
骨を確かめる
歯のかたち
牙のかたちを確かめる
地平線まで
指はのびる
ひらいた骨が
永さを失くした海を奏でる
あらゆる証書が
毛虫のようにうご ....
・
わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている
トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
雨がひらき
匂いは昇る
あたたかく 甘く
光になる
白い歯車
心をまわし
雲の映らぬ涙になる
手のひらの空に繰りかえし
現われては消え 叫ぶもの
二分きざ ....
31
世界が坂道と衝突する
アゲハチョウの羽が
誰かの空砲になって響く
内海に
大量のデッキブラシが
投棄された夏
遠近法のすべてを燃やして
子等は走る
....
四角い箱 赤い
ネオン、信号機
レール
殴った。電灯がスーツだから
自動車が緑色を吹いていく。影から出てきた映写機が
自転車が
まるいもの、ま ....
この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。
冬の呼吸 ....
「球の描き方」
水の中で目を開けた
融けなかった青が
からだのなかに入り込もうとしている
皮膚のあいだから
――それは恐ろしいことだった
夕方が近づいている
....
双つの雨音を右目にもどし
煙を数えて夜は明ける
みな何かをすぎてゆく
みな何かを置いてゆく
欠けた娘を肩にのせる
鏡の向きがいつもと違う
欠けた娘を肩にのせる
....
白い空間に影が飛び交い
そこは無限の獄中と化す
左下の隅に ローブを纏う人 顔は見えない 暗く 深く 後ろを振り返っている
その隣に僧侶 船を漕ぎ出している 遥か彼方を見据えて
その頭上に 顔 ....
夜はせばまり
夜はひろがる
粒と浮かぶかたちと唱と
妨げを泳ぐ轟きと尾と
波の終わりとはじまりに
砂の言葉と花火があがる
水からひろいあつめた羽と
貝のかたさの音のつ ....
21
カレンダーを見ると
夏の途中だった
日付は海で満たされていた
子供だろうか
小さな鮫が落ちて
少し跳ねた
恐くないように
拾って元に戻した
22
フライパ ....
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