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人々の行き交う夕暮れの通りに
古びた本が
不思議と誰にも蹴飛ばされず
墓石のように立っていた
蹴飛ばされないのではなく
本のからだが透けているのだ
聴いている
時 ....
一
僕にとって大事なものをしまっている大きい封筒がある。その封
筒の中に、去年朗読会で年上の詩人・U さんに会った時にもらった
一枚の白黒写真のコピーが入っている。その写真は黒田三郎の ....
夜が明けて
窓から朝日が射し込むと
目の前に
猫背の暗い男が両腕を{ルビ垂=た}らし
立っていた
「 私ハ生キル事ニ疲レタ
アナタノ生霊
アナタガ誰カト浮カレル時 ....
( 窓の外から聞こえる
( 鳥の{ルビ囀=さえず}りと共に目覚める朝
( 全ては「無」へと消える
毎晩
枕は「夢」をのせている
閉じた瞳
繰り返す寝息
空っ ....
立ち位置を、探している。
いつまでも見つからない、
足の踏み場を。
もしくは、
消えてしまった君の幻を
抱きしめる、
世界の中心を。
人波の川が流れゆく
この街の中で、
....
小雨の降る夜道を歩いていた。
ガラス張りの美容院の中で
シートに座る客の髪を切る女の
背中の肌が見える短いTシャツには
「 LOVE 」
という文字が書かれていた。
....
湯田は温泉街なので、道を歩いていると数人で腰を降ろし足浴で
きる場所が何ヶ所もあった。記念館に近付くにつれて、「中也ビー
ル」という暖簾の文字が風に揺られている店をいくつか見かけた。
中原 ....
僕の部屋のベッドの枕元には、去年の夏の終わり、一人旅をした
時の写真が入ったままの白いビニール袋が置かれている。中から取
り出した無数の写真の中の一枚に、雨の降る公園に立つ石碑があ
り、幾本も ....
深夜の浜辺で
青白い顔をした青年は
{ルビ焚=た}き火の前で{ルビ膝=ひざ}を抱えている
肩を並べていた親しい友は
すでに家路に着いた
胸の内に引き裂かれた恋心
誰の手に ....
ある友は移動中のバスで吊り革に今朝もぶら下がり
車窓が雨に濡れるのを見つめながら
渋滞で出勤時間の近づく腕時計を見て{ルビ苛=いら}ついていた
もう一人の友は勤務先の病院で
昨日の眠れな ....
つまずいてばかりの日々にうつむいて
ちぢんだ心を{ルビ潤=うるお}す
水の湧き出る場所を探し歩いた
立ち止まり シャベルで穴を掘り続け
気がつくと
静まり返った暗い穴底にひとり
小 ....
親愛なる詩友へ
友よ、あなたが今心から愛する{ルビ女=ひと}と出逢い、
日々幸せに包まれていることを、
僕は嬉しく思っています。
僕なりに感じることですが、
「芸術家」「詩人 ....
七尾きよしさんの服部 剛さんおすすめリスト
(12)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
詩人の肖像
-
服部 剛
自由詩
11*
08-5-2
黒田三郎詩集読書記
-
服部 剛
散文(批評 ...
8*
06-7-16
明日へ
-
服部 剛
自由詩
11*
06-7-9
「永遠」_
-
服部 剛
自由詩
5*
06-6-30
「空」を抱く人_
-
服部 剛
自由詩
20*
06-6-19
「汚れた足」
-
服部 剛
自由詩
21*
06-6-14
中原中也記念館に行った日_〜後編〜
-
服部 剛
散文(批評 ...
11*
06-5-15
中原中也記念館に行った日_〜前編〜
-
服部 剛
散文(批評 ...
8*
06-5-10
幻の太陽_
-
服部 剛
自由詩
15*
06-4-16
明日の朝も僕等は
-
服部 剛
自由詩
7*
06-2-10
「井戸の底」
-
服部 剛
自由詩
13+*
05-11-17
詩人の幸せ・不幸せ_〜詩友への手紙〜
-
服部 剛
散文(批評 ...
9*
05-5-26
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