1068番目の奇跡
塔野夏子

セルリアンブルーの本から
零れ落ちる音符のような
啓示
に搏たれつづける心が
1068番目の奇跡を通じて
うつくしく褶曲する地層のような
洞察
へと繋がるのならばと
今夜は違う窓に向かっている
とても魅惑的なかたちをして
そこに在るのに
誰もその奏で方をわからない楽器のような
欲動
に揺れながらも
みるみる希薄化してゆく肉体を
それでもどうにか
意識に纏い付けて




メールマガジン「おひるね通信」3号および個人サイト「Tower117」掲載






自由詩 1068番目の奇跡 Copyright 塔野夏子 2006-07-09 13:13:59
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