すべてのおすすめ
ぐるぐる太陽の下、
ぼくたちは生まれて、
食べて寝て起きて、
また食べて、
生きて、
いる。
まいにちまいにち、
いつもまいにち。
食べて寝て起きて ....
ぼくは詩人
無は存在し
それは有の存在と
連続している
今日もまた
夜の散歩をしていると
闇に出会いました
何も見えず
つかもうとするものもなく
どこまでも深い闇が続 ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
君の記憶が
水のように透明に
けれど水よりも濃い密度で滴ってきて
それは容易く
私の現在を侵 ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり
小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる
夏は夜
浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
僕は今日も生きている
明日もいつもどうり
世界はまわりつずける
虹の色は常に七色じゃなくて
無限の色で作られる
手のひらから落ちる
富、栄光、そんなものどうでもいい ....
青い 朝爪
くとん と
葉の 胸
黄緑 透ける脈
まだ
まぶしいの
月に
あずけてた
から
この街を
この部屋を
この身体を
昏々と
眠らせるのは
夜では無く
淋しさだ
順繰りに咲き誇る花々は
緑に浮かぶ星の煌めき
晴れ晴れとジューンブライドになるはずが
ほんのちょっぴり なみだ顔
夜の帳の降りる時間も
知らぬ間に間延びして
雲がたれ込めている ....
本当はセリカがよかった
が、人気車には、やはり手が届かなくて
中古車屋のおやじに勧められるまま
同じエンジンだというコロナにした
家に帰ってよく見ると
左のドアが少しへこんでいた
―― ....
真夏の夕陽に染まるさざなみは
あなたの肩越しに遠のいてゆくばかり
深めに倒したナヴィシートで
あなたの好きなラヴバラードに酔いしれて
日焼けしてしまった首筋に心地よくて
小さなため息をひとつ ....
夕やけこやけ
身を焦がし染まっているのは
女子高生
夕やけこやけ
鍵っ子寂しくつく家路
夕やけこやけ
セクハラオヤジ
今度やったら訴えてやる
夕やけこやけ
また明日
悲 ....
さまたげるものだけが
私を
言葉に向かわせる
たとえば 雨
いつだって
あなたも同じだ
突然
ひょい、と現れて
私が
気にしないで生きようと
思っていた矢先にいつも
嫌い ....
私とあなたの間には
いつも一枚の窓があり
互いは違う顔でありながら
窓には不思議と似た人の顔が映る
私とあなたの間には
いつも一輪の花の幻があり *
互いの間にみつめると ....
やまびとの散文詩 断片12
わたしたち、やまびとが星々を汚した罪が
償われる日が訪れた。それは二百年の歳月を必要とした。
幾世代にわたる長い期間であった為に、
もはや悲願であった。
青い ....
真昼の公園で木漏れ陽を浴びて
癒える筈のない悲しみのことを考えていた
ときおり吹き抜ける風はすこし熱を帯びて
客待ち顔のアイスクリーム売りの老婆の
麦藁帽子を踊るように撫でてゆく
....
早朝の
夜が やっと明け始めるころ
眠りから覚めた
鳥たちが挨拶を交わし始めるころ
色白の
肌が青白く影を帯び始めるころ
私は、
私自身の気配にかすかな境界を感じ
縁側でぽつねんと ....
海と繋がっている
照り照りとした
小さなオパールをつまんだとき
海水の温度のようだった
人いきれにむせる空気の中で
そう感じたのは
単なる錯覚ではなく
この生命の何処かで
潮の ....
ぷかぷか波間で浮いているのが
一流のサーファーだと思っていた
金づちのわたしにとっては
それでも素敵すぎて
おなじようにぷかぷか浮いている
ボードの数を数えたりして
どれがあのひとなのか
....
5月の天空の傘は雨漏りばかり
途中下車してコインロッカーで
制服を脱ぐのも板についた頃
初夏の爽やかさを置き去りにして
入梅前の隙間を夏空が我が物顔で占拠中
教室の片 ....
石垣に肩を預けて戯れは
我が身を石に初夏の景色に
それは‥
季節で言えば
今頃の
濃さを増す
木々の緑も鮮やかに
天気で言えば
曇天とも
雨天とも
言えるような
....
終りのない雨が降り続く若い群島の
決して更新されない、
カレンダーに刻まれた記念日が忘れられる夜、
過去を映さない鏡のなかの燃え立つ暗闇を、
瞑目する叙事が、鈍い輝きを浮き立たせている。
....
いつか遠い日に出会う音
誰かの死んだ鍵の
大理石に落ちる音
すでに決せられた、今
・・・を巡りあいと呼ぶのなら
遠すぎて忘れてしまうほど
遠い日の約束を、
型録に載ってる幸 ....
モリアオガエルは
森のカエル。
木に登って
暮らしてる。
遠くを見つめて
風を食べてみたり
僕と出会っても
何も考えてないような顔をして
きょとんとそのまま
そこにいる
....
いつか見えなくなる希望の光に
昨日まで見えていたはずの僕らの
足跡は砂嵐に巻き込まれて消えていった
はじけた涙の湖が
ゆっくりと波を立てながらながれてく
言葉に出来ない思 ....
とうとう動かなくなってしまった
トパーズ色した わたしの鍵
普段持ち歩いているバッグの中で
かさこそ這いまわりながら
わたしの吐き出す
あのひとへの恨みとか辛みとか
どうしようもない思いを ....
夏にまだ
無防備な肌を
焦がして太陽は
隆起する分厚い雲に
たちまち覆われた
焼けたアスファルトに
水玉の模様を描き始めた
大粒の雨
それもまた
激しさを持て余し
にわかの ....
薄い眠りの表層に
愛しい物語が広がる
つかみどころのないストーリーを
諦めたくなくて
覚めてしまいそうになる自分を
何度も呼び戻す
せつない私
恋のようでもあり
思い出のようでもあ ....
駆け足だったあの頃
{ルビ躓=つまづ}くたびに零れた
ぎこちない音も
こうして、つないでみれば
いつか、優しい旋律
奏でられる音階、の隙間
置き去りにした、いくつもの溜息
そっと、触 ....
水底に置かれて
屈折した空を見上げては
ただの黒い点となって
あぶくを吐きつづける私は
その蒼に抱かれながら
浄化という名のもとに
この躰を満たしながら
還りましょう 雨に
....
梅雨の晴れ間を狙って
そっけなく届いた封筒が愛しい
きみが指を強く押し付けたはずの
テープをもどかしく剥がす、剥がす
剥がすと
草色の便箋に並んだ文字が
少し潤んだ懐かしい声に変わ ....
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