夢の匂い
さち

薄い眠りの表層に
愛しい物語が広がる
つかみどころのないストーリーを
諦めたくなくて
覚めてしまいそうになる自分を
何度も呼び戻す
せつない私

恋のようでもあり
思い出のようでもあり
これは幻だと知りながら
その匂いに包まれる

少し幸せ
のような
僅かに哀しい
ような それは
目覚めた私を
あと少し包み続ける


自由詩 夢の匂い Copyright さち 2006-05-31 00:29:31
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