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あなたが本の真似事をしている
ぱらぱらページをめくると
良いことが書いてある
わたしは少し良い人になる

わたしも何かを伝えたくて
ささやきの真似をしてみる
音のようなもので
あな ....
きれいな女やった
絹ごし豆腐みたいな肌してたわ
几帳面な女やった
後ろ髪をよー梳いておったわ
早起きな女やった
いつもせかせか働いとったわ
芯の強い女やった
最後まで別れへんって ....
 あなたの胸に頬をあずけ
 うっとりと夢見心地で
 すき、って言おうとしたんだよ

 するとなんだか可笑しくなって
 よだれがこぼれそうになり
 あわてて口をついた 言葉は

 しゅき ....
1

正直、高校を卒業した時の成績はよくなかった
偏差値にして40前後
空を飛ぶ試験にうかるには絶望的な数字だった

なにしろそのころ
空を飛ぶための試験を通過するには
偏差値にして6 ....
何故戦争をするのか
あたまがわるいからだ
つまり人間が、起ってほしくないことについてばかり考えているからだ
創造しなくなった

日和見は全員銃を持つ
日本男児はアジアの幼女をレイプ ....
(1)

僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。



(2 ....
わたしの夜のとなりに
ことばがたくさん住んでいて
ときどきベランダで
お話をする
こどものかたちをしてる

一緒にトマトを食べたり
くっついてみたり
ゴミを片付けたり

たのしいね ....
窓からの夕陽の中に
ほこりがきらきらと舞う

体育座りのぼくたちは
机のかげで キスをした
ほこりの雪は それを隠す

バッグにひそめてきたコーラを
ビーカーに注いで 乾杯

今日 ....
陽が当たらないこの部屋には夜が堆積したまま、おはよう。
けして眩しくはないけれど、それは挨拶だ。



腕を下にしていたのでしびれた。下敷きが平たく硬いのは、しびれずに楽に生きていくための防 ....
今日の夕方
西の空に彗星が見えるんだってさ
ほんとだよ
ニュースの人が言ってた

ぼくのリサーチによると
多分 公園の先の
くすの木がたってる丘の上が
一番 よく見えるはずなんだ

 ....
ふぞろいな前髪の
整列にかかる
風のみちゆきを
ぢなりのようなうたをうたい
散らしていった
まるくとがった あの唇

おしあたった瞬間の
確かな熱の重さも すい と
運び


 ....
ただ ただ
あなたが好きでした
好きなだけの恋でした

それすら
あなたを苦しめるというのならば

もう わたしは
かたつむりになって
黙って 
ここから去ろう

ゆっくりと
 ....
お花を買った帰り道
フワリフワリ良い匂いがして
とても機嫌がよろしいの
そんな私を 幾人も
羨ましげに振り返るので
いい女を気取りながら
颯爽と歩いていたらば
花を飛び交うミツバチと
 ....
ひとりでだれかがそらをみている

そのよこであたしは性を超える

ぶんかつでかったたましいのいちばんくらいぶぶん

せいふくのふくらみから聴こえるでしょ

噛み合わないはなしさえ  ....
なんだよ、ダジャレじゃねえか
と激しく笑われたので渡しそびれた

きっと勝つと、キットカット
受験合格のお守りだって
コンビニだって神社になる

簡単に買えたけど
その気持ちは簡単 ....
ぷよぷよ頭のシロイルカや
花火のようなくらげをみて
三人でおおきなアイスクリームを食べても
小さな女の子はそっぽを向いたまま
だから水族館から海へ向かう砂浜は
お母さんと君だけで歩いて行った ....
ニュー。ニュー。
新しくなることについて考える昼すこし前の柔らかい光だ。


上着のポケットにしまっていた石を垂直に投げる。加速度と重力。そう、加速度と重力がせめぎあうその瞬間の曇り空に、押し ....
 ノートに絵を描くと
 いつも人の顔に見えます
 どんなに線を崩しても
 唇や瞳のある
 表情を持った人の顔に見えます
 その理由がわかったのは
 ずいぶん後のこと ....
春の電撃作戦。開始。
街のいたるところで僕らは耳に手をあてる
どかん
それは小さな破裂
作戦が始まった合図だ、ほら
そしてまた、どかん
コンビニで働くあの娘、最近きれいになったね
と ....
私は霧に包まれていた
霧の森を長いことかけて歩いて行った
霧は深く 晴れることを知らない…

扉を見つけた
霧の森で
開けようとも思っていないのに
その扉は開いた
でも
その先も霧に ....
今日も良い天気

環状8号線から
ちょっと入ったところ
思ったよりも静かな
住宅地

不思議なデザインの
ブルーのマンション

窓からのぞく
子供の顔に
挨拶しようと
手を振 ....
色々と大袈裟に語られることが多いから
一つを信じるにも力が必要で
惑わされないように見ないように
うつむきながら加速していく

こんな時代を
ゆっくりと流れていくのは
夕暮れくらいなのか ....
思い立ってシュレッダーを買った
特に使い道があるというわけではない
だから
日頃の溜まった鬱憤を紙に書いていく
書いたそばから砕いていく
クロスカットだからね木っ端微塵
段々エスカレートし ....
スライド、スライドしていく音階に、立ち止まるための目印はない。ギター、弦の上を滑ってゆくぼくらの、とめどないものを抑制する旅。そしてタブ、タブ譜を読むためのフレット、フレット。区切りをつけて、数を数え .... 楽しいはずの
デートの帰り

彼が
たぬきを轢く

たぬきはこげ茶と黒が入り混じった体毛で
牙はするどく体長70センチくらい

道路の真ん中で横たわるたぬき

たぬきは息をしてい ....
みみずちちんだ。みみずく、のびた。



もぐらひょっこり、鼻に風花



すっぽんしっぽり、すっぽんぽん



蚊をたたくつもりで顔たたき



まわるまわる ....
光のなかで光を引きずる
あちこち折れた羽のように


増えては
増えては 軽くなる
はばたきに似た歩みの音


灰のにおい
羽のにおい
いつのまにかひとりの道
鈴の音
陽 ....
花びらは散る
散る花びらは積もる
積もる花びら
だれもせかさない
静かな街から
積もることさえ知らない街
散ったとしても
積もる時さえ降らない街
むすんでひらけば
花びらさえ
ここ ....
写真を撮ろうよ 二人のね。
緩やかな波打ち際で待ってるよ。

君はカメラを誰かに託して
僕の方に駆けてきた。

嬉しそうに笑う君が何となく
幼く見えて可愛らしかったものだから
僕は思わ ....
「ピーマンって美味しいよね」
              って
君が笑った

「うん」
僕も笑って
そう答えたけれど

あれは

目標であって


僕は
嘘が嫌い

 ....
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