すべてのおすすめ
強く握れば
つないだ手が
痛く、切なく軋む
でも、離さない
どこまでも
一緒に行きたい
内出血の赤黒い斑紋の雲が月を
夜空の剥がれかけた爪にする
夏の海、と
あなたが決めつけたとき
波は季節を、海は名前を失い
水はただ塩辛く
傷だけが夜空にあるなら嫌いだ
黒 ....
僕はゆくだろう
鍾乳石の先で抗う
水滴の
夜のために
待つものも
さだかではない
暗闇のもっと底
染みこむ
朝のために
屈折がつくる道
灯台が照らす
霧の先に
ゆく ....
好きなところを数えるのは
大天井岳のてっぺんで星を
数えるようなものだから
その暗闇まで含めて
全部が好きなんだ
そしたらあなたは私を
うそつき、と言った
ほんとうには
遠かっ ....
桜花を散らせ
次の季節が吹かせる
湿った風に
なびく美しさを隠したまま
洗い髪みたいに
君は濡れている
よこぎる鳥を数えるように
ひとつひとつ忘れていく
透明な霧の向こう、輪郭
....
細いだけのものを紡ぎ
不器用に飾られた
花のネックレス
朽ちてしまうことも知らずに
綺麗さだけが
二人を青空にする
失ったものを見上げる
高層の谷間は
つくられた
あの娘の{ルビ ....
はじめての深呼吸は
君に会えない夜に
街灯にうかれた虫たちを
見上げる時の角度で
波を見上げる魚でもない
雲を抜き去る鳥でもない
手に入れた感情の
空虚な その熱さ
埋 ....
はぐれものは
ふるさとの名前を知らない
だから、私の汗ばんだほほを
冷たい指でぬぐいながら
細く、薄青いくちびるで
君が名付ける、それが
たどり着きたいふるさと ....
シャープペンが紙を滑る音で
断ち切られる記憶が鼓動になる
遠い日、焦がれた痛みを愛しく思い
あなたの体は柔らかいという方法
私の融点を
花の名前を当てるように
ほほえみ ....
ささやかな我が家は
海風を松林がさえぎる
小さなキャンプ場に
僕と君の子供の手で建てた
細引きはしっかり引っ張ってとか
ペグは斜めに打ち込んでとか
入り口の向きの決め方とか
寝心地の ....
体温は
ひとつになるアルビレオ
今日からは
遠心力で結ばれる
意志が
それを果てるまでと誓うだろう
ある時は照らされる者の影であり
そしてお互いだけが
救える日々の
満ち ....
文書グループ「夜、幽霊がすべっていった……」
http://po-m.com/forum/grpframe.php?gid=33&from=listdoc.php%3Fhid%3D1388
....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている
仕切の向こうの笑い声が
うるさくてちょうどいい
そんな時刻 ....
写真では思い出せる
ものがたりは忘れてしまった
楽しかったことの記憶だけ
振り返ることもなく
通過電車のあとを追う
錆びた風であれば
印画紙を風の色に染めて
完成する思い出
岩 ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日
どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ
ことばは、忘れないため ....
ダイコンの花がさいたよ
ニンジンもがんばれ
ときめかせて
はなびらを解き放ち
冬別れの樹、予感
北風までもが人肌の温度
その飛ばす先の青空
気まぐれな季節は
いつも、ふいに帰ってくる
季節のない海の深みに
還っていくその前に ....
なにげなく息苦しくなる
自由に生きるとわがままで
いい人でいると酬われない
狭苦しい海だね、まるで
しおからいもので満たされて
泳ぐためにも浮くためにも
そして沈むためにも
抵抗や圧力が ....
風が吹き抜けるたびに
路地から空を見上げる
鳥の影、あの鳥がまた
飛び越えていくのかと
見上げた先の色は様々で
いつも、すぐ忘れてしまうから
黒い影だけは憶え続けるのか
鳥のかたちに ....
影を踏むように
引き留めても
すり抜けて
肌に服にはりつき
ぬぐいきれない汚れのように
透明でいとおしい
たんぽぽが
そこにあった、ということ
ロゼッタの刻印を
....
今日、世界が終わるとしても
教えないでいてください
怖いからではありません
やっぱりわたしは
明日の約束をしたい、あなたと
交わされることのない言葉
くちぐせのような夢 ....
合理的で清潔で、迷いがない
自由で無責任で、自己責任で排他的で恣意的で、有限で
科学的で哲学的で、宗教的な世界が私に指し示した絵画
時間は正確で、太陽の動きとは関係が無く、季節は曖昧
....
灯台の積層レンズから
ここにいる、と叫ぶ声は
遠くからは星
近くからは秒針
海霧に照らし出す
港という駅
造船所の大きなクレーンを
右手にみながら
故郷はいつも
思い出せない何か ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月
雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか
月はやっぱり見えなくなる
世界から消えようとす ....
闇の中で抱きしめる
体温だけを信じられるように
つまり、それはそう
あなたを想うだけで
私はどんな場所でも
世界の果てにすることができる
孤独は誰かを欲しいと感じる気圧
星だっていつ ....
道の先をいつしか
岬と呼ぶのでしょうと
白い幾万もの手が
砕けては戻っていく
届かない場所に
北端という称号を与えて
みんな満足して
羅針盤の声を人は夢に見るのです
根無 ....
雪が来ないから だろうか
遠い対岸の君を思い出してしまう
風船のひもをつかむ かのように
手を繋ぎあった昼下がりのことも
雪虹を見た冷たい夕暮れも
私の影は黒いよね
青い光 ....
呆然としているだけで流れていくものを時と呼ぶな。わたしたちの
いちばん大きな乗り物は、生まれてきたときの速度を保とうとして
いるだけで、あなたの生き方とは関係がない。冒険せよ勇気を持っ
て自らの ....
銀猫さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(281)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
赤機関車/青列車
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たりぽん ...
携帯写真+ ...
7*
07-7-22
夏の月、海に剥がれて
-
たりぽん ...
自由詩
9*
07-7-18
疾中(微熱)
-
たりぽん ...
自由詩
10
07-7-17
コマクサ
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-7-10
烙月
-
たりぽん ...
自由詩
9
07-7-8
ジルの野原
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-6-28
ディラックの空
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-6-15
故郷
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-6-13
しおりの_わけ
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-6-4
キャンプ場の我が家で帰りを待つ
-
たりぽん ...
自由詩
13*
07-5-30
アルビレオの誕生
-
たりぽん ...
自由詩
10*
07-5-28
岡部淳太郎_「夜、幽霊がすべっていった……」に想う__
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たりぽん ...
散文(批評 ...
7*
07-5-23
雨を許すと濡れてしまう
-
たりぽん ...
自由詩
19
07-4-25
錆びた風を紡ぐときの浜辺で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-4-13
ひとりぼっちに、ならないように
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-4-4
さいた、咲いた
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
9*
07-4-1
季節にとかして
-
たりぽん ...
自由詩
18*
07-3-30
月のように生まれることもなく
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-3-26
地下鉄十六番出口から
-
たりぽん ...
自由詩
13*
07-3-21
春の泥、にじんで
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-3-18
春は明日の約束
-
たりぽん ...
自由詩
15*
07-3-13
あなたは、地図の上では咲かないと
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-3-12
駅・函館
-
たりぽん ...
自由詩
10*
07-3-11
桜、わすれていく
-
たりぽん ...
自由詩
25*
07-3-3
ほしおりの、そのときに
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-28
それとも指輪の刻印で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-2-21
握りしめる闇、ねじれた雨
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-2-17
羅針盤は故郷を知らない
-
たりぽん ...
自由詩
9*
07-2-12
雪虹のワヤン
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-1-27
踊るとすれば輪舞、できれば砂漠の真ん中で
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たりぽん ...
自由詩
15*
07-1-22
1
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4
5
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7
8
9
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