すべてのおすすめ
風をつかもうとして
草をちぎってしまった
てのひらが
鳥を呼ぼうとして
こんちくしょうと叫ぶ
声が
心のかたちを確かめたくて
君のからだを抱きしめた
腕が
今夜もずれてい ....
月は
硝子に描かれた設計図なのです
半透明に、透明に
あるいは暦のように
時は
暦の影絵
季節を待ちこがれた獣が
手に入れた花占い
君は
峠ではためく{ルビ経文布=タルチョ} ....
行基さんでの
待ち合わせは飽きたので
采女神社でって
君がいうから
僕は池をぐるりと歩いて
時計回りで君を待って
興福寺の夕暮れに
見上げると
和紙に漉かれた
六分の月
君 ....
また腐りかけた吊り橋だ
いつもこうやって
たどり着く先で
誘う危険は
谷奥からのそよぎに共振する
銀河を流す暗い川には
大きな{ルビ鰐=わに}が寝そべり
冷たい水に ....
いつか遠い日に出会う音
誰かの死んだ鍵の
大理石に落ちる音
すでに決せられた、今
・・・を巡りあいと呼ぶのなら
遠すぎて忘れてしまうほど
遠い日の約束を、
型録に載ってる幸 ....
砂浜で小さな砂山が削られている
誰かの作った小さなでっぱりだ
波は届いたり
届かなかったり
白かったり黒かったりしながら
砂を暗い海に流そうとする
流れていく流れていく
泡のような名残に ....
今日死んだ太陽の
お仕着せな光を反転させて
月が夜を奪う偽物の夜
太陽を復活させる呪文
水晶を微電流で虐めて
僕たちも一緒に
ふるえる
言葉が聞きたかった
なのに
誰 ....
ネパールとインドの国境付近は深い密林に閉ざされている。失われれば二度と手に入らない暗闇をはらんだ命の混沌。それがジョグ・アレースの森だ。かつてサファルの月、南下したモンゴル軍が侵攻したときにも、この森 ....
岬の先の夕暮れ
小さな星を示して
十光年離れているから
あれは十年前の光だ
と、言う君は
教科書のようだ
でも今見えている星は
そのまま今
の、{ルビ一番星=シリウス}
足摺 ....
私の中で水銀が蒸発していくようだ
体温で沸騰して犯されていく肺だ
今日も湿原は私以外のものでできている
鷺の仲間が冷たい水面で啼くのも
空を刺す枯れ草が雲に巻かれるのも
ふいに思い出すキ ....
紙屋町から橋を渡ると
折り鶴に祈りを捧げるための
順番待ちの列
それは確かに祈りのかたちだが
朝夕の公園掃除とは
似てもにつかない
ベンチに座り
おにぎりを取り出すと
えらそうに鳩 ....
誰のものでない足跡が
泥のような海に向かっている
きっと
闇の生まれるところ、
果てと呼ばれる
光、奪われる場所の
刹那の真実を知りたくて
、対消滅
小さな声でつぶやく
今日も遠 ....
失ってしまったと
知らせに突かれて
霧雨の中へ飛び出したから
取り込み損ねた洗濯物のように
さびしく湿ってしまった
時計は無慈悲に
時を奪っていく装置
刻んで ....
本を捨て風を追え
光の鉄筆を持ち
刻むがいい
化石となり残る言葉を
考古学者が
その意味を追うだろう
ノートを捨て雨を打て
声にならない慟哭を
写すがいい
降り積 ....
快晴だというのに
蒼すぎる湖畔だ
四ツ手網は静かに
心の水面に沈められ
ひきあげた時に
また振り仰ぐのだろう
学割九千八百円の
上海行きの船が岸壁から離れていく
思っていたよりも船は速く
もう見送りの姿も遠く
そのくせ船はゆっくりすすみ
行方は遙かにかすんでいるので
夢をもて ....
雨の降る夜の帰路
高速を降りてからの長い田舎道
前照灯が照らす小さな視界に
跳ねるものがあるのだ
灯火の中それは白く見え
雨粒とは違う動きで
ぬれたアスファルトの上を
道一面に跳ねる ....
狭苦しい世界から
こぼれ落ちてしまいそうに
鳥は横切っていく
この胸をしめつける病なのか
握った手のひらを湿らせるだけで
つたうものぬぐいもせず
鳥よ、名も知らぬ猛禽よ
あいつの ....
君と
君の子供と
駝鳥牧場に卵を買いに行く
大きな鳥に
君も
君の子供もはしゃいで
{ルビ接写=マクロ}切り忘れて
携帯で駝鳥と撮った写真は
すべてがぼやけて
僕らの風景 ....
抱きしめると
あなたが
ガラス玉の寄せ細工に
思え
はじけ飛ぶ
その寸前を確かめたくて
そっとぎゅっと
力を入れる
と、
あなたは
小さな咳をするので
腕をゆるめて
顔 ....
湿気ばかり多くて
気温が上がらない夜は虫なんかの
季節を送る歌など気にせずに
眠ってしまえばいい
閉じた瞼の裏が
奇妙な色に透けるのはまだ生きている
証だと思えるのなら
眠ってしまえ ....
バーボンだ、もっと
バーボンを焚け
今日 なにを焦がそう
もう 骨しか残っちゃいない
それでも
小さな炎で
じりっと炙れば
ピシ ピシと
春の芽吹きの ....
忍者のように
美しく
妖しい
魔を呼んではいけない
呪いの言葉で
欲しかったのは、技じゃない
求めたのはその先にある
{ルビ術=すべ}
彼方で
....
飛砂を焼こうと
たどり着く海岸で
瞼を閉じたときに
ひらく{ルビ瞳=アイリス}
あかいのは
すべてが染まる音で
あなたとの間には
愛以外のなにかが潜んでいた
....
沈んだまま明日のこない
深海に揺れる一群れの
長い、深い闇
地縛された肉体の
閉じる奥の扉
なにかのなまえで封じられ
こたえを閉じこめ ....
春に降る雨で
体のかたすみが
ざりざりです
暗闇に体を置いて
ぬくもりだけに委ねれば
心の対流で
とりもどす
ほんとうのすがたで
触れようと指を伸ばすと ....
手帳の中で森は
もう少しだけ明るかったろうと
右手の温もりを
むせかえる羊歯の
暗闇からたぐってみる
いつか満たされると思い
満たされたがっていた
月が
ま ....
舗装された道の
ペイントされた、とまれ
踏みつけられた骨の色の
見上げる季節の樹香
舞い散ってへばりつく
美しいという名の死骸
立ち上がれない
ペイントされた、とまれ
月が ....
桜土手通りの
ほんとうの季節
夜、春香を写しとる水面に
ひとの本性があばかれる
だから秘密は
誰にも知られないように
星の遠めがねを峠に据えて
のぞき見る未来への深淵
みんななぜか震えていたね
体温を奪ったのは
外套をはためかせて
丘を吹き昇る風ではなかったんだ
風のゆくえを仰ぎ見る先に
透明に ....
銀猫さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(281)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
初夏の断層
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-6-21
星を、かぞえてはいけない
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-6-13
駅・近鉄奈良_〜猿沢あたり
-
たりぽん ...
自由詩
9*
06-6-10
吊り橋を渡る、僕は帰らない
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-6-4
邂逅(或いはエフィメラ)
-
たりぽん ...
自由詩
10*
06-6-3
流砂、風ではなく波に
-
たりぽん ...
自由詩
10
06-5-30
矢文、我に放て
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-5-29
第一次発掘報告の未発表草稿
-
たりぽん ...
未詩・独白
8*
06-5-27
星よ、ほしよ
-
たりぽん ...
自由詩
13
06-5-25
おまえらでできている!
-
たりぽん ...
自由詩
7*
06-5-25
使者とは呼ばない、鳩よ
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-5-22
波にむかう足跡、僕のものではなく
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-5-16
湿った夜の回折格子
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-5-13
無題___(本を捨て風を追え)
-
たりぽん ...
自由詩
11*
06-5-12
四ツ手網
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
6*
06-5-11
埠頭・小さな決意の
-
たりぽん ...
自由詩
9+*
06-5-7
蛙の日
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-5-7
鳥瞰図、私の胸に
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-5-5
駝鳥牧場に卵を買いに行く
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-5-4
臨界点
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-5-3
眠ってしまえばいい_(_2006_)
-
たりぽん ...
自由詩
10*
06-5-2
蛍よ、焦がれては
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-4-28
技術という方法
-
たりぽん ...
未詩・独白
8*
06-4-27
外燃するわたし
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-4-23
封印
-
たりぽん ...
自由詩
12
06-4-20
雨、あばかれる黄砂に
-
たりぽん ...
自由詩
13
06-4-15
プテラスピス
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-4-13
踏みつけてふりあおぐ、春
-
たりぽん ...
自由詩
16*
06-4-11
春の本性
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
11*
06-4-11
夜空の微熱
-
たりぽん ...
自由詩
11*
06-4-8
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する