母と云ふ字は嫌ひ苺も嫌ひ
忘れな君いまここにあるこの菫
オランダの苺囓れば昼間の月
たそがれに水星の見え{ルビ土筆=つくし}生え
春枕翼を持たぬ鳥が飛ぶ ....
騙されたくて朧月夜を散歩する
踏まれて香る芽紫蘇の死
液体化するわたし 麗らかで
春眠の教室窓から光こぼれる
米が汗をかいている
汗のようにおちる言葉
....
ねまきのまま街をあるいて
みずしらずのひとにじっとみられた
さみしくてふるえだしたからだは
じぶんで抱きしめた
よそゆきじゃなきゃだめなのに
うまく笑えなくて
お化粧もしなきゃだめ ....
お言葉に甘えて
詩なんてもの書いてるのがなんとなく嫌なになって
そのまえに
詩なんてだいそれたもの
書けなくて眺めてるだけで
詩らしいものにも
めぐり合わない
自分の位置確かめて
リア ....
キミを大切に思いたいはずなのに
自分の我侭ばかり言ってしまう
気付いているのに直せなくて
そんな自分が大嫌いで
いつの頃からだろう
こんなに歪んだ心を抱いたのは
怒りを堪えようとするけ ....
いつも彼の瞳の端ばかりに存在していた自分
ひとりよがり、とか
ひとりぼっち、とか
わたしなんか、とか
そんな言葉ばかり心は発していた。
将来的には、とか
憶測ではあ ....
せせらぎに、眼は吸い寄せられ
覗きこめば
透明が、流れの奥行きへと手招く。
身を浸すと
視界のさきに、青磁いろの無音がひろがり
ありえない深さが
いくつもの巨岩を抱えていた。
{ルビ水= ....
昔キミは
虹の向こうに行けば
死んだ人に逢えると
幼い私に教えてくれた
ねぇ この虹の向こ ....
もう着古した服みたい
わたしのからだ
アイロンかけたり
クリーニングに出したりして
どうにか綻びを繕って
お出かけに着ていくの
どこへ行くにも
着ていくの
サプリメント
ダイエット
....
目の前をころころ転がるあきかんを
なんの気もなしに蹴っ飛ばす
高く高く飛び上がったあきかんは
太陽に照らされてまぶしく光る
夏のにおいのするあきかんは
冷たい飲み物が入っ ....
考えてみたら・・・オレオレ率と吟醸度は相反するものなのかもしれず、オレオレ率と吟醸度をともに低くするなんてすごく難しいんではないか。実作者はオレオレ率がひじょーに高くてもかまわないと思うし、逆に純読者 ....
スキップをしようよ
息が詰まりそうになるときなら
何故かあの歌があたまから離れないんだ
取り巻いてみようよ
風が吹かない岬に立つなら
ねずみ色のくちばしをこっちへ向ける前にさ
あなたは、元 ....
まるい月がきれいで
銀のスプーンに いっぱい
きらきらと
甘い匂いが広がる、夜
ブルーベリー色の空を
すくうフリをして
トーストに 魔法をかけてた
....
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で
私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で
果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
俳句とは、基本的に5・7・5の17音からなり、
季語が入らなければならない。
と、たしか学校で教わりました。
が、現代詩フォーラムの投稿作品を見ていると、
季語の入ってない俳句が多いのに、 ....
それはすてきな
なつのそらを
かついでかえったのに
いない
なつくさのみどり
たっぷりと
しみこませたのに
いない
さっきとったトマト
しおかけて
きゅーっとうまいのに
....
あたしの背中を
汚して飛び去った
アゲハ蝶
全て濡らして
アゲハ蝶と
あたしの顔を見て笑う
あなた
あたしの胸に
未だに止まっているアゲハ蝶
夏の日差しがあたしを照りつける ....
力をふるうもの
草に狂うもの
ふたたび来る雨に吼えるもの
一片の永遠に触れ
燃えあがるもの
背中に降りる手を感じ
泣きながら目覚め
羽の失いことを知り
ふたたびね ....
深夜二人で食べるさくらんぼ
みずみずしく甘い木の実は情熱の赤
とろりとした思いを胸に
黙ったまま次々口へ運ぶ
一箱分のさくらんぼ全部
積み上げられた種と茎は 明日庭へ埋める
膝 ....
咲いた 咲いた お花が咲いた
心の中に お花が咲いた
赤 青 黄色と
どんどん咲いて
頭の中まで花畑!
あんまり毎日咲かれても
さすがに見飽きて・・どうしよう
枯らす? 枯らす? ....
階段を下りる。
アスファルトに足がつく。硬い振動が頭の先まで震える。
暑すぎる夜の熱は、ビルの内側から吐き出されたため息に違いない。
スウェードの香がする。
呼吸を繰り返す街。ライトアップされ ....
レモン水一口飲んでいる間に
地球が生まれ
消えていきました
桜がとてもきれいだったので
あなたに伝言を残そうと思いました
ひとつの恋が終わって
もう二度と連絡が来ないように
メールアドレスを変えてみた
もう二度と見苦しい真似をしないようにという
前進の一歩なのか
はたまた
もう二度と向き合いたくな ....
ノイズが木霊する吹き抜けの真ん中で煙草から白い筋をくゆらせながら見上げるガラス越しのエレベーターが脳にエロチック
システマチックな上下運動に引きずられるように動くケーブルに繋がれた密室
機械仕 ....
世界で一番好きな者同志が結ばれる。
それが一番幸せなことなのだと思うけど
なかなかそういうのも難しい。
思いがあちこちさまよって
行き場をなくしている。
誰が一番だなんて決められない ....
世の中に愛の歌は溢れてるけど
最近気づいたんだ
どんな歌をうたっても
私が歌いたい愛とは違うってことにさ
どんなに声を張り上げても
どんなに思いを懸けても
私の心はこれじゃ届かない
....
マリブでは
雲をぬけたあと
大きな目をパチクリした
青空が見える
さよなら
昨日の恋人
黒髪腰の位置
のれんをくぐるのは楽しかったよ
雨降ってまだ婚期も来ないって
パンティす ....
コーヒー色の喫茶店。
君の前には僕がいて、
今が幸せならばそれでいい。
僕がそっと笑うだけ、
君の顔も幸せいっぱい。
キャラメル色の夢の中。
モカにクリ ....
私たちは願うもの
どうか
あの想いは河へ流し
この身体は海へ流してください
木々は私を抱いて眠るけど
私は安らかになど眠れない
木々の声が鼓動が煩すぎる
大地は叫ぶ
ただあの空に想 ....
{引用= はじめに断っておきますが、これはオリジナルではありません。
格闘家の前田日明さんが語った少年時代のエピソードがあまりにも
いい話だったので、詩にさせてもらいました。
もちろん、ご ....
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