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空が
屋根の近くまで来て
おめでとう と言う
握手しようとしたら
消えてしまった
みんな
消えてしまった
どこまでも誰もいない
ぬれた灰色の道に
どこまでも空が落ちてくる
凛とした声が触れにくる
雨を歩むものの頬に
触れにくる
夜がひらく
さらに奥の夜をひらく ....
囚われの鳥が
水をほしがる
何羽もほしがり
雨になる
木守りのひとつ実
夜を見る
すそから濡れる
夜を見る
一瞬のつながりのかたちから
道の灯りの ....
灰空の下に立つ
くすんだ緑の家
不吉な青空から逃れて
独り 雨を見る
紫の夜の光
顔に映る枝の影
冬の空を埋める十字架
次々と手から落ちる絵図
....
力をふるうもの
草に狂うもの
ふたたび来る雨に吼えるもの
一片の永遠に触れ
燃えあがるもの
背中に降りる手を感じ
泣きながら目覚め
羽の失いことを知り
ふたたびね ....