すべてのおすすめ
「いつか見た 景色のよう」と うそをつく
桜の前には 恋の墓標を
願わくば 桜の下にて 恋、捨てる
カケラも残すな 春の嵐に
祖母の眼に 桜 ....
毒林檎 食んで死にたい 口付けで君が生かしてくれるというなら
十六を告げる鐘の音 くれるなら糸紡ぎ針と深い眠りを
美しい声もたゆたう髪も捨て 死ぬまで叫ぶ王子への恋
薄き壁声ひそめるや我が城に珍客はきみ共同生活
壁隔て他人の君と同棲中 されど“汝の隣人愛せよ”
徒雲の凍てつく我が身憂ふのみ駅のホームに音もなし
ワンルーム ....
春なんて要らぬと言われ白梅は ごめんごめんと俯いている
抱き合った十分に降る春雨は思い出に似てぬるくやさしい
言葉などなくて伝わる僕たちはいつものように別れる別れ
軋むほど力をこ ....
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り
透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢
あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
とんがったボトルに小さな君ねむる ベビードールに打ちあけた、なにを?
約束をしたのよ彼と桃の花咲いたらたがいに傷見せましょうと
スギ花粉とんでるよほらマスクして、子猫うなじにく ....
美しい赤ん坊のこぶしには滅びの言葉握られていた
怖い雨、怖い光を浴びまくり僕らは汚い名前をもらう
眩しくて見えない僕らの遺伝子に刻み込まれる悲しい記憶
誓い合う幼い僕たち ....
雪だるまの背中に続く足跡に「おうちに帰ろう」白猫が鳴く
去る音がしんしんと行く雪道のはなせない手のさすらう体温
欠けていく月に答えを見失う車窓にゆれる横顔抱いて
午前三時 ....
ケータイの震えをピッと指で止め、いつもの声にからだ温もる
「何してた?」「月を見ていた」五百キロ離れた二人を結ぶ光を
電話だと君の声が近すぎて星座をつなぐ孤独に気づく
....
何事も神の如くの一言の「残念ですね」君立ち去りぬ
見せ掛けの愛の言葉を吐き出して煙草の煙が凍りつく夜
胎内の命いとおし幸せな君らの目方は51?
手に余るサイズとなった乳房に戸惑いながら自慢する君
母となるその日にそなえ髪を切る君はしっかりたらちねの母
息絶えてセキセイインコは止まり木を滑り落ちたりかそけき音で
遊ぶことお喋りすること謡うこと好きなだけせよ次のいのちで
空の籠を片付けている 傍らに軽ろき羽毛が風に吹かるる
古里の小高き丘の菩提寺に
雪をかむりて立ちあらむ
{ルビ墓石=いし}に刻まれし名のありて
生きた証の名のありて
香華の絶ゆるなかれとぞ
過ぎし時をぞ思いたり
....
饒舌な彼女の隣りで頬に手を当てて頷く 君に恋した
ティーカップの淵をクルクル撫でている細き指先 俺は恋した
「ぽっちゃりとした唇がきらいなの」尖らす唇 君に恋した
「ばかみたい」そっ ....
狙撃位置確保完了身じろぎもせずに潜めりTフォーメーション(待ち伏せの隊形)
「ファイヤー」と静かに囁く この指があまたの命を奪う指先
「エィメン」と{ルビ死体袋=グリーンバッグ}に投げかけ ....
飛び出した十一名に爆風を叩きつけつつジャイロ飛び立つ
「ベトナムの借りは返す」と白き歯をむき出す片目の黒きサージャン
初めての実戦を終え嘔吐する殺人者 殺人者我の代償
我もまた死して ....
人生を白か黒かで割り切つた十九の肩に散る花はなし
旅立ちに泣く人もなく大空を舞う飛行機を見つめおりたり
太陽に向かひて飛行する期待 半周を経てコスタリカに立つ
冗談のやうに支給のグロ ....
樹木鳴らし吹き抜けてゆく狂風に深夜目覚めるいまさらの孤独
海鳴りのとどろ聴へり魂を貫く声に窓開け放つ
畏みて畏みてなお願わくば我が生涯に苦難与へよ
ひとひとり生れ出でたる悲しみの叫び ....
マイク投げ ガッツポーズに 毒舌も ヘアケアポスター 可愛い素顔
二週間経った卵を食べていた 過去事もなげ 人気司会者
芸人の 真似はずしてる 合コンで 笑いで口説く コツほのめかす
....
擦り切れたブランケットを放せない子供みたいね 君依存症
ねぇわたし、あの娘がしているマフラーが欲しいの。はやく盗ってちょうだい
陽だまりのように私をなだめてよ パールなんか ....
窓を打つみぞれの音の冷たきに孤独はやはり嫌いと思う
哀しきは居らぬ人へのうらみごと聞かせし空の雲行き怪し
夏の夜に火を点けられし導火線人目を忍び寒空に燃ゆ
{ ....
木漏れ日がもしも零れて落ちたなら
享けとめるためまつ毛をカール
ハリウッドの女優気分で歩こうか秋色緋色の絨毯の上
空高く群れる羊を追いかけて風の尻尾を捕ま ....
手が二つ入る背広のポケットに 父は誰をや隠したりけん
夜泣きする猫抱き上げて窮屈に 慰められず謝罪する父
台所一人立ちたる母 一人湯飲みの口を無心で洗う
秋ですね 松茸入りのお吸い物
金木犀が優しく香る
彼岸華 ほっこりまるい 朱い華
きっとその身に たましい抱いて
雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ
画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか
欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡
....
我ひとり凛と咲きたるケイトウの立ち姿に見る揺るぎなき赤
夕焼けを映して林檎の色づいて食むる乙女の頬にうす紅
ひそやかな紅き花よと見惚れたる君のまなざし吾もまた乞う
い ....
ラジオから 母の青春 恋の歌
流行(ハヤリ)は無縁 かなしい恋は
「なつかしい」 「子供が言うな そんなコト」
そろそろ似合う? いつかの夕暮れ
....
リードギター 弦を歯で切る 指で切る ベースも真似して 切れずに泣いた
おまいらの 心の琴線に 触れるだとぉ 冗談じゃねー ぶち切ってやる
たましーが あればなんでも ロックだ ....
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