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紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある
何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道
道すがら挨拶をかわした人々
....
中学校の図書室で
詩の書き方という 本をひろげた
文芸部に入りたてで
それなりに 真面目だった
そこで 出会ったのが
高村光太郎様作 火星がでている である
ひと読み惚れという言葉 ....
ただ手を暖めるためだけに
両手を 握られて
この人が救急隊員でなかったら
ありえない事に
じっと まかせた
仕事と言ってしまえば
それまでで
人としての思いやりが仕事
でも
そこ ....
天気予報の通りに 雨
今の季節は しょうがない
手首と 喉元に 水が
少しでも 沁み込まないように
タオルと 手差しを 巻き
雨合羽を 着込む
六尺のはしごが 私には 調度いい
....
流しのはじっこで
トマトにかぶりつく
切って 盛り付ける前
誰もみてない 朝
どっからくるんだろう
この 破りたい
悲しみは
形よく そろえて
行儀よく いただいて
終わ ....
たとえ明日は裏切ろうとも
たとえ明日は 裏切ろうとも
きょうは 裏切りはしない
さあ わたしの生ま爪を剥ぎとるがいい
だが きょうは 裏切りはしない
わたしの勇気のほ ....
いかつい アスファルトに
息のように 降り続けていた
電柱の 灯
夜の空に おしかえされた
雨に 流されている
かきん と ついてる
ガラス の 冷たさ
なじまない ....
街の上で
朝を 投げている
小さな 丸い 飛沫が
きらきら ころがりながら
あふれかえる
夜よ
よき 友人よ
くりひろげられる
問いの多くを 吸い取り
泣きな ....
なんで ひとりでこなかったんですか
と 会社の玄関からでてきた 年上の男性に
詰め寄ったのは 十八の頃
告白しようと やっとかけた電話で
呼び出して 出かけた友達が
相手は 友人と一 ....
はじめて詩を読んだ時
若くて とてもかわいいと思った
しかし しだいに冴え
凍るような苦痛 けど
美しさをまして
貴女は 詩を うとんじていた
悲痛な思いを記す事を 嫌悪し ....
おちた マッチは
灰の中
棒 の方から
くろく さけ
もやされ
火薬が ほころぶのを
みない うちに はて
おしまいに
オレンジ色が ほとばしる
灰の中
うたう ....
さかさまつげ と診断され
父に手をつないでもらって
眼科に通って いた頃
診察してくださった先生は
遠くをみつめなさい と言った
遠くの山の緑 遠くの景色を
とても 眼にいいか ....
そら に わ
ゆび で かいて
わたし の へや
すっかり ながれて
みえなくなる けど
ずっと かお あげて
そこへ きっと
すわって
そよいで
ながれて ....
なんで 私が
あなたの詩が好きかっていうと
ソウルフル だからだよ
どんな アプローチでも 言葉も形
完璧じゃない
音や みてくれから くるものが
ほっとけない感じなんだ
....