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さっき心に浮かんだ言葉は
すぐに消滅してしまった
書き留められなかったその言葉は
次はいつ出現するだろう
そんなことは無数にあって
捕まえられなかった言葉が
ひらひらと不規則に飛んで
こ ....
水色ではない水の色
透明ではない透明の色
その透明の色彩で
僕の傷を塗りつぶした
傷ではない傷の色
触れようと無数の手がのびてくる
遊牧民時代の血が
僕に色の螺旋を埋め込んでいた
透明 ....
ひと夏の夜
家族に背を向け
庭に咲いた月下美人を
見つめていた父
そんなこともあった
今ではどんなことだって
苦笑いくらいはできる
寂しい時ほど
思い出すのは後ろ姿
振り返っても
もう元には戻れない
歩いてきた道
歩き方が悪かったのか
いつの間にか獣道
足を引きずるようにして
闇雲に進んでいる
ふいに現れた道に
躓いてしまう
Y字路の ....