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 探り吹き

小さな羽根飾りが付いた
中折れ帽子のヒデキさんは
ハーモニカ歴六十年だ

楽譜は読まずにメロディーを
口で探って覚えていくから
僕は探り吹きだ、と言って笑う

特別養 ....
雪道に残された足跡

自分がどこへ向かうのか
どのみち決まっていなかったから
足跡をたどって歩いた

同じ場所でとどまたった跡
ところどころ曲がった跡
どうしてもまっすぐになれない ....
雪が舞っている
街の電飾に輝き 

通りの向こうから駆けてくる
子供は身を躍らせ

向かいのコンビニで手を振る
老婆の萎びた顔が切なくて

手のひらに収めた雪を投げ入れる
白い空間 ....
 明日

空は雪と一緒に

枝は小さな蕾と一緒に

冬の指は
いつかの冬の指と一緒に

夜明けを待っている

 
 ピアノ

女の子が帰ったあとは必ず
ピアノの蓋が開いて ....
元旦。白い息。噛み砕く雲。
レコード台の上で回るレコードを
いつか止まるメリーゴーランドのように
うっとりと眺めていた午後に降り積もる
粉雪のダンスを君と見ていた気がする。
青空が広がり
底無しの彼方が口を開く

眩暈する、
シンギュラリティが地平に

(ああ、右手の老婆と左手の子供
ハンドルをどちらかに切らなければならないとしたら?)

海百合が揺れ
 ....
福島県の郡山市に
「青い窓」という児童詩誌がある
半世紀を超えて続く誌面には
児童の純粋な想いと願いがある
僕らも子どもの頃
青い窓から空を見上げていた

詩は創作の核であり
それに足 ....
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた

何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だ ....
 まぼろし


まるい
地球の影におおわれ
冬を
むかえた空から
宇宙がよく見えた
黒い雲のすき間から
着陸灯をかかえた旅客機が
旋回しながら
渡り鳥を
一羽
また一 ....
波が追いかける
そして逃げていく

一泊二日の温泉旅行

ひな鳥みたいにくっついて
足あとは私たちだけ

誰もいないね
雪でよかったね

今終われたら幸せなのにね


 ....
凪の果ての
遠浅のアデンに垂れていた
ことばの鈎をゆわえた
誰かの想いの糸
深海の流れはつめたく速い
願望がのびきって
次つぎ崩れる
砂浜にうち上がることばたち
鮫の群れがねむるまで
 ....
 慌ただしくも慌ただしく
 やることが多すぎると
 なにから手をつけてよいやら
 まったくわからなくなります
 {ルビ=よんそう}四層フライヤーの前の
 ボクってば

 とりあえず竜田揚 ....
壁を叩いて何でも喋れ
と耳を当ててみたが

押入の二段目に上がって
寝そべってみたが

時計を裏返しにして
息を吹きかけてみたが

鍵括弧の付いている
ここだけの話だらけが

 ....
物はかたちに応じてもちうべし人も同様なり

魂魄は困難を内包している
詩人は血を吐かない程度の筆圧で

如才のない道化師は盛り上がりの
緩急などばかり考えているが

誰にも優しくなれな ....
二〇一八年十二月一日 「詩」


 若いときに書いたものを、文学極道の詩投稿掲示板に投稿した。30代だったろうか。はてさて40代か。ぼくは、自分のすべての作品を一つのストーリーにまとめよ ....
 母といたことも夢なり赤万両


 厳寒に背中丸めた赤万両


 眼鏡かけ毛帽子かぶった雪だるま
クリスマスという
言葉に慣れているけれど
ノエルという言葉の響きが好き

街中のイルミネーション
取り付けが急ピッチで進んだ

子供の頃
家族全員で楽しんだ夜
それは今も続いている
 ....
存在の孤独が
冷たく露わになるこの夕べ
雨滴は石を穿ち
震える胸奥を
抉るように流れ落ちる

ぽっかり深淵が口を開く
ぽっかり深淵が口を開く

遠くふるさとの汽笛が響き

わたし ....
ただの妄想かもだけど
その人が側にいる
私が猛るとき
ツマラナイカラヤメロとつぶやく
私が震えるとき
コワガラナクテモイイとささやく
本当にひどいときには
後ろを向いてもう見ない
私が ....
君の家の
玄関にあるもの
赤いポスト
白い雪だるま

さよならを言いに来た
僕の右手を添えた
木の枝に手紙

インクが滲んだら
涙みたいに見えるから
君ならその景色で
僕を浮か ....
いつのことだろう
サンタさんは
本当はいないと聞いたのは

誰だったんだろう
鬼なんて
作り話だと教わったのは

どこでだっただろう
天使というのは
夢想だと否定されたのは……
 ....
いても立ってもいられず
つい手を伸ばしてしまった

どうにも堪えきれず
我が物にしてしまった

ただ本能に従った
それだけなのに
自分は悪人なのか

公衆の面前で
罰せられる存在 ....
手のひらにすっぽり
おさまった石
しばらく握りしめていた
握るものがあるだけで
力をぐっと込められた

あなたに渡すと
温かいと言う
返してもらうと
たしかに温かい

わたしの手 ....
冬晴れの
光あふれる
居間にいて
母の背中と
光をわける




{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
月までの
長い階段を
上ってる
永遠みたいな
道のり

階段端で
休んでいると
月側から下りてきた
子供が隣に座る

何も言わずに
じっと私を見てる

腕時計を外して
 ....
二〇一八年十一月一日 「現実」


 現実はきびしいね。だけど、がんばろう。がんばる仲間がいれば、だいじょうぶ。


二〇一八年十一月二日 「考察」


ぼくというものを媒体として、 ....
かまぼこのカーブはいつまで美しいだろうか

遠くに霞んでいるトンネルの入り口
小雨が降りはじめ暗い匂いがする 
黒く濡れた何かが静かに入ってくる

そんな車からさっと降りた
姉さんは真っ ....
浅瀬で溺れるわたしたちが
いつか 深く
息をできるように
重いぬかるみを這ってさ
乾いて 乾いて
流した涙が
日々を伝い 夢を伝い
川になったとき
この体がいるのは
優しい  ....
遺伝子の乗り物である僕たちは
摂理の維持装置としての個体を
あたえられたのかもしれない

数学は世界を解析する不思議な詩
物理学者はたぶんときどき詩人

純粋哲学あるいは応用哲学
でも ....
夜の廊下に
落ちている声
踏まずに歩けば
聞こえくる声


思い出せない
幸せな音
思い出せないまま
そこに在る


遠のく雷 遠のく虹
遠のく空 空
営み ....
TwoRiversさんの自由詩おすすめリスト(892)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
探り吹き- 壮佑自由詩10*22-1-9
足跡- 若林はじ ...自由詩722-1-8
雪は静かに降り積もる- ひだかた ...自由詩922-1-6
冬の気圧配置は次第に緩むでしょう- そらの珊 ...自由詩12*22-1-5
メリーゴーランド- 杏っ子自由詩322-1-1
謹賀新年、おめでとう(一つの見取り図)- ひだかた ...自由詩9*22-1-1
青い窓から見えた雲- イオン自由詩3*22-1-1
星_座- 塔野夏子自由詩18*22-1-1
まぼろし- soft_machine自由詩3*21-12-31
end- mizunomadoka自由詩421-12-30
遠浅- soft_machine自由詩6*21-12-29
火傷の腕で- 平瀬たか ...自由詩5*21-12-29
ここだけの話- 宣井龍人自由詩10*21-12-29
宇宙飛行士のうた- 梅昆布茶自由詩14*21-12-28
詩の日めくり_二〇一八年十二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-12-27
_- 黒木節子自由詩5*21-12-26
ノエル- 夏川ゆう自由詩921-12-24
名無し人- ひだかた ...自由詩821-12-24
デクノボー- やまうち ...自由詩421-12-23
雪だるま- ミナト ...自由詩121-12-22
実_在- YEWJI 自由詩1*21-12-22
花盗びと- YEWJI 自由詩1*21-12-22
手のひらの石- 木屋 亞 ...自由詩4*21-12-21
※五行歌- こしごえ自由詩2*21-12-21
panorama- mizunomadoka自由詩1521-12-20
詩の日めくり_二〇一八年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*21-12-20
運動_それから- ふるる自由詩1021-12-18
青空- はるな自由詩721-12-17
遺伝子のうた- 梅昆布茶自由詩1421-12-16
遊迷樹- 木立 悟自由詩621-12-13

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