目覚めたとき真っ先に教えてもらったのは
上手にこころを売る方法だった
胸を開いて痛くないようにするりと指を滑らせる
脈動する網目の管を感情といい
抜け落ちた粘液を理性だと聞いた気がする
....
透けたドレスの色素胞が 破れだすドレスの模様を引きずり
駆け降りた階段のうえの影の
柔らかな滞在
終わりの星座の再来が まだその長裾の延長にまどろめる夜を 担える優しい足跡の腹面 ....
暗闇に漂う一本の手首のことを考える
指はすべて揃っていて
爪には土と苔がこびりついている
どこか山蜘蛛のようでもあり
それは実際に一匹の生きた蜘蛛である
探しても、探しても見つからない、私たちの家。
妻と私は数年前、偶然にもほぼ同じ時期に、生まれ育った家を失った。
それは震災のためでもなく、津波に流されたわけでもなく、人知れず静 ....
それってクセなの?
来週も同じことしたらちょっとだけ許さないから
何度聞いても頭に入らない言葉がある
例えば
ペンナカッタ
何度聞いても頭に入らないのだから
恐らく間違っていると思う
ピンナケッタかも知れないし
ポンニヘッタかも知れない
ともすると、プ ....
この世界はとても窮屈で
両手を広げると色々な物に触れてしまう
人や建物や空気
私は何も触れる事のない世界で
眠りたい
命のないものに補償があって
生きてる私達には何の保証も無いなんて
もし私が壊れたらどうするのよ
隣のおじさんが郵便配達員に怒鳴っている
たばこ屋の猫は浮気性だと思う
趣味の悪いステッカーがたくさん貼ってあるギターケース
コンビニの段差でアゴを擦った車
大きな問題と中くらいの問題を抱え ....
池の彫像が凍り
ダイアモンドの降る夜
人々は平等に薔薇を持ち
生と死にかわり
玄関前に立っている
その問いに
正しく答えることはできない
そのまま立ち去ることも
できない
....
するとあいつがあのときと
なんのかわりもない
○○○○○の○○○だと
やっぱり
誰かが困っている時でも
音楽家は歌を歌うしかない
芸術家は絵を描くしかない
報道陣は報道するしかない
消防士は火を消すしかない
医者は医療行為をするしかない
科学者は頭で考えるしかない ....
テマー靆、フハャホ
タミアコソタシメ > ニ・ネソタシメ(カ篦・ヤヘーヌネ)
ニ・ネソタシメ(カ篦・ヤヘーヌネ) > フ・トソタシメ(シ?ァサヤソタクヘトョニ?)
フ・トソタシ ....
幽霊が
月に生まれて
ロケットの
斜めの影に
そっと寄り添う
夏が終わるまでずっと
サンターナ川で泳いだよね
毎日一緒に遊んでたのに
分かれ道になるといつもさみしくて
オレンジの木の下で意味のない話ばかりしてごめんね
ねえ、憶えてる?
夜中に ....
かつていなかったはずだよ。
君ほどのペペロンチーノは
かつていなかったはずだよ。
確かに君はパスタに過ぎぬ。
君はただのデュラム小麦だ。
しかし、そんな君の出自が
気にもならなくなる ....
僕はサバンナの中心で死にたいと思った。それはサバンナの中心ならば、よく分からない生き物にモサモサと食べてもらえると考えた末、至った結論だ。
けれど、わざわざ、そんなことをしなくても良いんだという ....
葦を
くわえている
(目と 鼻とを とじて)
水が圧す
身じろぎせずに 黙っている
(黙っている)
指を
動かす
日が
つかめそうな気がするから
(本当にそんな気がする ....
{引用=
,yagate
{ルビ微 ....
「現代詩フォーラム」の出現はある意味相当な事件であった、と思う。それは単に新しい詩の場を提供したのではない。新しい「質」の詩の場を提供したのだ。既に言及されているのかどうか私は寡聞にして知らないが、「 ....
お前が犯ったんじゃないのか。
犯行時刻の午前3時45分頃、
どこで何をしていた?
何、ここ以外のどこかだと。
そんなものがアリバイになると思っているのか。
犯ったんじゃないのか。
お前 ....
今入ってきたニュースです。
秩序通り沿いの無秩序公園で
新種の偽善が発見されました。
傍目からは善にしか見えないとのことですが、
パトロール中の価値観が職務質問したところ
逃走したので捕捉し ....
間もなく思想がまいります。
危険ですので
足元、黄色い線の内側に
心してお下がりください。
どちらが内側で
どちらが外側なのかの判断はお任せします。
ともかく黄色い線の内側に
心して ....
音n
差 の
失 効 す
....
その中に夜が入りこんで 機械は夢見た
星空が広がって ひと粒食べるとお菓子の味がして
動物たちのまぼろしが 黒い草原を駆けていった
るりいろ るりいろした オルゴォル
鳴らして ....
太陽のしずく
果てしない海
{引用=
港では妻が夫の帰りを待ちわびていた。
妻は夫のために編んでいる、縄模様の
セータ ....
はじまりのない海は、飽くことなく月光を滅ぼし続けた。海の窓はいつでも閉ざされていて、裂き傷のようなものが表面をいろどるだけだ。海の上では乾いた街の幻影が旋転していて、槍のような水柱を呼ぶ。街は律動する ....
昨日、うちに迷い込んだ、
丸い目をした子猫が
夜の空の右側と
夜の空の左側を
不思議そうに交互に眺めていました。
空は相変わらず広いから
多少のものは描くことができ ....
る
ぞや
のにみいに
のちそにゆ
なくもまい
やぞくいいゆ
がらたみつや
よさぎすおや
いらかりずん
ぬされえろん
そくも わかかざ
みくと とれかざ
からも をど ....
プルプルプルプル プルプルプルプル
ガチャッ
「もしもし」
(今晩は。無言電話です。無言の電話です。)
「もしもし?」
(今晩は。無言電話です。無言の電話です。)
「・・・もし ....
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