プルプルプルプル　プルプルプルプル
ガチャッ

「もしもし」
（今晩は。無言電話です。無言の電話です。）

「もしもし？」
（今晩は。無言電話です。無言の電話です。）

「・・・もしもし？」
（今晩は。無言電話です。無言の電話です。）

プツン
ツー　ツー　ツー　ツー　ツー　ツー　ツー　ツー

　君んちにも無言電話が来るだろう？
　それ、大体私なんだ。
　困ってるの？
　困ってるんなら留守電にして。
　饒舌なメッセージ残してやるから。

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自己紹介に変えて。そしてまた自己紹介。

今晩は無言電話です。テレホンアポインターに憧れます。
誰にでも聞こえる言葉は出来れば言いたくないんです。

でもね、努力もしたのよ。
甘い言葉を吐こうと虫歯にもなったし。
見えないあなたに見えるよう笑顔の練習。
だから、洗面所の鏡なんて笑う残像だらけなの。

無言の愛人に本気で惚れた私は、
無言の愛人を毎晩抱いている。もちろん無言で。

そういうプレイと言ってしまえば、
ま、それまでなんだけどね。