夢見る機械
今唯ケンタロウ

その中に夜が入りこんで 機械は夢見た
星空が広がって ひと粒食べるとお菓子の味がして
動物たちのまぼろしが 黒い草原を駆けていった

   るりいろ るりいろした オルゴォル
   鳴らしていて ずっと……
   るるる…… るる……
   鳴らしていて とめないで
   るる るりいろオルゴォル

   物語は箱の中で

夜は四方にしみわたり 機械は心地よさに 泣いた

機械は宇宙を夢見た 機械は生命を夢見た

動物たちのまぼろしが えんえんと果てをめざした

   るりいろ るりいろオルゴォル
   狂わせていて やめないで!
   るる……… ……る

夜が死んだ
夢が流れ出した
動物たちのまぼろしが 永遠に丘の上で影絵になった

   物語は 箱の中でした







自由詩 夢見る機械 Copyright 今唯ケンタロウ 2006-05-31 23:59:17
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