とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った

舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた

わたしにはまだ涙が残されている
流 ....
街灯の下で
佇んで
気づけば乾いた眩しさ
スマホを
みても
ボンヤリと
息をしてる
あっちへ行けって
開放感
が髪の毛の頑なな過去を
ほどいている
髪、乱している修羅場 ....
願い事は誰にも言わない。
君にも、君の耳の産毛にも。
暮れかかる
今日の光の煌めきを
一人立ち尽くし
見つめている

今日という
奇跡の余韻を浴びながら
〈明日はもう来ない〉と
貴女の呟く声がして

暮れかかる
今日の光の煌めきを
 ....
仲直りは明後日しよう。
明日じゃなくて、明後日しよう。
光が渦巻いていた
熱風が絶えず吹いていた
人々は絶えず歩き過ぎ
俺は串カツ屋の前で
アイスコーヒーを飲んでいた
とても苦い味がした
身体が熱く飢えていた
生きることに飢えていた

す ....
空があり風があり
時は世界樹をかけのぼって
あしたへとながれてゆく

だれかが小ちゃなブルースを
奏でているような気がしてでもそれは

ぼくの知らない紫の小花の群れだった

月への梯 ....
弱い負け続きの意思を晒して
なにをどうすれば最善と思う?
真っ青な嘘の太陽に近いのは
エアコンの効くワンルームのベッドで
あなたがいない鏡にうつる私。

呼べば応えてくれる大嘘や
あ ....
聞こえるはずの
ない声

感じるはずの
ない気配

帰るところのない
独りは
どんな気がする

固定される空気

空間は閉ざされ
時間はとどこおる

真夜中のキッ ....
ぼんやりとしている意識が
連日の猛暑に洗われて
とめどもなく広がっていくとき

病院の中庭で
熱風にかさこそ転がっていく枯葉よ
お前の姿が妙に懐かしいのは何故?

意識のヒューズがとん ....
ひとつ 齧れば夜が欠けて
林檎は白い肌さらし
屋烏に及ぶ口笛の哀しき音いろに
艶めいて 夜の香りを染めていく

ひとは哀しく身はひとつ

ひとつ 齧れば夜が ....
pc 持ってないし
使えないし

だから
詩はいつもスマートフォンで打ってる


たいがいは
家族が寝静まった深夜に
寝床で寝ながら打ってる

都合のいい事に
家族は誰も
詩 ....
とり忘れられ
赤々と熟れ過ぎた
トマトが、ふと
地に落ちひしゃげ
鴉が舞い降りた

赤い飛沫を舐めとるように嘴で何度も
つつき、カァァァァァァ、と鳴けども
人びとは潰れた野菜など気 ....
あ、

歌が聴こえる

ほら、よく聴いてごらん

なんだかとても寂しげな歌だねえ

あなたには歌ってほしくないなあ

もしもあなたがこの歌を歌うときは

僕は何をしているんだろ ....
硬く硬く冷たい顔
あらゆる解釈を拒絶して
のっぺらぼうの力に呑み込まれ
未知なる混沌へと己を開く

硬く硬く冷たい顔

ある日突然、
不意打ちの死がやって来て
生の細部をみるみる奪わ ....
あじさいは
梅雨の
花房

時の静謐に
心の寂寥
抱え込み

うっとり
薮に
踏み込めば

赤々と滴る
薔薇の花、
また薔薇の花

此処にも
季節の快楽
眩めき
 ....
てのひらに舞い降りた
やわらかなバケモノの息は冷たく

右腕に
重過ぎる
そのための花を抱えて
植物園の温室を目指すのは
そこが
恋愛の終焉だから

それを
好ましいと思ってしま ....
1 夏雨

梅雨の長雨にうたれていますのも
窓辺で黙って日々を記すものも
ガラス瓶の中で酒に浸かる青い果実も

皆んな夏でございます

あの雨のなか傘を忘れてかけてゆく
子ども、あ ....
小雨は
薄日を乗せて
銀の色

美しく
濡れて照り映えるのは
君のふくらはぎ

白く優しく季節に溶け

小雨は
薄日を乗せて
銀の色
夏の予感を
貪婪に膨らませ


 ....
雨が降ります
 草木濡らし
風が吹きます
 草木揺らし

)私はひねもすベッドのなか
)のっぺらぼうの死の幻覚に
)さ迷い目覚めてまたさ迷い

雨が降ります
 草木濡らし
風が吹 ....
まじょが
カレーの皿を割っている。

いつか出逢えるあなたを
この屋上で待ちながら
もう出ない声を絞り切り
歌う歌がある。

もし空を飛べたなら〜
あなたに会いに行きますよ〜
 ....
 
アブラムシの大発生に悩まされたのは去年のこと
気温の上昇とともに細菌のようにどこからともなく湧き出る奴らは先端近くの柔らかい茎や花芽や蕾に群がり食い荒らす
本で調べると薬剤を噴霧するよりもゴ ....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
寂しいと
口に出すのがくやしくて
ぜんぜん寂しくないふりをする


吹かれ堕ち
桜の花の無残たる
汚れた悲しみなんかが好きだし


憎みたい
人ならいっぱいいる夜に
憎むきもち ....
詩は言葉とは違う

詩はイメージの閃光
あるいは、
言葉に先立つ豊潤な沈黙(圧倒的な静けさ)
木霊する声の止めどもない湧出

そうして、
詩が言葉になるとき
詩は遥か彼方に遠去かって ....
そういえば七月を生きる私たちは
初秋のさみしさを忘れかけているのですね

そういえば七月を生きる私たちは
冬の木枯らしの冷たさも忘れかけているのですね

春夏秋冬
忘れた頃に暑さを思い出 ....
あるくとおく、流れ流れて
流されてきた弱さを恨むのか
水にとけた光に問いかけた
転倒した月日の果てしなさ

ただ勘違いしていただけだ

月日は数えるだけしかなく
切り売りして歩くお前な ....
しとしと
詩と死が降って来る
意味と響きの言葉の間(あわい)
貴女の声が木霊して
深い深い沈黙のなか
詩と死が現に孕まれる


)そのとき空が落ちてきて
)そのとき宇宙が爆発して
 ....
しゃがみ込み透明な水を掬いあげる

これくらいの仲がちょうどいい
と思える、この場所にながくいすぎた
不純物がひとみの中に入った
ズルい人になりそう

心の空を飛んでいる人たちで
いっ ....
照明の脆い洋食屋

「鮪のスペアリブと海老のステーキを……あとジントニックを」
「かしこまりました」

それで、わたしは待ちました

待っている間、色々なことを考えました
仕事を辞めて ....
la_feminite_nue(死に巫女)さんのおすすめリスト(378)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
とうもろこし- 印あかり自由詩819-8-10
神さまの背中- 秋葉竹自由詩1119-8-9
産毛- クーヘン自由詩3*19-8-8
夕景- ひだかた ...自由詩319-8-7
仲直り- クーヘン自由詩1*19-8-6
光の星- ひだかた ...自由詩12*19-8-5
8月のうた- 梅昆布茶自由詩1719-8-4
詩の弱さ- 立見春香自由詩619-8-4
まぼろし家族- シホ.N自由詩219-8-4
熱風(改訂)- ひだかた ...自由詩419-8-2
夜香- 帆場蔵人自由詩7*19-7-31
時間が- こたきひ ...自由詩419-7-23
夏の階に立ち- 帆場蔵人自由詩11*19-7-22
- 印あかり自由詩9*19-7-21
死顔- ひだかた ...自由詩419-7-20
季節の快楽- ひだかた ...自由詩919-7-20
バケモノ語り- 立見春香自由詩619-7-16
夏の記し(三編)- 帆場蔵人自由詩719-7-15
面会2_夏の予感- ひだかた ...自由詩719-7-14
日曜日の幻覚- ひだかた ...自由詩719-7-14
カレーの皿を割るおんな- 秋葉竹自由詩1119-7-14
毒の花たちは私の理想の庭で微笑む- Lucy自由詩9*19-7-12
そのとき世界は- ひだかた ...自由詩719-7-12
「寂しい」は、無視するに限るね- 秋葉竹短歌519-7-10
詩と言葉- ひだかた ...自由詩6*19-7-9
思秋期- あおいみ ...自由詩419-7-9
痛み- 帆場蔵人自由詩11*19-7-7
詩と死と- ひだかた ...自由詩6*19-7-2
何処へ- 立見春香自由詩919-6-28
今日という日は面白いのか- 印あかり自由詩7*19-6-27

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