何処へ
立見春香

しゃがみ込み透明な水を掬いあげる

これくらいの仲がちょうどいい
と思える、この場所にながくいすぎた
不純物がひとみの中に入った
ズルい人になりそう

心の空を飛んでいる人たちで
いっぱい、鉄球を鎖で繋いだ足を止めて
何処へ生きたいのかもう一度
足もとの透明な水を掬いあげる

てのひらの虫の死骸が不自然に消える


自由詩 何処へ Copyright 立見春香 2019-06-28 02:34:07
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