飴色の地盤は
不思議を綴じた歴史を詠う
黒絹が天空を翳ませ、解れた模様を編んで流す
苦笑いしつつ光の輪を頬に受け、寂しい溝に沿う路をどこまでも慕って
鍵型の角、真っ白い蹄の牛が、艶やかな車の輪 ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
其の人は南洋にゐた事があつて
だから私は其の人を思ふ時
まづは珊瑚礁の島々と
南の海とを腦裏に描いてみる
南洋の風物は鮮やかで
翡翠の海に{ルビ屹度=きっと}
色とりどりの ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った
蝶が来て
狂いたい
と言 ....
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