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 詰まらない
 
 タワ言を 一人並べて行くだけでも

 やはり詩だと
 
 思うようになった。
 
 
 ノンフィクションの世界

 硝子で仕切った空間に

 一鉢のサ ....
 会社の大会議場のお客様控室に
 ちょっとアンティークなドレッサーがある
 清掃に入ると鏡を拭くついでに
 ヘアスタイルを確認したりしてしまう

 くもりない三面鏡が私を映す

 一面に ....
 暗闇の中には沢山の物語がある


  パリの老いた靴作りが
  ハンチングを傾けてかぶっているのは
  むかし街の女に
  とても粋だわ と口笛を吹かれたからという話

  それでそ ....
 給料日 仕事上がりに立ち寄るATM
 その銀行の隣に花屋がある
 軒先、白い看板には飾り文字で「花音」

 店内は細長いスペースで奥行きあり
 入り口に色とりどりの花の苗が陳列していた
 ....
 いつからか

 私のまわりを古びた影が踊るようになった

 冷たい唇を
 心臓にぴったりとはりつけて
 やがて
 血汐をすいとってしまうのではないか


   だが
    ....
 その視線はどこを見るでもなく
 誰を みるでもなく
 そして何に
 留まるでもない

 体になじむポロシャツと
 洗いざらしな作業ズボン姿のおじさん

 きっとシルバー人材センターか ....
 地元走るローカル線を無人駅で降り
 山裾へのぼる細い道で足を止めた
 通りすがりの一軒家

 茂る枝葉を被った鉄の門
 奥に木造の二階建て
 軒下には蜘蛛の巣が灰色の層になっている

 ....
 
 
 既に色褪せて重たく落ちている花片を
 踏みながら歩む林の中は
 もう黄昏ている

 椿林の木立
 わずかな隙間から
 聞こえる波濤のどよめき

 腰をおろしてみなさい
 ....
 「うまそうやなぁ!」
 いきなり頭上から降ってきた補佐の声
 昼休憩時
 開いたわたしのお弁当

 ほうれん草の胡麻和え
 切り干し大根の煮物に出し昆布の千切りまで入り
 かぼちゃの含 ....
 日本海に春の来た時は
 静かに 静かに
 目をとじてみると
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 カラカラ カラカラ と
 妙に乾いた音たてて
 踊り ....
 日本海に春の来た時は
 カラカラ カラカラ と
 生命ない小石が激しい息吹をもらす

 波 寄せる毎
 丸くなり
 妙に乾いた音たてて
 踊り上がりながら 転げこむ

 海の碧に惹 ....
 朝のスープの
 セロリの香り

 悲しかった様な気がする昨夜の夢を
 おぼえていない 朝の靄
 一匙ごと かるくスプーンを動かしていると
 一口ごと すくいとられて胸の中へ流れこむ

 ....
 六月はもう
 むし暑く
 医療用コルセットを巻くと
 腹部が汗でむれる

 窓の外を見ても
 空はどんよりと深い水の色
 濃すぎる緑に
 むせ返りながら
 ものうく

 大気は ....
 いく本かの 樹が
 チロチロ陽を洩らす太い枝に一羽きて
 また二羽が来る
 小さな頭を左右に振って
 最初にきた小鳥が身を投げ出すように低空飛行
 今し方 私達が登って来た細道へ向かう
 ....
 
 仮設足場組立工事が始まると 
 いつの間にか ダークグレーな防音シートは 
 しのつく雨に暗く、まるで
 封建制度の時代にたてられた牢獄の様に
 そびえていた

 からだのモヨウが ....
 
 熱帯植物のあでやかな緑生い茂る中に
 消えていった友人の後ろ姿
 
 呼吸の度 緑の香が私の心染めてゆく

 樹々の名前など知らない
 私の身体中が
 心中が
 熱帯樹のしめり ....
 花の時がすんで
 雨の時が来
 山の青く美しい時がすんで
 薄墨にけむる時が来

 それでも あなたがそばにいてくれると
 私の心は
 ブラインドカーテンから差し込む朝の光に
 床を ....
 僕の隣に立つ女は長身でショートカット
 切れ長の吊り目が奥二重
 パーマのかかった短いまつ毛
 手に布製のブックカバーを持っている

 ああ、どうして彼女は
 こんな下地の色に淡雪の様な ....
 灰色の空に
 厳しい線を画いている古城の天守
 何百年の年を支えてきた様に
 あなたは私へ
 愛を 支えようとしてくれている

 それなのに
 私は人の心を
 見つめられ
 ない
 ....
 さっきから私の背を追ってくる
 オヤジ節の様な咳払い
 切れない痰のしつこさに男はどんな顔しているのだろう

 振り返り見ず 歩く私の前にはさっきから
 くるくる回る
 まぶしい笑顔のデ ....
 京都駅構内のアスティロード商店街を抜けて
 おもてなし小路を行くと連れの彼女が独りごちる
 「うわ、六百十五円やて!」

 何事かと 彼女の視線みると
 老舗珈琲店の店先ショーケースにはり ....
 電線に冬の風がやって来た夜
 その女と逢いました
 赤い上衣も黒いスカートも
 くたびれて見えました
 デブッチョの男の腕にすがりながら
 女はキャラキャラと笑いつづけていました
  ....
 暗いボックスに
 抱き合って動かない男女が居た
 感傷的なメロディーを弾いているピアノ弾きは
 禿げかけた頭を時折 片手で撫でていた

 頭の中も躯の中も
 お酒で一杯の筈なのに
 ....
   ✴︎サルルンカムイ

 丹頂鶴って、アイヌの人たち神様て呼んできたんやね。
 湿原の神!高貴やんなぁ。

 池を模った浅いプールで一羽が まかれて有る小魚を 
 黒い足先添えながら長 ....
 {ルビ十重奏=デクテット}な鈴虫の競い鳴きに
 飲んだアイスコーヒーのグラスもそのまま微睡む 
 日暮れ前

 曇りならば昼間でも鳴く
 それは{ルビ八重奏=オクテット}から{ルビ七重奏= ....
 クラスメートのMさんは
 その日も
 大学生の彼氏の自慢話ばかりする
 そんな彼女と近頃
 廊下でたまにツーショットだったS君とが中庭で二人
 待ち合わせて下校する姿を見てしまう

  ....
 背筋を伸ばして立つ
 その人の目は前方の二番ホームがある背景へ
 据えられている様に見えた

 腕まくりされたワイシャツ
 右手が口へ運ぶ平たくて長いパン
 大口でかぶりつき頬張って噛む ....
 酔った男が管を巻いている
 青い月の光の中に
 しわがれた声で管を巻いている
 ヨロヨロと時によろめいて
 松の根方に坐りこんでしまうのだが
 男の声は途絶えない

 月の光りの流れの ....
 よる
 音が 音に渦をなし
 風が風との 
 谷間をなして
 私が 私のゆめを捨てる

 二十三時ごろ だったと思う
 玄関先でスニーカーを履いていたら
 「ノンちゃん、僕だけど。」 ....
 泉涌寺の
 楊貴妃観音
 のお堂の前に
 春の日が暮れて

 ほのぼのと薄く紅
 開きそめて囁く枝の
 下に 微かな響き伝え
 息づいている空気が在る

 遠い春雷の 音ない震え ....
ひだかたけしさんのリリーさんおすすめリスト(183)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の花- リリー自由詩3*23-7-18
三面鏡- リリー自由詩5*23-7-5
ヨル- リリー自由詩10*23-6-29
花とボタン- リリー自由詩12*23-6-28
鎮魂歌- リリー自由詩4*23-6-24
朝のシャンソン[まち角9]- リリー自由詩9*23-6-24
引幕(「廃家」[まち角8]改訂)- リリー自由詩6*23-6-20
南の果の岬- リリー自由詩5*23-6-17
愛妻弁当- リリー自由詩3*23-6-16
橋立にて(「小石」改訂)- リリー自由詩7*23-6-12
小石- リリー自由詩3*23-6-11
ひとつの歌- リリー自由詩4*23-6-8
身じたく- リリー自由詩4*23-6-6
- リリー自由詩7*23-6-4
ニュータウン[まち角3]- リリー自由詩4*23-6-3
温室- リリー自由詩5*23-6-1
べにいろ- リリー自由詩3*23-5-30
グラデーション[まち角2]- リリー自由詩7*23-5-28
曇天の城- リリー自由詩3*23-5-27
- リリー自由詩3*23-5-24
アップルパイ- リリー自由詩8*23-5-23
寓話- リリー自由詩3*23-5-22
ダンスホール- リリー自由詩3*23-5-20
At__The__Zoo___①- リリー自由詩2*23-5-17
アンサンブル- リリー自由詩7*23-5-15
ある星- リリー自由詩4*23-5-15
ワンカット- リリー自由詩5*23-5-14
月の寺の男- リリー自由詩3*23-5-12
留守番電話- リリー自由詩5*23-5-9
楊貴妃桜- リリー自由詩7*23-5-4

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