すべてのおすすめ
 夕時雨
 車窓から見入る
 白梅は
 しっとり光りて
 見返り天女
  

 湖をめぐり
 冠雪の峰 
 空に張りつき陽を浴びて
 その中に 黄梅の真っ黄、
 躍り込み散る
 ....
 冬靄に
 鳴き交わす水鳥の群れ
 細い車道のヘッドライトを
 吸いこむ ささめ雨

 大通りの交叉点
 如月の靄 薄れ
 東へ連なる街燈のむこう
 仄かなサーモンピンクの低い雲

 ....
 ちょっと気鬱な
 月曜日
 交差点に
 今朝は飛んで来てくれた
 白い息吐く
 羽黒蜻蛉

 その引き締まった脚線は
 二対の翅、
 着膨れする ときわ木の
 林を抜けて
 見 ....
 
 山茶花の
 散り染めし途、
 花片もえたち
 明るさ投げかけるのは
 心の所為
 
 夜のしげみに
 いく重にも
 折り畳む 
 紅を、抱いて目映いのは
 心の所為

 ....
 
 夏の日の
 薄い日暮れに
 山裾を 退屈な貨物列車がめぐる
 段々畑に 
 くっきりと動いている
 働く人の影
 
 歌を忘れたら何が残るだろう
 長い貨物列車のリズムを
  ....
 鳥の声もなく

 ほおづきの花だけ白く小さく

 風もなく 空に色はなく

 ひたすら降りこめる小さな庭に

 女である事も、忘れて居る
 七回忌を過ぎた夜
 寝入る微睡に
 だれかの 手が触れてきて
 髪を撫でるのです

 幼い頃 してもらった様な
 手のひらの温もりは貴女なのだ 
 と 気付き

 うっすら 消 ....
 このところ何も
 ほんとうに 話す事が無く
 彼の微笑に
 「はい。変わりなく過ごしています。」
 とだけ

 困っている事も
 迷っている事も
 どうにかしたいと希むことも
 彼 ....
 老朽化した打掛け錠


 内側のかんぬきに触れると

 掌の 熱を奪い取り

 回転させたら 重く開いた、

 銅錆の大きな門


 ×××


 そこは トゥオネラの ....
 石灯籠に赤椿
 民家の門前、紐で繋がれ
 うずくまる
 白黒猫は どこか
 浮世絵見る様な

 冬日和
 濃いグリーンの目を細め
 通りゆく人
 ながめて過ごす
 今朝は見ら ....
 
 うつくしい
 目に見えぬ砂ぼこりに 
 高い樹々が 小さな流れを抱いて茂り

 不思議な程 ぼうっと目蓋に映る
 咲きもしない白い小花
 
 伊吹の頂に残る雪
 田圃はまだ す ....
 ツクツク 
 ツクツク
 ピーヨ ピーヨ

 それが貴女の
 独り言 だったのかもしれない
 と、今になれば思うのです

 病院から外泊すると
 東の窓際で
 黙って 鳥かご ....
 畔のみちを濡れながら
 駈けて行く少年が
 不意に 透明になってしまった

 もう同じ姿では帰ってくるまい

 寂しさが静かに
 胸を浸してゆく時がある
 貴方と再び相逢う日のない事 ....
 デパートで 
 初めて父に買って貰った
 Paul Smithの長財布

 嬉しくて愛用し早、十年以上になる
 人前で出すのも恥じる
 レザーの色褪せ

 子供の頃 離婚した父と ....
 吹き過ぎる
 北風 に歓声ヒビキ
 鳶一羽、ゆうゆう見下ろす
 小さな翼 
 破れそうなゲイラカイト

 
 凍窓に 
 陽、昇りし今朝の
 比良を見ゆれば
 お引摺りの花嫁御寮
 おもわせる
 
 山に向かい
 白く田の拡ごる道で
 霜に打たれる 踏まれ草
 われ知らずして
 星降る原野、夢みる花壇の球根とは
 同じ心のゆらぎは あるのか
 
 
 からし酢味噌のお浸しに
 しようと買った
 菜花の 蕾、
 キッチンの隅
 春灯る
 眠りから
 さめて 窓越し
 はつ雀、
 妙に可憐で
 枕ゆるゆる耳傾ける
 
 
 
 木下闇
 人の通わぬ奥深く
 その道 樹々の嘆くとも
 君、
 振り返ること無くて

 遺影の彼は
 今も 三十二歳

 その朝、枕辺のオーディオステレオが
 静かに鳴っていたら ....
 小学校の正門前
 通学路を跨いで並び建つ民家の
 玄関先に置かれる
 バラの鉢植え

 通勤途中に
 つぼみが、
 いつまで経っても
 開かないわ と思っていたら
 その日
 薄 ....
 四国に続く山脈に
 雪が積り
 社の石段に降る雨に
 心を洗った後

 醜く見える貴方の顔

 その薄い唇に
 私の唇触れた事が嫌悪を誘ったとしても
 私の責任ではない

 何 ....
 雑然とした卓に
 ちょっと戯れに挿した
 寒椿の 紅い沈まり

 眠れないのです

 時は重たいものですね
 全て寝静まっているのに
 音があるのです

 秒針が刻む
 藍 ....
 止まらない
 人類の負の動力源は
 一握りの
 山脈より
 大洋より
 強い者たちの
 掲げる道理なのだろうか

 連日報道される中東紛争

 はためく旗の下、
 生きねば ....
 17時回ったスーパーの精肉コーナー
 陳列棚に、値下げされた鶏もも肉少量パックが
 取り残され上目遣いで
 私を誘惑する

 手が伸びる けれども
 チキンライスを食べたいわけじゃない
 ....
 延暦寺西塔の居士林、
 森閑とした闇に包まれ坐る道場
 打ち鳴らされる警策で
 突如 目を見開くと

 秋霖

 湿った杉の並木が
 生い茂り
 霧のなかに太い幹の影を映して
  ....
 
 寒風、

 常緑樹の生垣が吐く

 銀白と やがて溶け

 やさしげに揺れる

 山茶花

 

 
 乾いた大気
 
 緋色砕けて心臓響く

 天上は真夏

 大柳

 烟り散る冬の湖面
   「食卓」

 サラダの皿の色どりに
 執着しつつ
 缶ビール グラス注げば
 勤めの愚痴がついと出る
 貴方との白いテーブル


   「霧の朝」

 冬が来て
 裸木ば ....
 小さな寺の鐘の音が
 震うともなく 
 ゆれて

 声を出せば
 全て偽りになるに違いない
 はかなさが
 西山の山脈に暮れていくのを見ながら
 一人歩いていると

 酒場の騒音 ....
ひだかたけしさんのリリーさんおすすめリスト(189)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五行歌_三首「花香」- リリー自由詩4*24-2-3
朝もや- リリー自由詩5*24-2-1
黒トンボ_[まち角30]- リリー自由詩6*24-1-30
五行歌_抜け道- リリー自由詩5*24-1-27
ソレイユ- リリー自由詩8*24-1-25
五行歌_Oblivion_- リリー自由詩3*24-1-21
リインカネーション- リリー自由詩8*24-1-21
診察室- リリー自由詩5*24-1-20
夢の入り口- リリー自由詩4*24-1-18
五行歌_銀ちゃん- リリー自由詩6*24-1-18
橙色のセーター- リリー自由詩3*24-1-17
独り言- リリー自由詩7*24-1-14
冬の日- リリー自由詩7*24-1-14
革ザイフ- リリー自由詩5*24-1-13
五行歌_一首「公園にて」- リリー自由詩4*24-1-12
五行歌_一首「雪化粧」- リリー自由詩5*24-1-9
冬草- リリー自由詩5*24-1-8
五行歌_一首「小さな黄色」- リリー自由詩5*24-1-4
五行歌_一首「初雀」- リリー自由詩3*24-1-3
同級生- リリー自由詩7*24-1-2
冬のばら- リリー自由詩3*23-12-26
澎湃- リリー自由詩4*23-12-23
アンニュイ- リリー自由詩10*23-12-19
ソラリスのブルー- リリー自由詩6*23-12-18
或る日のカレー- リリー自由詩5*23-12-17
大杉- リリー自由詩3*23-12-17
五行歌_一首「雪もよい」- リリー自由詩4*23-12-1
五行歌_一首「花火」- リリー自由詩3*23-11-27
五行歌_二首- リリー自由詩1*23-11-26
野分- リリー自由詩3*23-11-24

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する