カララン
と
思ったより大きな音がはじけて
丸い木製のテーブルから
黒いプラスチックの灰皿が
まだらクリームいろ模様のゆかに
落下したそのとき
あっ
と言ってふしめになったその ....
煙ばかりを相手に
暮らしてきた人生だったと
したたかに酔ったオヤジが
丸卓袱台のそばで
腕枕しながら
ゆらりゆらり
語っている
現職のころオヤジは
仕事から帰ると真っ先に
風呂場 ....
モーニング
レズビアンは美しいか
旭があたる
アウトデッキで
珈琲を飲んでいる
リーモーガン
JAZZをきかなくなってから
久しい
....
あの日、
あなたはなぜ僕と寝たのでしょう?
あなたには愛すべき相手がいて、僕にはいなかった。
ただの性欲処理?
ただのイタズラ?
僕の心をかき乱して
いつかは消えていくあなた
....
ほれ、みえこみてみ、ちっこくてめんこいおててだ
祖母は私を母の名で呼んだ
どんなに人を忘れても
季節の意味は憶えている
拾いあげようとするその手も
祖母も
小さくて可愛い
紅葉で ....
少ししんちょうに
歩いている
あまりちゅういしすぎると
信号につかまって私
からだこなごなの
散弾になるよう
だからもうすこし
つまさきをあまり
感じすぎては行けないわたしの通りに
....
昨日は
ライオンに
食われた
一昨日は
ウサギに
肉団子にされ
ハチの幼虫に
食われたことも
あった
ニンゲン様は
俺を汚く食い散らし
ご馳走様
まで
言 ....
朝だ
カーテンをときはなつ
緑がしみる
町でいちばんの家
旭があたる
きょうはキリンにあいにゆこうか
燃えるキリン
サルバルート・ダリ
....
そこかしこで俺の愛人ちゃん、俺の愛人ちゃんと書き散らしたおかげで
今度愛人比べをしようぜ、日時は10月の10日、場所は京都のぽえざる会場、
くれぐれも逃げたりなんかするなよ、と
見ず知らずの詩人 ....
楕円の踊る 炎の中へ
熱くない驚きよりも
息のできない
もどかしさで満ちる
なつかしいオレンジ色
ちろちろと
溶けだして
....
ねころがる
わらう
しぬ
またはしる
ふとんをまたぐ
すてきな
ひとに
ぼくできる
繰り返すことだって
ころころ
かわる
のだって
らくなんだって
ほんとだよ
さばくだ ....
お葬式に 行ってきました
亡くなったのは 私の おばさん
87才の おばあさんで
とても 穏やかで 平静な顔でした
死を考えるのには 疲れてしまったので
ちょっといや ....
亀はかわいい
平泳ぎをする
大亀→中亀→小亀→チビ亀
が、そろって平泳ぎをしている
にごった池は視界30cm
大亀→中亀→小亀→チビ亀
が、そろって平泳ぎをして
僕の下に現れる。 ....
僕は最近眠れないんだよね…。
なんでかって?
それはさ、それはさ…。
どう言えばいいのか、
僕にもよく分からないんだけど…。
でも、思い切って言ってしまおう!
いや、やっぱり止めておこうか ....
駅のホームに
オクラがひとつ
おはなしは
あなたが考えて
(夜勤前に愛野駅にて)
溶ける 食べる 痩せる 怒る 酔わす
溶ける 飛べる 裂ける そよぐ
急ぐ 割れる だれる 詰まる
泣ける 笑う 怒る 悟る 困る そよぐ 急ぐ 溶ける
騒ぐ 千切る メモる ....
1. 父
自分で名前をつけたくせに
なんで
わたしの名前も
呼べないの
笑いながら尋ねると父は
つられて笑うのです
真剣に
それから、突然
他人でさえ覚えているのに
と言っ ....
くさり くさり くさり
ほつれた髪と緩んだ肉と
くさり 腐り 鎖
くさりあっていきていく
ブラジルサントスの珈琲は飲む人の注意力を増し
キリマンジャロだかブルマンだかは飲む人をリラックスさせるのだそうで
でもそんなことどうでもいいなカフェインが欲しいだけだよと
夜九時半の駅前ローソン ....
昨日を映す鏡がある。
鏡の中の私は
コーヒーカップ片手に
煙草をくゆらしている。
煙草の煙が文字を描く。
危険
と読める。
昨日の私はいらただしげに
カップを持っていない方の手で
空 ....
数々の試練と黙殺の流体とドシャ崩れの中をミズコはただ直線に歩いてきた。歩いてきた。眼をしかと開けと父のどこか暗い部屋からの通信を傍受しながら。直線とは全く架空の任意の点を結んだものだから、彼女は生きて ....
朝寝すずめの 電柱につらなるを覆う
なまぬるい 足裏の おさなごがつかむ先の
酒臭い あくびに吸い込まれて ゆく
うすよごれた野良がのむ 雨だれのなかの
よ ....
明日、うわさでは僕は傘をうわさどうり
に、こんこんこんこんからりんこ、としてやった、、不謹慎
1920年〜1924年にかけて徐々に生まれそして
育った僕はロシアへ向けて竹やりを数分間添えた
だ ....
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
....
恋を失って12年
それでもだれか
こころのなかで
慕っているものがいたか
どうだかわすれてしまった
『わがノルマンデイ』* もない
それでも人は生き ....
読書の秋って言いますけれど、今年はほんとにそんな秋にしたい。いやいや、なんとなく落ち着いてきたから、ぼちぼちとできる範囲で。今、詩の書けない時期に入っています。発想ゼロ。何も浮かびません。ある意味バ ....
夜更けに
タンタンとタイヤを鳴らし
鉄の階段を降りて
僕の自転車が
外へと出掛けて行きます
(ほんとうは僕の自転車ではない
きみから借りたままのもの)
マウンテンバイクだから
....
電車に駆け込む、37℃の平熱
昨日の夜食は暴力のオブラート包み揚げ、
鼻つまんだら食べられるけど、おいしくない。
電車の中はオンザステージ、ヒットパレード
ファンクにきめる少女たちを讃えろ ....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と
愛の石
ではない
石の愛でも
ない
愛のような石
石のごとき愛
なんか
ちがう
てゆうか
なにやってるんだ ....
歩行者は夜9時を過ぎていく
ぼくの身勝手でやさしさを決め込んだ算数が
ドライな公園でひたすら石を数えるように
きみは月を見た
マイクに空気を
あたたかく篭ったノイズが閉じては枯れ
なぜ ....
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