さくさくと軽い音をたてながら
生きものたちの影を求めて歩きました
胸いっぱいの冷たい空気を吐き出せば
白いけむりの中に春が見えないかと
苔にすべってつかまった木の肌は
渇いた鱗のように剥がれ ....
 

  六本木ヒルズ
  森ビルに行く日が決まった
  3月11日だ
  森ビルの最上階には現代美術館があるという
  美術の最先端がみえるのだ
  新しい美の追求にどんな装置が
  ....
  
   真珠を育てるあこや貝のように


   ぼくは詩を育てるあこや貝でありたい



         2005・02・17
 

  父は帰ってこなかった
  後で知ることになるが
  街の花柳界で板前として働いていたようだ
  華やかなところだから飲む賭つ買う
  生活を送っていたらしい
  ぼくた ....
ブッダに会っては
ブッダを殺し

キリストに会っては
キリストを殺し

総理大臣に会っては
総理大臣を殺し

大統領に会っては
大統領を殺し

王に会っては
王を殺し

 ....
  母はぼくを背負って
  毎日踏み切りを渡った
  栄耀失調だったぼくは
  医者に通っていたのだ
  記憶は曖昧だが
  ぼくたち母子は貧しかった
  ある医者は
  『下痢をするの ....
明日人間ドックに行こうとしているのは
まぎれもなくあの時列車に飛び込んだあの人だ。

鏡を眺めながらしんみりと
最近、なんか顔色悪くてねえ
などと話しかけてくる。

そう言われても
な ....
 




 男の部屋なんて
 臭くてオナニー三昧だ
 自分ではわからない臭い
 自分の臭いしか返ってこない毛布
 畳にころがった週刊プレイボーイ
 ビデオを借りに行くほど熱心じゃ ....
空も飛べそうな気分なのに
なかなか自由は味わえない

いつまでたっても
君につながれたまま

見えない糸でくるくると

僕はただ
落とさないでと祈るばかり
背は低いが均整はとれていると思う
顔は公表していないが公表できないほどではない
性格はまっすぐではないが読みやすいと言われる
30歳独身で彼女もいないがそれは募集していないからだ
いったい何が ....
時は風を越えて
嘶く鳥の藻屑を溶かす

はじめて母が「アボジ」「オモニ」と言った今日
はじめて母が自分の言葉に朝鮮を滲ませた

思えば母の話す言葉に朝鮮語はなく
日本の中で生きてきた自分 ....
 鳴らないように
 カスタネットをひきちぎった
 偶然なついて住み着いた
 一匹の猫を私はふいに暴力した
 頭の中が真空状態になり
 私は一方的に傷ついた
 風で車 ....
 彼は助けを求める声さえうまく出せなかった。


 雨の中、傘を差して立っていた。
 温かみのある灰色の海が暗闇に変わるまでそこに立っていた。
 服の色は変わって ....
鍵を なくしました

鍵 という言葉と 

なくした という言葉が

うずまいて うずまいて 

とりかえしつかなくて

必死でさがしましたが

ありません


仕方ない ....
僕はブーメランを期待して
君にくさいセリフを言ったのだけど

ちっとも返事が返ってこない

心配して見に行ったら

しまった
君はイチコロでまいっていたらしい
   ニンゲンハ
   キノコグモノヨウニ
   ツライナア
   トオモッタラ
   ナミダガ
   コボレテキタ

  
            2004・12・21
    
  羽衣の松から
  沖を行くタンカーを眺めている
  君も黙ってみつめている
  潮風はおだやかだ
  乱れ
  乱れてゆく君
  そんな時間もあった
  あんな声を出して ....
言葉だって寡黙になりたい
 そう思っているに違いない
  僕は押し黙る


回転音とともに目覚める一連の
 緻密な音程を残らず食らう


役職がついたからといって
 僕は相変わらず ....
あなたが ゆっくりと死のうとするので

わたしは ゆっくりと呼吸をするのです

太陽が 月が居る事に 意味なんて要らないように
あなたが徐々にしなり
あなたの腕がしなやかに湾曲し始め
それが良いことであり
あるかのようにあなたの腕の湾曲を
私のここから私は俯瞰する

キトキト、糸の車
からまりほつれ
て ....
  少年は貧しかった
  少年は淋しかった
  少年は孤独だった
  父も母もエイズだった
  少年に稼ぎはなかった
  食べるものも
  着るものもなかった
  少年に運命などとい ....
拍手
ぱちぱちぱち

拍手
ぱちぱちぱち

拍手 拍手
ぱちぱチパチ ぱチパチパち

昨日初めて好きな子と飲んだ
キンニク りゅうりゅう
毛がまっし
ろォー



僕 ....
  リーマス200mg
  サイレース錠2m
  ハルシオン0,25mg(2錠)
  ベンザリン錠10mg
  センナリド錠
  ジプレキサ錠5mg
  麦門冬湯エキス顆粒no29(2 ....
 

  山茶花の花が散っていた
  女の子の生理のように紅かった
  生理が面倒だから子宮をとってしまいたい
  という娘もいるそうだ
  男の私にはよく分からないが
  月ごとの排卵 ....
詩評がつらい……詩を書くのもつらい……書く自信、皆無なり。文章の書き方忘れた(笑。つらくて腹こわした。下痢ぴーである。すーぐストレスで下痢しちまうんだ、私は。とはいえ嘆いていてもしかたないんで、慣らし .... 狂ってしまうと、あなたを
愛する草、風、鉄橋が散らばる中で

わたしは何もない
なにもない
なにもない
ためらいも勇気も
恥も

釣りをしている人がいて。

何もないことをくぐる ....
私は怒りを押し殺し
私は悲しみを隠してる
見せたくないから

弱い場所だから
醜い姿だから

私は感情を殺そうと首を絞め
感情も私を殺そうと私の首に指を絡めて

ゆっくりとお互いに ....
  

  不漁の石は
  父が名づけた
  落款だ
  ぼくはいい名だと思った
  父が死んで
  30年以上がたつ

  ぼくは釣りはやらないが
  自分で書いた詩に
  い ....
暗い土手をみんなで歩いた
川の流れだけが静かに聴こえる
誰かは「またな」と手を振って
誰かは「もう会うこともないだろう」と
静かに呟き、どこかへ行った

一人減り、二人減り
友の口も段々 ....
   



   病院の裏山が紅葉してきた
   きょうのデイケアの午後のプログラムは
   ファッションショーだった
   ぼくはみどりのチェックのネルシャツと
   その上にモン ....
初代ドリンク嬢さんのおすすめリスト(634)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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都会には烏が多い- 天野茂典未詩・独白105-2-17
あこや貝- 天野茂典未詩・独白505-2-17
その血もまもなく滅びようとしている- 天野茂典未詩・独白2005-2-16
コンテンポラリーな禅- 大覚アキ ...自由詩305-2-15
子供たちに母の背中を- 天野茂典未詩・独白1005-2-13
人間ドック- 草野大悟自由詩304-12-26
コブラツイストガール- カンチェ ...自由詩1104-12-26
カイト- ベンジャ ...自由詩3*04-12-26
世の中はクリスマスだと騒いでいるようだが- ベンジャ ...未詩・独白2*04-12-24
アボジ- はらだよ ...自由詩604-12-24
恐れ/屠られたカスタ- カンチェ ...自由詩604-12-23
ハンカチ一枚- カンチェ ...自由詩4*04-12-23
- こむ自由詩6*04-12-23
ブーメラン- ベンジャ ...自由詩13*04-12-23
広島- 天野茂典未詩・独白604-12-21
羽衣の松から- 天野茂典未詩・独白104-12-20
三丁目二番地一号から見上げた正午の風が細くたなびく- ポチット ...短歌304-12-20
小考- ふく自由詩3*04-12-20
湾曲- たもつ自由詩1004-12-9
禁じられた遊びのように- 天野茂典未詩・独白504-12-5
拍手_拍手- 不老産兄 ...未詩・独白504-12-5
ファイト- 天野茂典未詩・独白204-12-4
明烏- 天野茂典未詩・独白304-12-1
萩尾望都私論その1_まえあがき- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-11-28
はじらい- 石川和広未詩・独白6*04-11-28
カクシツ- ふじわら自由詩4*04-11-27
不漁の石- 天野茂典未詩・独白104-11-27
川沿いの道- 快晴自由詩4*04-11-27
南国の美女たち- 天野茂典自由詩2*04-11-26

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