すべてのおすすめ
かれ
あるいはかのじょは
かんじゅせいが
せんさいすぎた
だからしょうらいは
くびをくくるか
きがふれるか
どちらかしかなかった
じっせいかつとどくしょで
きたえられた
か ....
アレを好きかと訊かれた場合
「キライだ」と答えたら明らかに嘘になる
では「スキだ」と答えたらホントかというと
ほんの少しホントからズレている
ホントのことは その中間のどこか
ななめ上の ....
大人の期待を裏切らぬよう
寡黙な少年を演じきりました
大人のあいだに流れる噂と
その発信源である
個々の大人の評判を傷つけぬよう
物言わぬ少年を守り抜きました
こころを開け、と ....
千円くださいと言ったら殴られるだろう
百円くださいと言ったら無視されるだろう
でも十円くださいと言ったら ひょっとして
ニコリともしないでくれる人があるかも知れない
もちろん百万円ください ....
隠喩の練習
をしようと思って
とにかくなんか書いて
みようとしたら
「きみのおへそのしたの
かわいらしい縦割れえくぼ
うっすらおヒゲまでそえて」
という語句が
まっさきに浮 ....
ビデオレンタル店の前で
男と女の高校生が立ち話をしていてね
お互いに意識してるんだろう
話すたびに笑顔がぎこちないのさ
背の高い男の子は自転車に寄りかかり
女の子は
カバンかなにかを持 ....
もうすでに決断したことを
髪をすいては決断するように
女はその長い髪をなんどもなんどもすいていた
宇宙の青白い光を見つめながら
宇宙の青白い光に見つめられながら
長まわし ....
いつも東京の片隅にいるの
誰にも気付かれず音楽を聴いてる
今日話した
たわいも無い話に
なんだか愛を感じちゃったりして
日が暮れて
やっぱり東京の片隅にいるの
みんな知らない人だけど ....
画家がキャンバスに向かい、あらゆる影を創り出す時、
私は白昼の都会で私の影を創造した。
人並みを避けながら、あらゆる方角へ歩みを進め、
変幻自在に形を変える自分の影を創造した。
発見と ....
食べたものがお腹に溜まってくると気持ちわるい
出そうか出すまいかと迷ってるのはボクと腹の虫
これは無理に捻り出せば後ろに残るし
といって出すのを止めればまた虫たちが布団の中で暴れだす ....
世界平和を祈っている
定義は足並みを揃えたくても個性が並ぶ 此処は館
個々の定規で懸命に幅をとってゆく
両腕を反りながら翼に相成る
愛を祈っている
人間のDNAに余分につ ....
ことしも彼岸花がきっちりと合わせてきた
さすがだ
車窓にゆきすぎる田んぼの風景
田のまわりを彼岸花が赤く彩っている
防虫効果でもあるのだろうか
彩りだろうか
刈り入 ....
若いってたぶん弁当をふたつ食べれることだと思う
いろんないやなことを無視できることだと思う
酔い方に遠い孤独がにじまないことだと思う
背中に秋の陽を受ける
地獄も天国もない街道 ....
ぼくの優しい友人は
お前の考え方にはバイアスがかかっている!
と言って突然怒った
バイアスのかかってない奴なんていやしない!
と言い返してぼくも怒った
多かれ少なかれみんなそうなんだ!
....
やるやる詐欺にならないように
やるというのをやめたのさ
本当は
やると言ったならやればいいんだ
分かってるけどね
そうしていたら最近どうも
むりむり詐欺になっている
俺にはむりだよー ....
わかっていたの
頼らないことも
傷つけることだと
ごめんなさい
だからずっと
いつか言おう
いつか言おうって
思ってたよ
でももっと確かに
わかっていたの
私の啜り泣きがあ ....
夢、を
にぎり締めたつもりで
ひたすら走った
走るしかなかった
懸命に汗をかいたら
報われるのだ、と信じた
吹く風は
流れる汗を連れ去って
清々しい ....
何だ結局嘘っぱちじゃねえか
十年前もお前言ったよな
「俺たちうまくやれると思うぜ」
俺は結構不安だったんだ
不安は見事に的中した
いつものように別れたが
お前の顔がどうも歪んで見え ....
華が喋り出しそうで
まだ聴き慣れていない 違和感と魔訶過不思議
曼珠沙華が現れる 斜め左上の目先に
そんな時期を迎える 耳に凛とぶら下がる涼しげな季
岸に立ち臨み映える意気込みもほどほ ....
だーれも知らない
あるところに
いつも大真面目なんだが
ちょっと空気が読めなくて
頑固でお節介で口うるさくて
嫌われ者の爺さんがいた
村人たちは集まっては
ひそひそと爺さんのことを噂 ....
1982年、1982メートルの山を登った
自由参加の学校行事だった
ひどく孤独を感じる行事だった
ともだちが参加するということで参加したのだが
まったくだれからも相手にされなか ....
マグレの人生相談 僕の感情は必然
ただよう哀愁と 君の優しすぎる輝き
それだけで悲しく どれをとっても美しくて
虎の視線に怯えるように たじろぐという犯行に出た僕は
自意識以上ナルシスト以下の ....
夏の次が秋だったあの頃を探しに
ぼくは今、 油切れの車輪を引き摺ったまま
秋の消息を訪ねて旅に立つ
窓枠の中でそっと にこやかに手を振り
石のような白い空に はぐれてゆく僕の影を
....
今日も何もなく
何もない家の扉を押す 今日も
部屋の鏡に 自分のシルエット
それは不確かだが 何もない自分に
確かに いつものようにある 不確かな家の
風が吹けば 家の中に 確かに
風 ....
喜びはほんの数秒で消え去っていくのに
悩みは何時間でも付き纏う
ビルの屋上から飛び降りてしまおうかしら?
女の背後にその女の声が聞こえる
自分の声なんて いつも自分から聞こえてくる気がしないの ....
神がなかったので
運命もなかった
われわれは 偶然
この世に産み落とされた
ただのうたかた
きのうも明日もない
つかのまの
たわむれ
よるべない この胸
だから
君
むし ....
格別なこともない
特別な日に
ななめに笑い
或いは おもむろに悲しむ
おお 彼女は
ゆるぎない場所で
ゆるぎない愛を成就した
成就した
成就した
成就した
上手にした?
....
わたしは、生まれた時 自分が実体であることに驚いた
おそらく 死ぬ時は 自分が幻であったことを知るだろう
育てた罪を持って市場へ行った
飢えていたから金が
欲しかったのだ
金があれば食える
食えば生きていける動物に
僕はなりたいのだ
老練な仲買人は言った
自分で育てた罪なんか
売り ....
風が行方を恐れて動こうとしない
ベテランの風が言った 「行方を考えるな行方は君だ」
動いたら行方になるんじゃない 行方は君で動くしかないんだ
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