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夏にはぐれた神鳴雲がひとつ
ぽつんと漂う空
雲は、雲は、やって来たのに
大きく大きくなって やって来たのに
酷苦の炎天を 猛暑を
掻き消してあげたくて
やっと辿り着いたときには
夏 ....
変わるのは変わらない形だけ
「変わらない」はそのまま何も言わず 変わらないまま変わっていく
その変わりようを僕は 変わらない姿で見つめ続ける
京子は弱くなければ優しくなれないと思った。
逃げ出したいほどのみじめな生活。
この暮らしを憎むのではなく愛おしむには、じぶんが弱くなければそうはなれないと思ったのだ。
体育の授業は校庭をぐるりと ....
ある日のま昼
とある公園で
たがいの母親の 悪口を言っている
一組の
兄弟を視た
天気雨が
降っていなかった
ライトバンが通りすぎてゆく
まるでうまく生きれていない
人生はとれーにんぐ問題集
カンニング以前の吹き溜まり
痛い
胸痛い
蜩よ、鳴いてくれ
安易な自己の正当化
吾の、代わりに鳴いてくれ ....
何となくというセリフなんか吐くな
きちんと表現したまえ
されど私は優しいからそれを吐息と
あえて描いてきたんだろうと思う
書き込んで書き込んで
描き回るあなたの専攻のない ....
なすがママに
きゅうりがパパになった
それはつまり
結婚当初
かれらが毎晩毎晩
いやになるほど毎晩毎晩
はげしくくるおしく まぐわったことを意味する
まくわうりのように
ああい ....
夏らしい夏の日なんて
数日しかないし
秋らしい秋の日なんて
数日しかないし
冬らしい冬の日なんて
数日しかないし
春らしい春の日なんて
数日しかない
時間に正確な体は心を置いて
そ ....
笑顔描かれた靴で蹴られている
―高級な食べものは普段食べなれていない人には、口に合わないのだ
道端に小柄なおばあちゃんが二人坐っている。
一人は覇気がなく、目の前の木を眺め、
もう一人は、風に逆らうように、大またを広げ、 ....
その虫は
どこからともなく現れて
花に潜り込んで喰っている
払い落そうとしても
逃げもせず
しがみついて
貪り喰っているので
憎らしい
しかもとても醜い虫で
気持ちが悪い
その虫の ....
なにを
いいたいのか
よくわからないけれど
なにについて
いっているのかも
はっきりしないけれど
なんだかひどくひきつけられる
なんだかとてもみりょうされる
そんなしが
....
他者に無関心なひとが優しくみえるように
穏やかなひとが人格が高いひとのようにみえることがある
しかしながら穏やかにみえるような奴らの大半は
ただ諦めているだけの薄笑い野郎だ
諦 ....
あなたは 年老いた家の姿を見たことがあるか
台所からは 骨と皮だけになった皮膚の隙間から
食器と血が 毎日滑り落ちて死ぬ音
骸骨のような運転手になった父が
赤信号のまま 車を通 ....
2014年、30歳の夏に
彼女は
こころの半分を、お空にもっていかれてしまった
未婚のまま
卵巣がんと子宮体がんのため、子宮と
卵巣全摘出手術をうけたのだ
生きることに必死だった
....
きれいなものは とおくにあるから きれいと
ちかくになったら いやなところが みえてくると
ごちゅうこく してくれた ひとがいたけれど
あなたは ちかくになっても きれいでした
あなたはつ ....
ししゅんきに
少年たち、少女たち
秘密をはぐくむ
親友にも打ちあけない
まして 親なんか話さない
大事な秘密をそだてる
それは
生きてゆくために必要な秘密
けっして
解か ....
とめ、はね、はらい、が
美しく表現できる ペンで
誰にでも 恋文みたいなことを
描いたりする 頭の中は
だいたい
とめ、はね、はらい、だらけの
行動を 起こしたがる
....
ビッグバンの
それ以前には何が在ったの?
宇宙が膨張している
その先には何が在るの?
それは
時間と空間に対する無知による
愚問である
と 彼は言った
別にどうでもいいけど
終戦の日に69年まえを思う
69年まえのここから
69年まえのここではない場所を思う
そこにいるひとを思う
そして69年まえのひとから
69年まえのひとではない存在を思う ....
部屋の隅に一つの箱があり
その中に、《詩》が入っていたから
ぼくは意外だった
《詩》の中に世界が入ってるんだと
てっきり
そう思ってた
もしかしたら
ほんとは《詩》の中で ....
基本は三次元なのかもしれない
背伸びしても宇宙までゆけない
言葉のパフォーマー天の川で踊る
言霊の形を懸命に落としてゆく 地上へ
拾い上げる両手は才能 心は応援 魂は加 ....
金さえ愛さえ社会さえ
受け入れてくれるなら
いま吐き出した欲望は
我慢などしなくていい
切実な循環になるのだ
生命の維持や種の保存は
本能のまねをした観念なのだ ....
毎日同じ事の繰り返しだけど
たまに自分でも予期せぬ事が起きると
繰り返しだと思っていたこの毎日が
少しだけ違って見える
少しだけどそれが嬉しくて 楽しくて
もう少しだけ生きてみようかなと想う ....
「分からない」って素晴らしいと思う
分からないなかで あなたが頑張って生きてること
僕は 素晴らしいと思う
誰が何と言おうと僕は素晴らしいと思う
僕だって同じだから あなただってそうだから ....
ひとは誰でもその胸のおくの さらに
横のほうの暗がりに
誰にも触らせてはならないものを
もっている
誰も触ってはならないものを
かくしている
それをいのちとよぼうが
それをこころとよ ....
おまえのだからと
おれをとどける
おまえのなかに
おれをとどける
あまえているだけ
あまえたいだけ
おれをとどけて
うけいれられて
しんじているだけ
....
私の長い名前を
思い出してください
雨が降り続く日に
倒された草花や
咲かずに腐る蕾の声が
聞こえた気がしたら
私の長い名前を
呟いてください
風が吹きやまぬ日に
ちぎれた花びら ....
書きたいことなんて何もありません
本当は書きたい事だらけなのですが
もう そんな気持ちも差し置いて
上手い事ばかり言おうとする自分が
嫌で嫌でたまらないのです
僕は今 また一つ嫌な癖が出 ....
「パンティ」というシーニュのシニフィアンは
つまり
「パンティ」という記号のそのひびきは
多くの男たちになにかしら希望を与える
明日も生きていこうという勇気を与える
ただしその場合の「パンテ ....
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