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喧騒の夜
組み込まれているから、見えない
都会にもいるんだよ、言霊
満月の夜、月はやさしく犬を見ていた
犬は不思議そうに眼をあけ、すっくと立ち
濡れた鼻をしながらあたりを一瞥した
犬は初秋の虫の音を
一心不乱に聞いていたのだが
ふと月明かりに、自らの何かが微 ....
貧しさってどんなこと?
夜、お母さんがいないこと?
お金がないような気がすること?
否定のことばでしか繋ぎとめることが出来ないこと?
砂漠の砂を数えるようなことをめんどくさがる ....
バスに揺られて教会に着いた
教会のそばに咲くタンポポに
虫の影が
まぼろしの縁取りのように過ぎていった
駅舎で見知らぬひとと待ち合わせるようにバスを待った
髭を生やし ....
公園で自殺した
つぎのつぎの日には
痛快なくらい子供たちがそこで遊んでいた
夕暮れ
子供たちはそれぞれの明かりに戻っていった
喧騒のわだちを残して公園はしんとしていた
....
大義名分をもって仕事をしていると関係各社のことなんてどうでもよくなる
大義名分をもって政治家なんてやっているとマイノリティのことなんてどうでもよくなる
大義名分をもってひとつの価値観を広め ....
苦しい
逃げ出したくなる
想像を手がかりにぼくは生きている
また黒い森に入り込んだ
ぼくの知らないところで
ぼくのいない触れ合いがかさねられていく
囚われたひと ....
どんな面白い映画でも
最後に?があるような作品は
責任を果たしていない
その一点のために
映画館をでると
もう映画を思い出すことはなかった
どんな面白い映画 ....
終わりを
惜しみたいのに
始まりを
準備している
じんわりと、
しずかに
余韻が
満ちていくのを
手がかりに
それは
求めは ....
MacBookが熱くなってしまった
この詩を書いている僕は冷え切っているのに
Syrup16gを奏でるスピーカーも熱い
気温三十四度の中冷え切っているのは僕だけだ
理解者など存在しない
....
詩をかかない日々
日常が連続する日々
やはり、わたしは言葉を紡ぎたいのだ
彼女が話している
クロッキー帳に合図のことば
けものごころに純情を
せつないことが多いか
生きているとは
かなしいことが多いか
彼女が話している
クロ ....
薄いオレンジのむこうに
行くと思う
ひかりを見に行くと思う
薄いオレンジのむこうに
行くと思う
ひかりを見に行くと思う
ききいってしまう
なにかのものまね ....
心が火照っているうちは
心が急いているうちは
詩は生まれないよ
魂がズキンと静かに脈打った時
詩の言葉は落ちてくる
宇宙を舞う詩の言葉が落ちて来るんだ
興奮は不安と恐怖の裏返し
....
収穫もできずに
ただ腐らせるしかないような
果物を育てるひとはいない
いたとしても続かない
両面の鏡なんだ
鏡のなかのまたその鏡なんだ
自分だけ棚にあげておくな ....
空の青さが気に障る
ポストの赤さが目障りだ
風が吹くのも厭味だし
花が咲くのも虫唾が走る
大好きな漫画の新刊も
大好きなバンドの新作も
もうどうでもいいような
今はそんな気分なのです ....
僕らの住む
この国は
戦争へ向かう国
僕らの進む
この道は
戦争へ向かう道
ああ、この道は
いつか来た道
戦争に行かない
えらい人が
下品な笑みを浮かべて
ラッパを吹く
こども ....
雨に濡れながら
この先のゆく先を思う
その角を曲がれば
なにか見えてくる
ぼんやり思う
いつも
ぼんやり思うだけ
考え過ぎないのは
それが身のため
雨はいつまで降り続く
その先には ....
平和とは平和のことではない
平和とは差別を受け入れることだ
だから戦争とは差別を受け入れないことだ
へのこ
だれのこ
じぶんのこ
へのこ
ぼくのこ
....
雨だれになりたい
樋を伝って膨らんで落ちて
敷石の上で仄かに爆ぜる
細い雨だれになりたい
せせらぎになりたい
闇とも光ともつかぬ暗がりを抜けて
この世界の遥 ....
僕の頭を開けてごらん
中にも僕がいるでしょう
そいつはしかし偽物だ
さあもうひとつ開けてごらん
そこにも僕がいるでしょう
そいつもしかし本物じゃない
どいつもこいつも容れものなんだ
開け ....
網戸に身体を打ち付けて
羽虫が自由を欲しがっている
窓を開けてもいいけれど
他にも虫が入ってきそう
きっと君は悪くない
たぶん僕も悪くない
誰のせいでもないけれど
僕らは静かに不幸だ ....
きのうの
夜が
いっこうに明けないので
けげんに思った
俺は
はっと気づいて
かろうじて
きょうの朝に
飛び移った
ゆれるゴンドラから
ゆれるゴンドラに
飛び移るよう ....
けちけちしたって仕方がねえや
どうせいつかは御陀仏なんだ
使えるものは使えるうちに
食いたいものは食えるうちに
一寸先から真っ暗闇さ
行燈なんざ役に立たない
生きてるうちに生きておけ
....
とるにたりないことばかり
かんがえかんがえ生きていて
役には立たないことばかり
大事みたいに思ってる
僕のような役立たず
どこに転げてゆくだろう
でこぼこ道にひっかかり
今日もそこらで転 ....
傘もかわかない間に
また 雨がふる
あなたの瞳に 雨がふる
アリスの部屋にはたくさん引き出しがありました
引き出しにはお菓子の家の入ってる引き出しや風邪をひいたときの気持ちが入ってるのやあじさい畑が入ってるのや牛乳瓶のどんよりした透明が入ってるのや走って ....
指はきれいなの?
と少女は言った。
お父さんに悪いわ
とも彼女は言った。
少年はなにも応えず
黙々と
決められた作業をつづけた。
闇のなか 荒々しく誰かの逃げ去る足音がした。
....
女というのは
いてもいなくても
苦になるものだ
と
かつて俺は思っていた
女にはたぶん
心はあっても
精神なんてないんじゃないか
と
なかば本気で思ってもいた
むかしむかし ....
言葉のたりない夕ぐれは
悲しみばかりが増すようで
いのりが言葉にのらないんだ
あたらしい朝でも来れば
疲れはとれて涙はかわいて
たぶん大切なこと思い出すよ
駐輪 ....
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