夕べに
生まれた
小さな泡が
今日に
命の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ

空に
生まれた
小さな塵が
今日に
光の鼓動を始め
明日に
いつつの指を得て泳ぐ

 ....
つじつまを誰かが合わせてくれるのだろう、この人生の終わりに

とりあえずしつけ糸で縫い付けるそこが予定であるかのように

始業式の朝ともなれば小学生が憂鬱のつじつまを合わせて行く

一時間 ....
無邪気であり
かつ残酷でもある少年は
少女にはわからない遊びに夢中になったりする
原始の森から続く通過儀礼のように
せみとり くわがた かぶと虫
昆虫標本

はばたくために作られた軽い羽 ....
冬の朝
ランドセルを背負う前に
背中にしんぶんしをおふくろが入れてくれた
と夫が言う
ホカロンなどなかった時代

結構あったかかったんだな、これが

しんぶんしはあったかいのか

 ....
足踏みをして
空気を送り込んで下さい
それが
おとになるのです
白い鍵盤の上でこどもが遊び
黒い鍵盤の上でスキップをする
電気もいらない単純でのどかな楽器
足と手さえあればあとはなんにも ....
夏雲がつくる横顔誰かしら似ているようでもありますね

客はみなミステリーだと気づかずに四十五円の特売卵売られ

病院の長椅子にて縁もゆかりもない人のあくびをもらう

咲かぬまま枯れてしまっ ....
列に帰属する蟻
ときたま
はぐれて戻らぬ蟻もいる

白いカナヘビが忍者のように
するりと岩陰に隠れた

彼女は言った
東京は子供が住む場所じゃない もはや
20キロも200キロもおん ....
焼けた砂浜を
飛び跳ねるようにして
海へとかけてゆくこども
裸足の裏がじりじりと焦げる

ポップコーンが無鉄砲にはじけて白い入道雲になる
どこまでいってもたどりつけない水平線
追えばどこ ....
目的地を知らされていない旅路の途中はみなトランジット

不安定のエネルギー浮上して高気圧

空に立ち上る灰色の龍、雷

絵葉書に古い遺跡の写真ありどこか懐かしい気がする夏

蝉蝉蝉、は ....
仏壇がはなやぐことよ
ようきんさったなぁ
帰省した一族らぁが
各地の土産を並べていくけんど
こがーに食べられんでのう、おかあさん
おとうさんはビールがありゃあ良かけん
ほいでも黄色い菊と白 ....
いつまでも咳が出る
のどにつまった小骨のせいだ

はやく、はやくとせかされる
あほう、あほうとわらわれる
うかうかすると
小骨から
芽が出て
つるが伸び
ぼくのいのちをのっとりにくる ....
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ

茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った

だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ

藁を燃やして送 ....
とつきとうか
出口の見えないトンネルの中を
さまよい歩く気分でした

年中睡いくせに
その眠りは浅く
私は大海に漂う一枚の木の葉のようでした


{引用=沈みかかっては(眠りに落ちて ....
女王のおうちの前をかつての奴隷達が疾走していく
コップ一杯の水を飲む

夜の間に
水分が失われた細胞が
目覚めていくのを感じる

八月六日の朝
同じように水を飲む

最期の言葉は
ミズヲ クダサイ

この水は
私の水 ....
おひさまに干されたふとんは
懐かしい匂いがする

平屋建ての木造家屋
屋根より高く育ったヒマワリ
リュウノヒゲにふちどられた細い通路
赤いバラのアーチでは
テントウムシがアブラムシを食べ ....
雨上がりの
苔の上で眠る
あの幸せを
私はどうして手放してしまったのか

雨上がりの
苔の上で眠る
それをするには
私は大きくなりすぎてしまった

雨上がりの
苔の上で眠る
極 ....
小さな命は消えてしまった

新しい駅を造るために
もともとあった川はせき止められ
ある日
ただのどろの土地になっていた

川を移転させるらしい

駅がほしいのは
人間だけで
川に ....
夏は
エアコンを入れるせいか
気づくと
ガソリンメーターの残量計が
あとわずかということがある
ランプがあとひとつというのは
かなりアセル状況で
近くのガソリンスタンドで入れていこうか
 ....
明日のわたしはわらっていますか?
明日のわたしはかなしんでいますか?
明日のわたしはなにをみつめていますか?

明日のわたしが生きているのなら
生きていることに
ありがとうをいうでしょう
 ....
横断舗道を
小学校六年くらいの
男の子たちの集団が
渡っていく

夏休みが始まったばかりだというのに
どの子も
こんがりと日焼けしていて
プールでもいくのだろうか
子犬がじゃれ合うみ ....
子どもの頃
夏になると
庭に母がとうもろこしを植えた
毎日水やりをするのは
弟と私の仕事だった

「これ、なんていうとうもろこしか知ってる?」
「とうもろこしに名前なんてあるの、おねえち ....
圧縮されたファイル
記憶という
過ぎ去った時間

遠くで花火の音
安全地帯からは
それをみることは叶わない

蒸れた熱が
蜃気楼のように、ゆらぎ
ここではない何処かへ連れていく
 ....
つかまえた! 石灯籠の丸き宇宙に

夏帯を解いて自由になる私

戻りたいサンズイ連れて涙梅雨

今だけを夏野にきざみ生きていく

あの頃は虹だけ見てればよかったね

ブロークンハー ....
夏を待つ間
透明な
ガラスのコップに
冷たい水を注ぐ

満ちていく
満たされていく
透明な入れ物に
透明の中身で

夏が来る頃
どこからともなく
水滴が現われて
コップの魂を ....
湖底に眠るオルフェウスの首
無数の藻を寝台にして置かれている
目は閉じられ
口は唄うかのように
ほんのかすかに開いている
水がゆらめいて光りさざめく

闇と光が溶け合っている
死と生が ....
パンダの赤ちゃんが
亡くなったと
News速報で流れる
平和な日本

動物の赤ちゃんが死ぬのは
特に珍しいことでもないけれど
パンダは特別枠なので
みんながかわいそうと言う

わざ ....
取り替えて! となりのトロロよく伸びる

掘り返す? となりの芝生に埋まる骨

おとなりのとなりのとなりも知らぬ人

番犬や となりを吠えてはや十年

バス停にトトロによく似たおばさん ....
マスカットは
{ルビ麝香=じゃこう}を纏い
たわわに実る
房のひとつひとつに
水をたたえた命が宿る

今は廃屋に
つるを伸ばして
たわわに実る
愛すべき
黄緑色の鈴によく似た果実よ ....
さみだれている庭
ひと雨ごとに、育つ緑がここにある
雨の匂いと土の香り

湿気は、ほんのささいなセンチメントも
美しくふくらませる
庭を見渡せる屋根付きテラスで
濃く煎れた紅茶を飲んでい ....
そらの珊瑚(1019)
タイトル カテゴリ Point 日付
星という海星自由詩1512/9/6 10:22
つじつま短歌712/9/4 10:49
少年と少女自由詩21*12/8/30 15:11
しんぶんし自由詩16*12/8/28 10:05
おるがん自由詩12*12/8/28 9:32
今日が発泡している[group]短歌7*12/8/24 11:22
ダイイングメッセージ自由詩10*12/8/24 10:31
あの夏自由詩10*12/8/21 13:42
晩夏(自由律俳句)俳句7*12/8/19 8:57
盆にぎわい自由詩7*12/8/16 13:16
たくらむ小骨自由詩1012/8/12 21:31
盆送り自由詩2312/8/10 10:59
とつきとうか自由詩1412/8/8 10:33
ゴールはバッキンガム宮殿[group]短歌312/8/6 10:11
誰かの水自由詩14+12/8/6 10:05
黄昏待ち自由詩2312/8/4 10:54
ラ シルフィード自由詩1312/8/1 16:39
小さな命自由詩10*12/7/31 8:19
ガソリンメーター自由詩8*12/7/30 9:05
明日のわたし自由詩9*12/7/25 8:23
街角の風景自由詩10*12/7/24 8:24
とうもろこしを茹でながら自由詩19*12/7/21 19:12
夏の鍵自由詩15*12/7/20 10:34
夏の恋俳句4*12/7/18 15:40
初蝉自由詩23*12/7/18 13:31
オルフェウスと竪琴自由詩8*12/7/15 9:50
News自由詩16*12/7/14 19:15
となりのココロ川柳5*12/7/13 11:48
ネオ マスカット自由詩10*12/7/13 11:01
紫陽花のうた自由詩1212/7/12 12:40

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